サイトアイコン footcalcio

「評価が低いと思ったことはない」 日本サッカー協会・田嶋会長が語る森保監督への信頼 過去の代表監督交代劇との違いとは


日本サッカー協会の田嶋幸三会長(64)=熊本県苓北町出身=がこのほど福岡市内で西日本スポーツの単独インタビューに応じ、11月開幕のワールドカップ(W杯)カタール大会に臨む日本代表に期待と信頼を寄せた。一時期解任論が浮上した森保一監督(54)=長崎市出身=について、続投を支持する理由も説明。創立101年を迎えた日本協会の今後に向けた取り組みも語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fc6630e812bc32e9f0c61410b2d330437992dc2f

W杯や今後のサッカー界について語る日本サッカー協会の田嶋会長


-W杯開幕まで約2カ月。日本代表の現状は。

「W杯初出場の1998年から7大会すべてに関わっているが、今回ほど本気で勝つぞという意識で臨んでいるチームはない。勝てる保証はないが、今までなら10回やって1回ぐらいしか勝てないスペインやドイツに、1、2回勝ち、2回ぐらい引き分けに持ち込めるかもと肌で感じる」

-森保監督は一時、一部ファンから解任を求める声もあった。

「僕は決して評価が低いと思ったことはない。しっかり勝ってきていることを評価しないと。2019年のアジア・カップは準優勝。(監督を兼務した昨夏の)東京五輪でも1次リーグでフランスやメキシコ、南アフリカを倒した内容はすごく良かった」

-アジア最終予選の序盤では苦戦した。

「初戦のオマーン戦は東京五輪の約4週間後。命がけで五輪を戦った選手の多くがプレーし、反動がきた。監督は落ち込んでいたと思うが、変わらずチームを維持した。Jリーグで3度も優勝した森保監督は日本人の中で一番実力があり、一貫した考えを貫ける。サポートすることがW杯への近道と理解した」

-森保監督は後に、オマーン戦後に進退を伺ったと話した。

「僕のところにも来た。『自分がだめなら代えてください、お任せします』と。でも代える気はまったくなかった。(18年のW杯前に監督を解任した)ハリルホジッチさんのときは監督とスタッフ、選手たちの乖離(かいり)が外から見ても分かった。でも今回はそこ(の連携)がしっかりしている」

-10年のW杯直前も成績不振で岡田監督に批判が出たが続投させ、チームは16強入りした。

「当時は協会内部にも『岡田じゃダメだ』と言う人たちもいたが、チームがすごく固まったからあそこまで行けた。当時とすごく似ている」

-結束できる理由は。

「選手が自立し、勝つために何をすべきか理解している。森保監督がしっかりとした信念を持っているからだ。多くの選手が海外に出たことも大きい。長谷部(アイントラハト・フランクフルト)のようにドイツでも評価されるような選手が出た。育成年代から哲学や考え方を植え付けてきたサッカー界の培ったものでもあると思う」

-長崎市出身の吉田主将(シャルケ)の存在も大きい。

「麻也にはリーダーシップがあり、みんな認めてリスペクトしている。ただ、選手が自立しているから、麻也がけがをして代表に来られなかったときも慌てず、谷口(川崎)=熊本市出身=らがそれ以上のパフォーマンスを発揮してくれた。日本代表は成熟してきている。W杯は層が厚いチームで戦える初めてのケースになるのでは」


日本代表はドイツ遠征中で、23日に米国、27日にエクアドルとそれぞれ対戦。W杯開幕直前の11月17日にはアラブ首長国連邦でカナダと戦う。3チームともW杯出場国で、実力のある相手と経験を積み、本番ムードを高めていく。
モバイルバージョンを終了