森保ジャパンは「今までの日本代表とは少し違う」 松木安太郎氏が感じた“変化”とは? | footcalcio

森保ジャパンは「今までの日本代表とは少し違う」 松木安太郎氏が感じた“変化”とは?

ネタ・談話

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カタール・ワールドカップ(W杯)の開幕が11月20日に迫ってきた。日本代表は23日にドイツ代表、27日にコスタリカ代表、12月1日にスペイン代表と対戦と、厳しい戦いが待ち受けている。そんななか、サッカー解説者の松木安太郎氏はテレビ朝日で取材に応じ、W杯という大舞台ならではの体験談を語りつつ、森保ジャパンに対してはこれまでの日本代表とは異なる期待感を抱いていると語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b5ed2d1c2cff5f9390ea702051930f802776a9d7

松木氏が現地で体感したW杯の特別な雰囲気「国をあげて応援する」

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サッカーにおいて、「W杯はほかの大会にはない、独特で特別な雰囲気がある」と耳にしたことがある方々も多いだろうが、実際はどうなのだろうか。松木氏が最初にW杯を現地観戦したのは、1974年に開催された西ドイツ大会だったとのことで、そこではほかの大会では起こり得ないような、W杯ならではの“国をあげた熱狂ぶり”を体感したという。

「1974年に西ドイツで開催されたW杯を現地で観戦したんですが、まだ東ドイツと統合する前で、西ドイツと東ドイツがグループリーグで同居したんですよね。その直接対決がある日に、僕らはチケットを購入できなかったので、テレビで観ようと思ってレストランを探していたんですが、どこのレストランも対応してくれなかったんです。店に入っても、料理も作らない。店員は『それどころじゃないよ! こんな時に君たちに料理なんて作っていられないよ!』と(笑)。国をあげて応援するのがW杯なんだと実感しましたね」

また、2014年に開催されたブラジル大会でも、リオデジャネイロで移動している際に開催国ブラジルの試合が始まり、公共の路線バスが止まってしまったという。路線バスを運転する運転手と乗車している客の全員が下車して、目の前にあるレストランで試合を観戦し始めた。日本ではまずありえない異常事態を、その国の国民全員は受け入れている。街の機能が止まる。それが許される。それこそがW杯なのだ。

松木氏は1998年に開催されたフランスW杯に日本が初出場した時から解説を務めており、今回が7大会目になる。そんな“百戦錬磨の解説”をこなしてきた松木氏から見ても、森保ジャパンにはこれまでとは少し異なる印象を抱いているという。

「日本代表の選手に何人かインタビューしたところ、過去に五輪で勝利したことのあるスペイン相手にも自信を持っているし、ドイツでプレーしている選手が多いので、ドイツ相手にも自信を持っている選手が結構いるんですよね。今までの日本代表とは少し違う色を持っているなと」

日本は2012年のロンドン五輪で優勝候補のスペインを撃破し、ベスト4進出を果たした実績がある。GK権田修一(清水エスパルス)やDF吉田麻也(シャルケ)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)はピッチでその瞬間を味わった経験者だ。また、MF鎌田大地(フランクフルト)やMF遠藤航(シュツットガルト)、MF堂安律(フライブルク)ら含む7人が現在ブンデスリーガでプレーしており、ドイツの特徴や戦い方を把握している。スペイン相手の“成功体験”、ドイツに対する“免疫力”――。強豪国に臆すること、言わば“リスペクトしすぎる”姿勢が、今回は一切見受けられないという。それは、これまでの日本代表にはあまり見られなかった“変化”とも言える。

「日本でも、天皇杯というカップ戦で、J2のチームが優勝するという現象が起きています。それは、J1のチームにプレッシャーがかかっていた要因も大きい。ということは、今大会もどちらかと言うと、日本はランク的にやや劣るという意味でも、むしろすべてを出し尽くすことだけを考えてプレーできますが、相手チームは警戒をしながら戦わなくてはいけないプレッシャーがつきまとうんじゃないかな」

今季の天皇杯は、J2のヴァンフォーレ甲府がJ1の強豪チームを次々と撃破する“ジャイアントキリング”で優勝を達成している。松木氏は、今大会では日本が甲府のような快進撃を見せる可能性も十分にあると期待感を示していた。史上初のベスト8進出に向け、下剋上を起こす準備は整っているのかもしれない。

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日本代表は11月17日にUAEのドバイでカナダ代表と強化試合を行い、本大会へと臨む。
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