
試合は開始4分で動き、伊東純也が浮き球をうまく捌いて抜け出し、GKとの1対1でも冷静にタイミングを見計らってランスに先制点をもたらす。その3分後には、この日本代表アタッカーのパスを受けたマーシャル・ムネツィが強烈なシュートをゴール右上隅に突き刺して加点、さらに68分には伊東の蹴ったCKをユニス・アブデルハミドが頭で合わせてダメを押した。
1ゴール・2アシストの大活躍を見せて勝利の最高殊勲者となった伊東。オナイウ阿道(75分から交代出場)との日本人対決も注目されたこの一戦では、立ち上がりにいきなり惜しいシュートを放ち、得点に繋がった場面以外でも巧みなボール捌きからの正確な縦パスでチャンスを幾つも創り上げるなど、サイド、センターと、ポジションに関係なく効果的なプレーを披露して、絶大な存在感を示してみせた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d085879aee1b66a98d3413976443b90f556a51d
ヴィル・スティル監督も大活躍を見せた伊東をハグで迎えた

リーグアン公式サイトは、「伊東祭り」との表現を使い、「ランスのホームゲームにおける素晴らしい勝利! 伊東とムネツィのおかげで序盤に2点のリードを奪い、成功を収めた。1ゴール・2アシストを記録した日本人選手は、この試合における『重要人物』となった」と伝えた。
現地メディアの報道を見ると、フランスのスポーツ紙『L’EQUIPE』は「日曜日、日本人選手はトゥールーズ相手に輝きを放った」「日本のウィンガーによるレッスン」「伊東ショー」「明らかに並外れた伊東」「完璧なCK」「ランスの素晴らしい勝利を確定させた」と賛辞を並べ、一方の『LE FIGARO』紙は「ランスを照らす伊東」「宝石を持つ伊東」と綴った他、以下のように彼のパフォーマンスを評している。
「ジュンヤは本拠地オーギュスト・ドゥローヌの観客を魅了。日本人選手は冷静に先制ゴールを決めると、今度はパッサーに転じてムネツィのゴールをお膳立てし、さらにCKでアブデルハミドの頭にボールを合わせた。ミリ単位の正確なパスと優れたゲームビジョンでもって、伊東は今季しばしば見せているような、相手守備陣にとっての悪夢となった」
サッカー専門サイト『SO FOOT』は「並外れた伊東が、完璧なスタートでトゥールーズを下した」と報じ、日本人選手によって完璧なサッカーで勝利を飾ったという意味で「日本語で『シャンパーニュ・フットボール』は何と言うのか?」と記述。『sports.fr』は、伊東が88分にベンチに退いた場面に注目し、「感謝の意味を込めて、ヴィル・スティル監督は伊東をハグ。日本人選手は今日、神の恵みを受けていた」と報じた。
ベルギー人指揮官が「これは本当の、本当の喜びだ。試合の後、私は選手たちにそう言った。今、自分がランスの監督になれたことを、とても誇りに感じ、嬉しく思っている。全ての功績は選手のものだ」(日刊紙『ouest france』より)と喜びを爆発させるほどの、完璧な勝利を演出してみせた伊東。今季、その価値は高まる一方である。