
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝1stレグ、アル・ヒラル対浦和レッズが現地時間29日に行われ、1-1の引き分けに終わった。完全アウェイのキング・ファハド国際スタジアムで行われた一戦で引き分けたことで、浦和はアジア制覇の望みを埼玉スタジアムで行われる2ndレグにつないでいる。
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浦和の“ストライカー”興梠が敵地で貴重な同点ゴール

戦前の予想通り、立ち上がりからアル・ヒラルがボールを保持する時間が続いた。浦和は興梠慎三と小泉佳穂を最前線に置いた4-4-2のコンパクトな守備ブロックを築いて、アル・ヒラルの得点源であるオディオン・イガロとムサ・マレガには浦和の両センターバックがついて自由を奪った。
浦和は2列目の大久保智明、小泉、関根貴大の守備意識が高く、中盤で囲い込んで奪いきるシーンを多く作ることができた。デュエル勝率は浦和の49.4%とほぼ互角で、空中戦勝率は54.2%と浦和が上回っている。インターセプト19回は相手を8つ上回った。ボール支配率こそ浦和が28.8%と大きく下回っているが、連動したプレッシングにより試合の主導権を渡すことはなかった。
AFC公式サイトはこの試合におけるピッチを3分割したアクションエリアのデータを出しており、アル・ヒラル陣内が26.2%、浦和陣内が24.0%、ミドルサードが49.8%となっている。中盤での攻防が長かったと同時に、浦和陣内よりアル・ヒラル陣内でプレーしている時間が長かったことをデータが示している。ある意味でアル・ヒラルはボールを持たされていると表現できる状況もあり、浦和からしてみればうまく守れている時間も長かった。
肉を切らせて骨を断つという言葉がふさわしい浦和の戦いだった。関根や大久保ら前線の選手の献身的な貢献なしには成立しない戦いで、後半途中に体力の限界に達した選手もいたが、それを補って余りある価値のある勝利だった。
効果的にカウンターを繰り出すことでアル・ヒラルは浦和を押し込むことができず、試合の主導権を握り続けることができなかった。これこそが過酷なアウェイで貴重な引き分けという結果を持ち帰ることができた理由の1つと言えるだろう。