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【セルジオ越後】勝利求め失った“長谷川”の社会的アピール、なでしこの立場を理解したプレーを


<FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会:日本代表なでしこジャパン5-0ザンビア>◇22日◇1次リーグC組◇第1戦◇ニュージーランド・ハミルトン

相手に関係なく、初戦で5-0の圧勝は世間に向けていいアピールにはなったはずだ。女子サッカー人気が低迷し、テレビを見た人は選手の名前と顔が一致しないのが現状だ。女子サッカーといえば、いまだ一般の人は「澤穂希」を思い出す。それほど12年前のW杯優勝は強烈だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c7e56d74ac2c679c1c9c3c96862aff6ad68c7dc0

なでしこジャパンが初戦でザンビアに圧勝


今のなでしこの中心にはMF長谷川唯がいる。ザンビア戦に限れば、彼女はアウトサイド・プレーヤーだね。低い位置で攻撃陣を動かして前線にパスを供給し、圧勝の原動力となった。しかし彼女は自分で持ち込んで、高い位置でラストパスが出せるし、得点できる能力のある選手だ。

勝利のための選択だったと思うが、現在なでしこが置かれている立場を理解してプレーしてほしかった。なんとなく「W杯だから」とザンビア戦を見た人たちに、長谷川の3文字を覚えてもらう機会を失ってしまった。これで大谷がホームランでも打ったら、ザンビアに圧勝したこと自体が忘れられるのだろう。女子サッカーの現在の社会的な位置は、残念ながらそういうもんだ。

11年W杯で優勝するため、JFAは12年かけてあのチームを作り上げた。世界一になったが、澤ら主力はすでにベテランになっていて人気は続かなかった。今回のチームも12年かけて作っている。しかも26歳の長谷川ら主力の多くはまだ若い。W杯ピッチに立つ選手は今後の12年を作り上げるとの責任感を持って、再び頂点を目指してほしいね。


なでしこジャパンは26日の第2戦でコスタリカと対戦する。
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