今や日本代表は海外組が大半を占めており、前線の選手も当たり前のように欧州で活躍する時代だ。しかし、FW岡崎慎司のようなタイプはなかなか出てこないだろう。
36歳を迎えている岡崎は今夏に日本人選手が多く在籍するベルギーのシント・トロイデンへ加入したが、海外生活は2011年に清水エスパルスを離れてドイツのシュツットガルトへ向かったところから11年の時が経っている。これだけ長く海外でプレイできる日本人FWも珍しい。
シント・トロイデンでも20日のオーステンデ戦からフル出場しており、チームメイトになったMF香川真司との『ダブル・シンジ』が早くも注目を集めている。
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日本代表でもゴール積み重ねてきた岡崎
ベルギー『Walfoot』もそのパフォーマンスから、岡崎の獲得はマーケティング目的ではないと強調。最初の試合から素晴らしい可能性を見せたとベテランFWのパフォーマンスを評価する。
岡崎は高精度のパスを持っているわけでもなければ、ドリブルで2人、3人とごぼう抜きにするようなテクニックを備えているわけでもない。どちらかといえば器用な方ではないだろう。
しかし、ボールに対する嗅覚はずば抜けている。ゴール前でのポジショニング、日本人離れした勝負強さ、そして現代のFWが忘れがちな強烈なガッツを備えている。それがあったからこそ日本代表での通算得点数が歴代3位の50ゴールまで伸びたのだろう。同世代では本田圭佑、香川らの方がネームバリューはあるかもしれないが、当時から困った時に岡崎のゴールで救われた試合がいくつもあった。
現代ではオシャレな技術を持つFWが増える一方で、岡崎のようにガッツを前面に押し出してボールへ突っ込んでいくタイプの泥臭いストライカーは減少傾向にある。こうした選手ほどワールドカップのような大舞台でサプライズを起こしがちなのだが、日本代表に岡崎の後継者は出てくるだろうか。今のところ岡崎タイプは育っていないだろう。