昨季はヨーロッパリーグを制するなど成長を続けるフランクフルトでは、やはり補強のヒットが大きい。今やチームNo.1のスター選手になった日本代表MF鎌田大地もその1人であり、鎌田のケースはフランクフルトが目指すべきものなのだろう。
鎌田は2017年にサガン鳥栖から僅か160万ユーロの移籍金でフランクフルトへ加入したが、当時は世界的には無名だった。すぐブンデスリーガで戦えたわけでもなく、2018年からはベルギーのシント・トロイデンにレンタル移籍することに。この段階では鎌田が今ほど伸びてくると予想していた人は少なかったかもしれない。当時の市場価値は300万ユーロだ。
それが今では3000万ユーロまで市場価値が跳ね上がっており、鎌田はシント・トロイデンへのレンタル移籍で一気に化けた。弱点に思われたフィジカル部分も強化され、FIFAワールドカップ・カタール大会を戦った森保ジャパンでも森保一監督より絶対の信頼を得ていた。おそらく次の4年も鎌田は代表の中心となっていくことだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f44ae4833d210bc528bde87c5ea7fac33f08cf1
5年で市場価値3000万ユーロのスターに
独『Frankfurter Rundschau』は鎌田のケースから、粘り強い育成が重要だと説いている。フランクフルトは11月にアメリカ代表MFブレンデン・アーロンソンの弟であるMFパクステン・アーロンソンの獲得を決めており、フィラデルフィア・ユニオンでプレイする19歳の攻撃的MFパクステン・アーロンソンは今冬よりフランクフルトに合流する予定となっている。
同メディアはパクステン・アーロンソンを鎌田と重ねており、現時点ではブンデスリーガで即通用するレベルにはないかもしれない。しかし鎌田のように辛抱強く待つことで、才能が開花する可能性は十分に考えられる。
160万ユーロで獲得した鎌田はチームにヨーロッパリーグのタイトルをもたらし、今は複数の強豪クラブから熱視線を集めている。フランクフルトからすれば5年前の鎌田獲得は大成功であり、今後もこのモデルを目指していくことになるのだろう。