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【セルジオ越後】女子W杯中継を各局がためらったのも理解できるが…なでしこジャパン応援するよ


<女子サッカー国際親善試合MS&ADカップ:日本代表なでしこジャパン5-0パナマ代表>◇14日◇ユアテックスタジアム仙台

大味な試合になったね。

壮行試合で5得点して盛り上がっても、本大会に向けては何のプラスにもならないよ。相手によって戦術、精度や必死度、メンタルは変わるもの。せっかく世界的な才能を持つMF長谷川唯や運動量のあるDF清水梨紗ら、いい選手がいるのに、相手選びが残念でならない。もっと厳しいチームを相手に、彼女たちがどんな動きができるかをチェックしないと。今後の壮行試合のあり方を考えないといけないね、マッチメークした日本協会(JFA)は。

https://news.yahoo.co.jp/articles/591e0c0a31fc1dfc811e78bbe8c43c78002ba80b

なでしこ5発でパナマに快勝


なでしこジャパンは23人中9人が海外組だ。男子なら、Jリーグと欧州では年俸にも大きな開きがあるから、本場を目指すことは理解できる。でも女子は、欧州と強豪国の側である日本のWEリーグで、そこまでレベルの開きがないのではないか。2年前、せっかく日本にもプロリーグができたのに、まだ多くの選手が欧州に憧れている状況だ。

ただ、人気は違う。女子の欧州チャンピオンズリーグ(CL)は観衆が9万人を超える試合が複数回あったが、WEリーグの観客席はガラガラだ。見に行きたい選手がいないから、客足が遠のいてしまう。日本の女子サッカーの根幹とも言えるリーグが不人気では、やはり「文化」にまで高めることは難しい。今回、テレビ各局が女子ワールドカップ(W杯)の国内地上波中継を最後までためらったのは、十分理解できる。人気のない、視聴率が取れない、スポンサーが付かないコンテンツにお金を投資するほど甘くはないからね。

いくら男女平等を叫んでも、まだ日本は男中心の社会だ。企業が女性役員を増やすよう国が政策を立てても、まだパーティーに行けば幹部は男ばかり。日本で女子がサッカーを続けることも容易なことではない。

その中で、また世界一を目指して必死で頑張っている彼女たちを応援していきたいね。彼女たちがこれまで流した汗と涙を、JFAは無駄にしてはいけない。

日本は15日にニュージーランドへ出発し、22日に1次リーグC組初戦でザンビアと対戦する。
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