昨季はロベルト・デ・ゼルビ監督の下、魅力的なサッカーを展開してリーグ6位につけ、クラブ史上初の欧州カップ(ヨーロッパリーグ=EL)出場権獲得を成し遂げるなど飛躍を遂げたが、これを一時的なものとせず、上位を維持することが「シーガルズ」にとっての最大の課題となる。
では、2023-24シーズンのブライトンがどれほどの可能性を秘めたチームなのか。現地では複数メディアが新シーズンを展望する中で、ブライトンにもスポットライトを当てており、チーム力だけでなく、注目の戦力などにも言及している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ba27415b0b69dbecb127d2e11fb57071c45239a
さらなる成長が期待されるブライトンの三苫薫
とはいえ、クラブ史上最高額の3000万ポンド(約54億円)でワトフォードから獲得したジョアン・ペドロをはじめ、GKからFWまで、全てのポジションで新戦力を補強し、何人かはテストマッチで早くも存在感を示していることから、強化については「しっかり戦力を増強させた」と評価している。
一方で、シーガルズが新シーズンに成功を収めるための鍵は「プレミアリーグと欧州カップ戦の同時並行に耐えられるか否か」にあるとも指摘。“二足のわらじ”を履くという初体験の状況がブライトンを苦しめる可能性を示唆し、同メディアのリーグ順位予想では、昨季を下回る「9位」となった。
もっとも、チームに対する期待は大きく、「何が起こるにせよ、三笘薫、ファクンド・ブオナノッテ、エバン・ファーガソン、フリオ・エンシソのようなエキサイティングな才能が、カリスマ的な指揮官の下、未知の領域でどのように成長し続けるかを見るのは興味深い」とポジティブな展望も示している。
なかでも、昨季参戦1年目にしてプレミアリーグで旋風を巻き起こした三笘を、同メディアは注目選手として挙げ、「ブライトンのカルト的英雄は今季、デ・ゼルビ監督の下でさらに開花する可能性がある。多くのクラブから関心を寄せられる中で、現在契約延長に向けて交渉中の日本人選手が、昨季のようなパフォーマンスを発揮できれば、再びその去就について多くの憶測が飛び交うだろう」と綴った。
一方、サッカー専門誌『FourFourTwo』は、「デ・ゼルビ監督による、コントロールされたポゼッションと素早いカウンターを組み合わせた革新的なサッカー」とブライトンを称賛しながらも、「昨季のエバートン戦(1-5の大敗)のように、相手チームがボールを保持することに興味を持たない場合、何が起こり得るか。相手監督はそのことに気づいているだろうし、選手たちには、ブライトンのプレス攻撃の罠にはまらないように指示するだろう」と、これからシーガルズが直面するであろう問題を挙げている。
これに対しては戦術面でのオプションを増やす必要性を訴え、また「セットプレーの改善も、チームにとっては役立つだろう」と指摘。そしてファンに向けては、「デ・ゼルビ監督は、イースト・サセックスに長く滞在することはないと思われるため、できる限り彼のサッカーを楽しんでおくべきだ」とも提言した。
また同メディアは、新加入選手の中では21歳のFWシモン・アディングラに注目し、ベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズで1年のレンタル期間を経てブライトンに復帰という、三笘と同じキャリアを歩むコートジボワール代表のウイングについて、「昨季、レアンドロ・トロサールがアーセナルに去った後にセンセーションを巻き起こした三笘の半分でも、アディングラが影響を与えられれば、ブライトンはまた新たな宝石を手に入れることになるだろう」と期待を寄せている。