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中村憲剛氏、毎熊晟矢にサッカーIQの高さを感じたプレーとは? 右サイドバックが見せた抜群の働き


◆アジア杯▽決勝トーナメント1回戦 日本3―1バーレーン(31日、ドーハ)

サッカーIQの高さを感じさせる立ち位置だった。前半31分、右サイドバックの毎熊はポジションをいつもより内側に取り、フリーでパスを受けてミドルシュートを放った。もともとFWだっただけに、ポストをたたいたシュートも素晴らしかったが、指摘したいのは、サイドが主戦場のサイドバックが、あの位置を取ったことに尽きる。

前線右サイドには久保がいて、中には堂安がいた。三角形の頂点に毎熊が位置すると、底辺をつなぐ2人に引っ張られて相手はなかなか守備に出てこられない。毎熊はピッチの盤面を俯瞰し、どう利用するかを理解した上で、「中に入っても大丈夫」と判断したのだろう。久保、堂安の位置もよく見えていた。

hhttps://news.yahoo.co.jp/articles/3f3477bd5d04cb0bac6bed824cf447c5acfd04fd

強いFWに対して空中戦、地上戦でも対応できれば、いつ欧州から声がかかってもおかしくない


どこに立てば良いか。瞬時に考え、ポジションを取れるのが毎熊の良さだ。前を見て、スッと、あのポジションを取れるところに高い戦術眼を感じる。スピードもある。強いFWに対して空中戦、地上戦でも対応できれば、いつ欧州から声がかかってもおかしくない。

日本は中東勢に苦戦する印象をもたれている方も多いと思う。私の経験でも、中東とはかみ合わない試合が多かった。ロングボールを使い、足の長さも、球際でひとつ踏み込んでくるラフなプレーも、日常で対峙するスタイルではなかった。体は無骨で普段とは違う痛みを感じる。日本に対する野心も大きい。この誤差をすぐに埋めるのは簡単ではない。さらに今大会、イラク、バーレーンは3ラインを極力コンパクトにして、日本の対策を打ってきた。

内容も伴って、圧倒して勝つでしょう。そういう試合ほど難しいことはない。今の日本代表なら各国の包囲網すら鼻で笑って乗り越えてしまうかもしれない。大会前の内容を見てそんな期待もあったが、やはり一筋縄ではいかない大会だ。ただ、苦戦しながらもベスト8に進出したのは、地力がある証拠。準々決勝はイラン戦。ファイナルを目指す国同士、熱い戦いになることは間違いない。


アジア4強の座をかけた準々決勝は2月3日に行われ、イラン代表と対戦する。
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