立ち上がりから攻勢だったブライトンは17分、ペナルティエリア内でダニー・ウェルベックが倒されてPKを得ると、これをパスカル・グロスが冷静に沈めて先制ゴールを奪う。このゴールにより主導権を握ったシーガルズ(ブライトンの愛称)は、その後も積極的に攻撃を仕掛けた。
29分にはアダム・ララーナからのスルーパスに反応した三笘がボックス内に飛び出して右足のアウトサイドでゴールを狙ったが、相手GKグリエルモ・ヴィカーリオのファインセーブに阻まれた。
その後もスパーズ(トッテナムの呼称)の粘り強い守備を崩せずに追加点は奪えず、流れは徐々にホームサイドへと傾いていく。前半終了間際に、三笘が度々最終ラインまで下がって守備に貢献する姿が目立った。
後半に入るとスパーズがさらに押し込み、ブライトン守備陣にプレッシャーをかけていく。迎えた61分、トッテナムはパペ・マタル・サールのゴールで同点に追いつく。
この失点を境にして、再びブライトンがスパーズゴールに迫る時間が増していく。三笘も左サイドから決定機を作ろうとしたが、ラストパスの精度が低くチャンスを生み出せない。だが76分には、グロスからのスルーパスを左サイドで受けた三笘が左足でボールを中央へ送る。後方から走りこんだアンス・ファティが左足で合わせたが、惜しくもポスト右へと流れていった。
懸命に決勝点を目ざしたシーガルズだったが、試合終了間際のアディショナルタイム6分にカウンターから逆転弾を許してしまう。一瞬の隙を突いた鮮やかな決勝ゴールを目の当たりにし、三笘は呆然とするしかなかった。
「僕がここからコンディションを上げてチームを助けないといけない」
試合を追うについて押し込まれていった難しさについては、「プレスかけられて低い位置に僕らが入った時に、前線の距離感が遠くなってロストする形が多くなった。僕は裏を狙ってましたけど、そこで距離感が生まれて、ちょっと意思の疎通ができなかった。それとマンツーマンで来た時にちょっとハマったところはありましたね」と説明した。
一方で、三笘個人としては、1か月半ぶりのプレミアリーグで復帰して即先発フル出場し、見せ場も作った。
「コンディションは上がっていますし、そこまでアジアカップも出なかったんでコンディションの持っていき方はできましたけど、負けたら意味がないんで。まあ、動けているところはありましたけど、シュートもなかなか打てなかったですし、最後のクオリティのところは必要ですね」
次節は18日、最下位のシェフィールド・ユナイテッド戦となる。現在8位からの上位浮上に向けて、負けられない試合だ。
昨季にブレイクした日本代表のエースは、ここまで3ゴール・5アシスト。さらなる飛躍が期待されていたシーズンなだけに、物足りない数字である。最後に得点したのは昨年9月24日のボーンマス戦まで遡る。
「僕がここからコンディションを上げてチームを助けないといけない」