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伊藤洋輝が明かすJ2からドイツ直行で通用した理由


サッカー日本代表で存在感を高めてきたDF伊藤洋輝選手(24)=シュツットガルト=は、日本では主にJ2でプレーしていたが、瞬く間に世界最高峰の一つ、ドイツ1部リーグで主力の座をつかんだ。J2やJ3から「直行」して通用するためには、どんな強みが必要か。尋ねてみた。

「最初はトップチームに残れるとは想像していなかった。活躍すればすぐに上に行けること、評価されれば使ってもらえることを身に染みて感じました」

2021年夏、J2ジュビロ磐田からシュツットガルトへ期限付き移籍した当時の心境をそう振り返る。J1リーグ戦の出場経験はわずか3試合。当初は21歳以下の若手を中心とするセカンドチーム(現ドイツ4部リーグ所属)でプレーする予定だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dea04f1dd482d2b57e93130ea4fda53485dfca8e

周りの選手に比べて、一つ抜けたものが特徴としてあれば良いと思います


だが、同年8月の1部リーグ開幕戦でいきなりベンチ入りし、第3節に途中出場。開幕1カ月後の第5節には初先発し、1年目からリーグ戦29試合に出場した。22年5月には完全移籍を果たした。

「J2やJ3の選手でも、どんな強みがあればドイツ1部で通用できるか」との質問には、こんな意見を語った。

「ベースとして、フィジカルは必要かなと常々感じています。その上で、自分はボールを持った時にストロングポイントがあった。周りの選手に比べて、一つ抜けたものが特徴としてあれば良いと思います」

自身は身長188センチ、体重84キロの体格にスピードを兼ね備え、左足から放たれる高精度のロングパスを武器とする。プラスアルファの部分もポイントだった、との自己分析だ。

Jリーグ時代は決して目立つ存在ではなかった。育成組織から所属した磐田と高校3年生だった17年にプロ契約を結び、翌18年はJ1に初出場したが、出場は1試合のみ。19年に期限付き移籍した名古屋グランパスでもJ1でわずか2試合。いずれも途中出場で計3試合、48分しかJ1リーグ戦に出ていない。

ただ、20年からはJ2に降格した磐田に戻り、主力に定着。1年半で計57試合に出場した。そしてドイツで大きく羽ばたいた。

「J2からこっち(ドイツ)に来て、最初はセカンドチームと言われたけど、ドイツ1部でスタメンまで来られた。日本の選手にとって、一つの良い例になったと思います」

ドイツでの活躍が評価され、22年5月には日本代表に初選出。同年のワールドカップ(W杯)カタール大会にも出場し、その後は代表での出場機会を増やしている。

一方、成り上がった立場だからこそ抱く危機感もある。

「今はスタメンで出ていても、下から良い選手が出てきたら、ポジションは常に失う可能性もある。リーグもチーム内も競争力が高い。一瞬たりとも気が抜けない場所にいます」


今季はリーグ戦で全試合出場を続けていた中で、11月下旬にけがをし、年内の試合は欠場する見込みだ。厳しい競争に身を置く中で、復帰後はどんなプレーで改めて自身の価値を示すか。
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