羽田空港で取材に応じたカズは、55歳にしての欧州からのオファーに「特に欧州には、また行ってみたいと思っていましたが、移籍という形では難しいとは思っていた。そういう意味ではサプライズ。ブラボー!という感じ」と、日本代表の流行語を交えながら喜びを口にした。
また、トランジットの地のシャルル・ドゴール空港でブラジル-クロアチアの熱戦を見届けたことを明かし、「僕のワールドカップ(W杯)は終わりました」と冗談めかして話す一幕も。カズの主な一問一答は以下の通り。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c5205ff747c934124ca76cb5545b6dbaeeb5e44
カズ、海外移籍「できるか考えたい」
「ポルトガルのチームからオファーをいただいたので。クラブの視察と、監督と強化部長と食事をしながら話をしました。練習も見せてもらった。非常に技術が高く、強度も含めて高いと感じた」
-どんな役割を求められたか
「当然、年齢も現状も把握しているようだった。若い選手が多いので、グラウンド内外で、声かけやサッカーに対する姿勢、考え方をしっかり伝えてほしいと言われましたし。チームはチャンスもたくさんつくるけどなかなか点が取れないということで。僕の経験で落ち着いたプレーを、グラウンドの中でやりながら点に絡んでほしいと。簡単な話ではないが、ポジティブな話し合いだった」
-現在の気持ちは?
「光栄なことに、Jのチーム、鈴鹿もオファーをいただいている。どこでやるのが一番いいのか、どこで一番役に立って力になれるか、自分が一番何をしたいか、どこでどういうプレーをしたいのか、しっかり整理してやりたい」
-オリベイレンセは、天然芝グラウンドをつくる計画もある。環境面は
「(天然芝グラウンドは)まだ、すぐにできあがる感じではなかったが、つくる場所には連れて行ってもらった。練習は試合のスタジアムでやっていた。そこのグラウンドも良かったですよ。でも、人工芝でも(練習を)やるらしいので。そこは心配ですね。クラブハウスは、スタジアムのロッカールームを使う。それは、ザグレブに在籍したときもそうでしたし、ブラジルの所属チームでも多かった。そこは大丈夫でした。ジムも広くて、いい所だった」
-候補の1つではあるか。
「そうですね。しっかり考えたい。こういうチャンスが訪れるとは思っていませんでしたし。去年、鈴鹿に行ったとき、横浜FCで試合に出られなくて、試合に出たいという気持ちでいて。それは変わりないんですけど、ポルトガルチームの監督にも強化にも言いましたが、ポルトガルのチャンスに関しては、試合に出ることを第一に考えますが、それ以外に、自分がサッカー選手としてまた、そういう環境に行って戦うことや、自分が暮らして住んで、知り合うサッカー文化や人脈、語学力を高めることもそうですし。今回は、横浜FCのオーナーが大きく関わっているクラブなので。将来的に、日本の若い選手を送ったり、向こうの選手を連れてくることも。僕の仕事ではないが、新しい道を日本のサッカー界につくれるんじゃないかなと。もちろん、試合には出たいし、出る、出られないは分からないが、それ以上に得ることも僕自身あるかなと感じました」
-55歳にして欧州からのオファーが来たことに
「横浜FCのオーナーが関わってることが1つの要因だと思いますが、それでも現場がノーならノー。監督や強化も前向きな意見をくれた。僕もフィジカルコンディションについては、スピードも30キロでは走れませんと正直に言いました。そういうことも理解して、向こうの方が受け入れてくれると言うことなので。海外、特に欧州にはまた行ってみたいと思っていましたが、試合に出るチャンスがある移籍は難しいとは思っていた。そういう意味ではサプライズ。ブラボーという感じじゃないですか!」
-W杯の日本の戦いはどうみていたか
「1次リーグは見事な戦いぶりで、日本のチームがどうやったら勝ち上がるか、見本を示してくれるような3試合だったし、結果だった。決勝トーナメントはPKとはいえ、ベスト16から上に行くのは、紙一重なんですけど、その紙一重が分厚いのかなと感じました。パリのラウンジで、ブラジル戦をギリギリまで見ていました。ブラジルですら、PKで相当なプレッシャーの中で蹴っているのかなと。うらやましくも思いました。日本もクロアチアもブラジルも自分がプレーしている国ですからね。特に日本とブラジルに関しては思い入れがあった。僕のW杯は終わってしまったかな。シャルルドゴール空港で(笑い)」
-いつまでに返事をする予定か
「クリスマスまでには(先方が)返事を欲しいと思う。12日から(自主トレーニングの)キャンプに入るので、しっかり、自分が戦えるか確かめたい」