
ドイツにおいてバイエルン・ミュンヘンは言わずと知れた絶対王者。リーグ連覇は直近11回を数え、クラブにおける人件費は他の追随を許さない。ドイツ国内敵なしの存在で、視線は常にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝。その姿勢が高慢に見えることもあり、他クラブサポーターからは心の底から嫌われる。ファンの多さとアンチの多さは、バイエルンというクラブが誇る嫌らしいまでの強さの表れでもある。
今季にしても戦力を見たら他クラブがうらやむような人材がずらっと並ぶ。代表選手のエース級が名を連ね、スタメンだけではなく、ベンチにもトップレベルの選手が控える。どれだけ対策を練っても、どんなに身体を張って必死にプレーしても、90分耐えきることはできずにどこかで崩壊を迎える。対戦相手にとっては、まさにギリギリとの戦いだ。
そんなバイエルンが今季リーグ戦ですでに4敗を喫している。ドイツカップでは3部リーグのザールブリュッケンに敗れた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/88c55a7a3db7d601a196f286c2d61bf5e107cc8f
バイエルンと日本代表の姿を重ね合わせて語った堂安「そこは感じますね」

どれだけ個の能力が揃っていたとしても、選手それぞれがばらばらにプレーしていたら、確固たる決意でこの試合にチームとして臨む相手に勝ち切ることは極めて難しい。
堂安はそんなバイエルンの姿とアジアカップでの日本代表の姿を少し重ね合わせてこんなふうに語ってきた。
「日本代表がアジアカップで負けた時もそうですけど、個の能力が揃ったところでやっぱりチームとしてやることがはっきりしてなくて、バラバラでやってると、どんだけ強い個でもやっぱり負けてしまう。そこは感じますね」
個々のレベルアップで、それぞれができることが増えていくのは間違いなくプラス材料だ。だがその能力を、いつ、誰が、どこで、どのように使うのかが明確にならないと、力を発揮し切れない。
サッカーをしたことがある人やチームスポーツの経験がある人なら、個々がバラバラになると良くないのは誰だって重々承知。指導者も熟知している。チームとしてプレーする必要性は子供も知っている。
では、どのようにまとめ上げていくのか。それが重要になる。堂安は少し考えてこんなふうに答えてくれた。
「すべてじゃないですか。ピッチ内で解決できることもそうですし、ピッチ外のロッカーであったりとか、ミーティングであったりとかもそうですし。監督からの指示であったりとか、キャプテンからの指示であったりとか。いろんなところで解決策はあると思う。1つっていうのは絞り切れないですけど」
クラブチームと代表チームのそれとは違うが、心理的な距離感だけではなく、戦術理解の同一視化も含めてのチームビルディングにおける成熟具合がチームパフォーマンスにも大きく影響を及ぼすのは間違いない。
そのためにどんな手立てが必要なのか。どんな取り組みがポジティブな影響をもたらすのか。それは指揮官や組織によってさまざまなアプローチがあるのだろうが、具体的な目標とそのためのプロセスを明確化し、より包括的で効果的な取り組みが望まれている。
