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〝日本の至宝〟久保建英がスペインでブレークした本当の理由「前を向いたら誰も止められない」


〝日本の至宝〟がスペインでブレークした本当の理由とは――。MF久保建英(22=レアル・ソシエダード)は、日本代表が最多を更新する5度目の優勝を狙うアジアカップ(カタール)での大活躍を期待されている。欧州ビッグクラブが獲得を目指す好パフォーマンスを所属クラブで発揮しているからだが、その裏には海外でも活躍した元日本代表10番の中村俊輔氏(45=横浜FCコーチ)の存在があったという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3a67e9550abfa933449641b432abe32fe3bee74a

「今タケフサが前を向いたら誰も止められないですよ」


今季も好調をキープしている久保は序盤戦で得点を量産するなど、好パフォーマンスを見せ、世界トップ選手への階段を上り始めた。J1FC東京時代、久保が中学生だったころから指導してきた元日本代表DF中村忠氏(52=現東京Vアカデミー・ヘッド・オブ・コーチング)は、まな弟子の成長について「みんな言っているようにフィジカルのところ」と肉体改造の成果を挙げた。

フィジカル面が強化されたことにより、競り合いでもバランスを崩したり、倒されたりする場面が減って、今まで以上に自慢のテクニックを生かせるようになったという。特に課題とされていた守備面でも当たり負けするどころか、ボールを奪いきれるようになった。中村氏は「そこは大きいでしょうね。守備から攻撃につなげる意識も高い。大きく変化した部分と思います」と語った。

その上で大きな飛躍を遂げたもう一つの理由を「俊輔の存在は大きいと思います。タケフサも『教わりました』って言ってましたから」と明かした。「タケフサは右サイドでパスをもらうと、ドリブルで相手を抜いていくじゃないですか。あれって俊輔のアドバイスがあったそうです。もともとボールを持つと、トップスピードに上げてしまう傾向があるんですけど、俊輔から『緩急をつけたら』と言われたそうですよ」

中村氏は「俊輔ってスピードタイプの選手じゃないですけど、ほとんどボールを取られないじゃないですか。それにスピードを上げても取られない持ち方とかも教わって、実践しているようです」と語る。スピードに緩急をつけるとともにボールを保持する位置や体の向き、上半身のわずかなひねりで相手を惑わすなどの工夫でドリブルに磨きをかけてきた。「今タケフサが前を向いたら誰も止められないですよ」とまな弟子の成長に目を細める。

俊輔氏は衛星放送「WOWOW」の番組企画でも久保を指導し、FKなどセットプレーの〝極意〟を伝授。昨年11月に「WOWOW」で久保の試合を解説したときには「前と蹴り方が全然違うんですよ。明らかにボールの質が変わった」とし、そのプレーも「相手を引き付けてからパスとか。余裕を持ってやれている」「ドリブルがチームに与える影響は素晴らしい」と絶賛していた。

2022年カタールW杯から大きく成長し、日本代表にとって欠かせない戦力となった。すでにスペイン1部レアル・マドリードや、イングランド・プレミアリーグのリバプールやマンチェスター・ユナイテッドなどのビッグクラブが、シーズン後の獲得を検討している。そうした中、まずはアジア制覇に挑む森保ジャパンをけん引していくはずだ。
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