J助っ人が明かす日本とブラジルの違い 「環境的な部分は遅れている」と指摘した点とは? | footcalcio

J助っ人が明かす日本とブラジルの違い 「環境的な部分は遅れている」と指摘した点とは?

Jリーグ
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Jリーグでは、これまで多くの外国籍選手がプレーしてきた。2020年1月に来日した東京ヴェルディのGKマテウスは、J通算166試合に出場してクラブの歴代最多出場外国籍選手となっている。日本での生活も5年目を迎えた31歳の守護神は、どのような点に日本とブラジルの違いを感じているのだろうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/640db07533b9239bdc05928d9989d149374d6c44

東京VのGKマテウスが日本とブラジルの違いを明かした



日本では1993年にJリーグが誕生し、サッカーもプロスポーツの一つとして広く認知されているが、ブラジルにおいてサッカーはスポーツを超えて「日常」の一部となっている。プロサッカークラブの現場に身を置くマテウスは、クラブの設備を両国の間にある最も大きな違いに挙げた。

「ブラジルはもちろん、サッカーが国を代表するスポーツとして認められていて、毎日テレビを付ければサッカーが流れています。練習が終わればクラブハウスでインタビューもたくさんある。国民全員がサッカーのことを考えています。日本には野球というスポーツが人気スポーツとしてあって、代表も世界大会で優勝するなどの結果を出しています。それでもスタジアムに行けば、たくさんの人がサッカーを見ていますし、見に来てくれるファン・サポーターもいる。各チームにはスポンサーさんもついている。それでも、もう少しサッカーに対しての関心や熱があっていいのかなと思いますね」

その差として表れていることの一つに、プロクラブのクラブハウスがあるという。

「Jリーグの環境は、スタジアム、芝を含めてすごく整っている印象です。ただ、各チームのクラブハウス、特にウチ(東京V)のクラブハウスはブラジルのクラブと比べると劣るなという印象です。自分がブラジルにいた時は、ほとんどのクラブが現代的なクラブハウスを保有していました。比較するのが申し訳ないくらい、違いますね。マッサージを受けるメディカルルームの広さ、トレーニングルームの広さや置いてある器具の種類。プールもありましたし、ロッカールームも広く、グラウンドも4面ありました。働いている人も、ドクターが4人いるなど数が違います。その環境的な部分は遅れているなと思いますし、変えていかないといけない部分だと思います」

プレーする選手のメンタリティについても、大きな違いがあるという。「ブラジルの選手と日本の選手では、すごくメンタリティは違うと思います。ちょっと説明するのが難しいのですが、日本人選手は、国民性を含めてすごくしっかり練習に取り組んでいますし、監督の言うことも聞いています。そういうところはすごく良いと思いますが、ブラジル人にはまた違ったメンタルの強さや良さがあるのかなと思います」と話しており、やはり日本人には『真面目』という印象が強いようだ。

サッカーの環境に比べると、「ブラジルにいた時から、もともと日本人寄りの性格だった」と自己分析するマテウスは、「日本が大好きですし、そこまで困難だったことがない」と、日常生活で大きく戸惑ったことはなかったという。「ただ、どうしても難しいのは日本語ですね。やっぱりすごく複雑な言語だなと毎回思います。単語を聞き取ることはある程度できるようになりました。でも、しゃべるのはやっぱり難しいですね。そこは生活していくなかで、難しさはありますがそれ以外では順応していく難しさは感じていません」と明かした。

日本という環境に適応しやすかったことも、ここまでJリーグで活躍している要因の一つなのかもしれない。日本になじむ際には2018年から2020年まで東京Vに所属していたFWレアンドロの存在が大きかったと振り返る。

「グラウンド外で困ったことは本当になくて、しいて言えばカフェ(喫茶店)が欲しいなとかそれくらいです。幸運だったのは、やっぱり1年目にレアンドロがいたことですね。彼がいろいろ付き添ってくれて、いろいろなところに連れていってくれたおかげで、日本にすごく早くフィットできたのかなと思いますし、彼には本当に感謝しています。2年目を迎える時には、ある程度のことが分かっていましたし、レアンドロがいなくなっても、自分自身は適応できるようになっていました。一番難しいと言われる1年目に、レアンドロがいてくれたことでうまくいったのかなと思います」

そんなマテウスだが、食事の話を振った時に一つだけ向上の余地があると語った。

「好きな日本食はスシですね。ブラジルの料理もすごく好きで『いいな』とは思うのですが、料理自体がすごく太ってしまう料理が多いので、今はない方がいいと思っています(笑)。あ、一つだけありました。日本はピザのクオリティがあまり良くありません。うちは実家がピザ屋をやっているのですが、ピザのクオリティを上げてほしいですね」と、「ピザ」という単語を発した瞬間に大きなジェスチャーとともに険しい表情を見せた。

いつかクラブとコラボレーションして、味の素スタジアムでピザの販売をしてみてはと提案すると、「ぜひ、やってみたいですね。お父さんに相談してみます。この前、母が日本に来た時に、すごく日本を気に入ってくれたんです。お母さんにも相談して、日本でピザ屋をやってくれるか聞いてみます」と笑った。

Jリーグでプレーし、日本のサッカー界にも高く貢献しているマテウス。いつか彼の家族が焼くピザを味の素スタジアムで食べながら、彼のプレーを見られる日が来るかもしれない。

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