森保ジャパンは前半、ある程度イランと対等に戦えたけど、後半は圧倒された。相手のサイドからの仕掛けに手も足も出ず、完全に受け身になってしまった。
攻撃では、相手が前からプレスをかけると自陣から出られなくなってしまった。全ての面で完敗だったと言っていいだろう。スコアだけ見れば1-2で僅差だけど、内容ではもっと差があったように見えた。
フィジカルはもちろん、技術でも上回れなかった。例えば、攻撃の際にボールを収められるアタッカーが日本は上田だけだったのに対し、イランには身体が強くヘディングが得意な選手が2、3人もいた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e9dd6f97f28218531e4f8a2f0e3ada6084d958a9
日本はイランに力負け。まだまだ、足りない面がある
相手への歓声が大きいとは言っても、世界的な大舞台とはそういうもの。サッカー選手にとって、大観衆の中で試合ができるのは幸せだ。慰めにはならないよ。
チーム編成も、反省が必要ではないか。怪我のため調整が遅れていた三笘を招集したけど、結局、切り札としては使いきれなかった。伊東の離脱はチームに責任はない。ただ、敗退の言い訳に利用するのは違うと思う。
大会前から気になっていたのは、過剰なプラス思考、ポジティブ思考だ。厳しい言い方になるけど、図に乗っていたのではないかな。
日本が最後にアジアの頂点に立ったのは2011年。その後の2大会では優勝できなかった。チャレンジャーとして臨むべきだったのに、今大会初戦までの「国際試合10連勝」や、「世界の強豪とも戦える」といった前向きな声が出過ぎていたように思う。
10連勝にはドイツなどの強豪も含まれていたけど、明らかな格下の国もあった。メディアも含めて、日本の力を過大評価し過ぎていたと思う。どんな相手に10連勝したのか、冷静に見るべきだったのではないかな。
アジアのレベルを考えると、日本にとって悲願のワールドカップ準々決勝進出が可能なほどの実力を示すためには、今大会は優勝がマストだった。それなのに、まさかベスト8で負けるとは…。本当に痛いし、しっかり反省してこれからに活かさないといけない。
今後、省みるチャンスが少ないのが心配だ。次回のワールドカップは、出場国枠が拡大される。アジアは従来の「4.5」から、「8.5」まで増える。よほどのことがない限り、日本も本大会に出場できるだろう。
アジア予選で格下相手に大勝して、実力は変わっていないのに強くなったと勘違いしてワールドカップで敗退する。そんなことになってからでは遅い。
だからこそ、今は「アジアでベスト8」という現実をしっかりと受け止めるべきだ。今回の敗退で、ワールドカップでのドイツとスペイン相手の勝利は消えたと考えたほうが良い。
日本代表は出直しだ。まだまだ、足りない面がある。やり直すためには、今の実力を認めるしかない。