渡独後に“チェイス・アンリ”は表舞台から姿を消す。「強くないと戦えない」「U-20W杯で人生を変えたい」

海外日本人選手

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5月8日に行なわれたメンバー発表記者会見。U-20ワールドカップに挑む若き日本代表のリストに、CBチェイス・アンリ(シュツットガルト)の名前があった。

今年3月のU-20アジアカップ(U-20W杯の最終予選)では、クラブ事情やコンディションの問題で選出されていない。代表活動もしばらく遠ざかっており、U-20カテゴリーは昨年2月下旬の活動以来で、日の丸を最後に背負ったのは昨年6月のU-21日本代表としてプレーしたU-23アジア杯まで遡る。

U-20W杯への出場を切望していた男は、なぜメンバー入りを勝ち取れたのだろうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5401366d07f5cb248185b05206f2f7508b565c07

高校卒業後にシュツットガルトに加入。今季はセカンドチームでプレーし、シーズン後半戦は出番が増えて自信を取り戻した

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尚志高時代から注目を集めてきた逸材だが、この1年は苦悩の連続だった。

高校卒業後はJクラブではなく、ヨーロッパでプレーする道を選択。昨年4月に渡独し、同年6月にはU-21日本代表の一員として飛び級でU-23アジア杯に参戦するなど、183センチのサイズと規格外のフィジカル能力を活かしたプレーで、才能の片鱗を随所に見せつけてきた。

しかし――。その6月以降、“チェイス・アンリ”は表舞台から姿を消した。一体何があったのか。4月上旬に現地で話を聞いた際、チェイスはドイツに渡ってからの日々をこう振り返る。

「(早くトップチームに上がりたい想いや周囲からの期待に対して)焦りやプレッシャーを感じていた。そのせいでオーバーワーク気味になり、10月頃には肺気胸にもなってしまった。1か月ぐらいサッカーができなかったので余計に……。ストレスがかなり溜まりましたね。コンディションも落ちて、その後もなかなか試合に絡めなかった。

今シーズンはBチームに席を置いていますが、あまり先発出場の機会を得られなかった。試合に出られたとしても30分ぐらい。高校時代や代表では試合に出させてもらって、どんどん成長できたので、『このままじゃやばい』っていう気持ちがかなりあったんですよね」

チェイスは今シーズンからシュツットガルトのセカンドチームのメンバーに登録され、日々トレーニングを重ねてきた。パス技術を改善するためにマンツーマンでトレーニングを行なうなど、新たな環境でも野心や向上心は変わっていない。しかし、心と身体がマッチせず、壁にぶつかったのだ。

原口元気、遠藤航、伊藤洋輝といったトップチームでプレーする先輩たちや、父親のサポートで前向きな姿勢を崩さなかった。その一方で、試合に出られず、人知れずもがき苦しんでいたのは事実。ベンチ外も多く、久しくフル出場もできていなかった。そうした状況下でコンディションを維持するのは難しく、メンタル面も大きく崩れてしまった。

その結果、チェイスは自信を失い、思い切ったプレーができなくなってしまう。ミスを気にし過ぎるがゆえに、本来の良さが出せなくなった。

ただ、こうした経験は決して無駄ではなかった。「メンタル面は本当に鍛えられた。強くないと海外では戦えない」。そう気付かされたチェイスは徐々に吹っ切れ、持ち前のチャレンジ精神を全面に押し出してプレーできるようになる。

シーズンの後半戦はトレーニングから臆さずにトライし、出場機会を増やしていく。4月16日のヘッセン・カッセル戦から3試合連続でスタメン出場を果たし、うち2試合はフル出場を果たした。

ドイツ4部リーグとはいえ、経験を積んで自信を取り戻せたのはポジティブな材料。状態が上向いたタイミングで、U-20代表の冨樫剛一監督が現地を訪れ、プレーを視察した点もチェイスにとって追い風となった。冨樫監督は言う。

「主戦場はセカンドチーム。チーム状態もあまり調子が良くなく、ゲーム展開でも非常に苦しんでいる。そのなかで彼自身も、もがき苦しんでいました。ただ、ゲーム環境や相手のインテンシティに対して、しっかり戦っているなと感じている」

決して、期待値だけでメンバーに選ばれたわけではない。後半戦のプレーを踏まえて、リストに名を連ねた。ドイツに渡ってからの1年間は苦労が絶えなかったかもしれない。だが、チェイスは試行錯誤しながら、前進を続けてきた。

だからこそ、今回のワールドカップは自身の成長を示す舞台になる。アンリは言う。

「今の目標はU-20ワールドカップに出場して、人生を変えること。色んなチームの関係者も見に来るだろうし、その大会で良いパフォーマンスが出せれば、クラブでの立ち位置も変わる。トップチームに行くチャンスも出てくるはず。だから、今年のワールドカップが勝負。

僕が描いているストーリーは、U-20ワールドカップでブレイクして、トップチームに行くこと。夏にプレシーズンがあるのでトップチームで活躍できれば、可能性は絶対にあるので飛躍のきっかけにしたい」

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周囲の期待に悩まされる時期もあった。クラブで出場機会を失い、自分自身を見失う時期もあった。それでも、チェイスは未来を切り拓くために、異国の地でトライを続けてきた。想いはブレていない。規格外のプレーで世界を驚かせる準備は整っている。

コメント

  1. 名無し より:

    そう簡単にはいかんもんだな
    J1でも余裕のフィジカルじゃないかって触れ込みだったからドイツの下部組織ならスタメンだとばかり…
    はじめからJのクラブでなら松木君ほどではないにしろ多少は出場できたんだろうか

  2. 名無し より:

    まだこれからやろ
    ポテンシャルは間違いないんだからスタメン奪って出続ければ

  3. 名無し より:

    >>1
    多分無理だと思う、J2ならあったかもくらい
    ポテンシャルあるけど荒削りな感じだったしまだまだこれからでしょ

  4. 名無し より:

    試合に出れないのであれば一生粗削りではないか。

  5. 名無し より:

    中学生からサッカー始めたんだよね
    そこまで遅くてプロで活躍した選手って誰かいるかな

  6. 名無し より:

    最初は出れなかったけど、最近はスタメンで勝利に貢献してるぞ
    だからU20W杯に選ばれた。

  7. 名無し より:

    >>1
    渡欧前の時点じゃ怪我でヘロヘロだった時の大迫にフィジカルコンタクトで全く歯が立ってなかったからなぁ
    いくら大迫が代表クラスっつっても当時は怪我が治りきらなくて、コンディション上がらずJでも苦戦してたし、J1でも~ってのは当時では明らかに過大評価だわな

  8. 名無し より:

    フィジカル以外の基本的なことが下手くそ。4部で基礎鍛えられていいんでない

  9. 名無し より:

    中澤佑二は小六から

  10. 名無し より:

    代表で人生を変えるとか言ってる時点でもう駄目だろうな
    特別な場所に身を置けば変わるってもんじゃない

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