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W杯や今後のサッカー界について語る日本サッカー協会の田嶋会長
「W杯初出場の1998年から7大会すべてに関わっているが、今回ほど本気で勝つぞという意識で臨んでいるチームはない。勝てる保証はないが、今までなら10回やって1回ぐらいしか勝てないスペインやドイツに、1、2回勝ち、2回ぐらい引き分けに持ち込めるかもと肌で感じる」
-森保監督は一時、一部ファンから解任を求める声もあった。
「僕は決して評価が低いと思ったことはない。しっかり勝ってきていることを評価しないと。2019年のアジア・カップは準優勝。(監督を兼務した昨夏の)東京五輪でも1次リーグでフランスやメキシコ、南アフリカを倒した内容はすごく良かった」
-アジア最終予選の序盤では苦戦した。
「初戦のオマーン戦は東京五輪の約4週間後。命がけで五輪を戦った選手の多くがプレーし、反動がきた。監督は落ち込んでいたと思うが、変わらずチームを維持した。Jリーグで3度も優勝した森保監督は日本人の中で一番実力があり、一貫した考えを貫ける。サポートすることがW杯への近道と理解した」
-森保監督は後に、オマーン戦後に進退を伺ったと話した。
「僕のところにも来た。『自分がだめなら代えてください、お任せします』と。でも代える気はまったくなかった。(18年のW杯前に監督を解任した)ハリルホジッチさんのときは監督とスタッフ、選手たちの乖離(かいり)が外から見ても分かった。でも今回はそこ(の連携)がしっかりしている」
-10年のW杯直前も成績不振で岡田監督に批判が出たが続投させ、チームは16強入りした。
「当時は協会内部にも『岡田じゃダメだ』と言う人たちもいたが、チームがすごく固まったからあそこまで行けた。当時とすごく似ている」
-結束できる理由は。
「選手が自立し、勝つために何をすべきか理解している。森保監督がしっかりとした信念を持っているからだ。多くの選手が海外に出たことも大きい。長谷部(アイントラハト・フランクフルト)のようにドイツでも評価されるような選手が出た。育成年代から哲学や考え方を植え付けてきたサッカー界の培ったものでもあると思う」
-長崎市出身の吉田主将(シャルケ)の存在も大きい。
「麻也にはリーダーシップがあり、みんな認めてリスペクトしている。ただ、選手が自立しているから、麻也がけがをして代表に来られなかったときも慌てず、谷口(川崎)=熊本市出身=らがそれ以上のパフォーマンスを発揮してくれた。日本代表は成熟してきている。W杯は層が厚いチームで戦える初めてのケースになるのでは」