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「監督解任を求めたわけではない?」の質問に守田英正は何と答えた…アジア杯敗退後の“発言”をめぐる真意「恩をあだで返したつもりはない」


アジアカップ、イラン戦の敗戦直後、意を決してチームの問題点を指摘した不動のボランチ守田英正。“監督批判”とも受け取られたその言葉の真意は何だったのか。胸の内に秘めてきた日本サッカーへの熱い想いを真摯に語った。(初出:発売中のNumber1091号[独占インタビュー]守田英正「日本代表には軸がない」より)

近年の日本代表のミックスゾーンの中で、最も緊張が走った瞬間だったに違いない。イランに敗れてアジアカップ敗退が決まった直後、守田英正はミックスゾーンの天井をときおり見上げながら、チームの問題点を指摘した。

「もういろいろ考えすぎてパンクというか。正直、アドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこれを徹底しようとか、もっと提示して欲しい。それはもう正直に言っていいかなって」

采配や戦術に関する要望だったため、瞬く間にネットで拡散され、森保一監督の解任を求める人々の格好の論拠となった。

ただし、あくまでミックスゾーンでの記者とのやりとりにすぎず、言葉が切り取られて一人歩きしている部分もあるだろう。

いったい28歳のボランチはどんな日本代表の未来を望んでいるのか? ポルトガルに戻った守田にオンラインで真意を聞いた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/13c015b09dd8d130d3d2acca77739917ba8e3eea

アジアカップ敗退後に発した守田発言の“真意”


―いきなり本題をぶつけます。どんな想いで問題提起したのでしょう?

「自分を棚に上げて何を言っているんだという声もあるでしょうが、もちろん自分自身にも矢印を向けていて、僕のせいでイランに負けたと思っています。先制点を決めましたが、それ以外はほぼ決定的な仕事ができず、ボランチとして状況を変えられなかった。同点にされた場面では、僕がワンタッチで斜め前の(遠藤)航くんに出せたのにバックパスをしたのが失点の原因。カタールW杯のクロアチア戦でもそうだったんですが、苦しい展開でボールを失いたくないという想いが強くなり、大胆さが薄れてしまった。自分に非がありました。

また、今回の発言はチーム全体への提案であって、特定の個人に向けた批判ではないことも分かって欲しい。これまで森保監督と約5年間一緒にやらせてもらって、チーム内における僕の役割だったり、発言だったりを信頼してもらえていると感じています。受け止めてくれるとわかっているからこそ、僕のパーソナリティーを言葉に乗せた。恩を仇で返したつもりはない。『批判された! 切ろう! 』となるような方じゃないと思います。

僕はすべての行動に『日本サッカーをもっと良くしたい』という想いがある。日本代表をもっと強くできると信じているので、このタイミングで発言したんです」

―ということは、監督解任を求めたわけではない?

「当たり前じゃないですか。起こっている事象を解決するために問題提起しただけ。そこは勘違いして欲しくないですね」

―なぜ今が発言のタイミングと感じたのでしょう?

「森保さんが日本代表を率いて5年が経ち、僕は怪我で離脱したとき以外はほとんどの活動に参加し、カタールW杯最終予選の途中から先発で出させてもらえるようになりました。予選中に決め事を積み上げる難しさを理解しつつも、そのときからこのままでいいのかなという想いがありました。

もちろん森保さんのコンセプトは選手とも共有されていて、『いい守備からいい攻撃』といった枠組みがあり、僕自身もそれを理解した上でプレーしているつもりです。

ただ、枠組みができたら、次は中身をどうしましょうっていうところをもっと突き詰めないといけないと思うんです」


日本代表は3月にW杯アジア2次予選で北朝鮮とホーム&アウェーで2連戦を戦う。
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