「クボと交換したユニフォームを今も大切にしている」“バルサの心臓”デヨングが語った…久保建英23歳を絶賛「日本代表にも驚いたよ」 | footcalcio

「クボと交換したユニフォームを今も大切にしている」“バルサの心臓”デヨングが語った…久保建英23歳を絶賛「日本代表にも驚いたよ」

久保建英リーガ
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フレンキー・デヨングにとってバルサでのベストポジションはどこなのか。

ここ数シーズン考え続けてきた。頭の片隅にはいまも、アヤックス時代の自由奔放な姿が残っている。オランダのピッチでみせていた、ほとんどポジションの概念のないフリーマンとしてのプレー。あの頃のデヨングは自由で、より攻撃的だった。今よりももっと点をとっていたイメージも強い。

そんなことを考えていたとき、バルセロナでデヨングに会う機会があった。彼にそう伝えると、やわらかく否定された。

「たぶん印象ではそうなのかもしれない。アヤックスの頃は今とはポジションも違って、ポジションもインサイドハーフだったから。でもアヤックス時代も、実際のところは僕はそれほどゴールを決めてはいなかったんだ。だからゴールが減った、攻撃に絡む回数が少なくなった、というのはちょっと違うかな」

データを見てみると、確かに彼はアヤックスのトップチームにいた3年間でたった6点しか決めていない。いつだって記憶とは都合のいいように脚色される。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ea30296d27153374fbfb3ce85ce6238b76573046

バルセロナでインタビューに応じたフレンキー・デヨング



現在の彼にとって最適なポジションとはどこなのか。繰り返したのは「ベース」というフレーズだった。

「ブスケツが抜けて、バルサは大きく変わった。いまの僕に求められるのはチームの「ベース」にいること。ブスケツが抜けてからというもの基本的にそこでプレーしているし、変わることはないと思う。個人的にもやりやすいしね」

中盤の底にふたりが並ぶ、ドブレ・ピボーテがカバーするエリアをデヨングは「ベース」と表現する。バルサの基盤であり、土台だ。チームの基軸だったブスケツが抜け、デヨングがそこを担当していたが彼も負傷で離脱していた時間が長かった。その間にマルク・ベルナルという17才のとんでもない才能も現れた。おそらくは最もブスケツに近い彼も、ベースを担当する貴重な存在だったが、こちらも負傷で長期離脱している。

バルサにおいて求められるベースとしてのプレーとは何なのか。

「ベースを構成しながら目指しているのは、攻守両面で精度をあげて、より多くのゴールチャンスを作りだすこと。さっきも言ったように、ゴール自体はこのポジションでプレーしている今は、あまり優先順位として高いわけじゃない」

バルサの中盤における攻撃面の鍵を握るのは、このデヨングとペドリだ。ペドリに関しては言うまでもない。怪我することなく気持ちよくプレーすることさえできれば、彼の存在自体がバルサとなる。

一方で、デヨングは攻守両面における中心だ。

ブスケツの不在は、プレー面に関してはメッシが抜けたのと同じくらいのインパクトをチームに与えた。デヨングにかかる負担も増大した。

しかし当事者のデヨングには、偉大なる先人の穴を埋めるという感覚はない。

「ブスケツの穴を埋めることなんてできない。15年間、バルサの中盤は彼を軸にやってきたわけで、そもそも代替不可能なんだ。僕らは別のやり方で補う必要がある。これまでブスケツがやってたクラシックな4-3-3のアンカーも、個人的にはできなくはない。実際にバルサでやったこともある。でも、やっぱり違うんだ。あのポジションに入るとき、絶対的に重要なことがある。それが、むやみに動いてはいけないということ。ピッチの中心に構え、あまりポジションを崩さずに戦況を読んで的確なプレーを選択する。まさにブスケツのための役割だ。でも、僕は動く。そういうスタイルだからね。攻撃に絡むために前方にも飛び出していくし、サイドにも出ていく。静的なブスケツと違って、動的な僕がアンカーに入れば、中盤に穴を開けてしまうことになる」

自由にやるのが好きだとデヨングは言う。

たしかに、動きを禁じられたデヨングは最大の持ち味を失うだろう。デヨングはバルサの中盤でも希少な、単独で相手を剥がし前へ進む推進力を持っている。彼が個でかせぐ数メートル。それはかつてほど中盤で相手を圧倒できないバルサにおいて欠かせない要素だ。

デヨングは詰まったエリアでもキープからの反転と3歩目までの速さで、するすると抜け局面をあっさり打開する。もちろん、やりすぎない戦術的道徳もしっかり兼ね備えている。

どんなスタイルのチームも、どんな哲学を持つ監督も欲しがる存在だろう。

アヤックスでいきいきとプレーし、カンプ・ノウでバルサイズムを学んだデヨングは、時代によって求められるものの変化も肌で感じている。

「バルサにとってミッドフィルダーはどんな時代も重要な存在だった。ここではテクニカルな部分は大前提として、高い戦術理解も求められる。時代の変化とともに、ミッドフィルダーの役割も変わりつつある。サッカーが進化しているからそれも当然のことだ。現代ではパスを繋ぐだけじゃなく、攻守が切り替わるタイミングでのスピードも必要とされる。求められるのは万能性で、攻撃だけでもだめだし、守備も求められる。僕がいまのバルサのベースでやっている仕事のようにね。世界には優れたミッドフィルダーが多くいる。ここ数年でもベリンガムにマクアリスター、その他にも多くの選手が躍動した。僕も多くを学んでいきたい」

他チームや選手にも自然と目が行くという。アヤックス時代に憧れたグアルディオラ率いるマンチェスター・シティの試合を見ることも多い。

「シティはもう何年も高度なサッカーをみせている。世界のトップにいるクラブのひとつだ。ペップ・グアルディオラはいつだって何か新しいことを見つけて、革新的なことをしかけてくる。昔からそうだったし、もはや誰もが知っていることだ。CLで優勝したシーズンはセンターバックを多用し中盤にストーンズを起用したり、これまでとは違うやり方でCLを勝ち取った。あれだけの数のセンターバックを同時起用するのは、バルサではなかなか難しいだろうけれど」

「いまのバルサは、昔ほど「バルサらしい」チームではないかもしれない。より失点しないチームだ。2季前に優勝できた最大の理由も失点が少なかったからだと思う。守備陣や僕だけじゃなく、いまのバルサは前線の選手もそう考えることができている。守備の安定は鍵になるし、ハードワークと守備がバルサには必要だ」

27歳を迎えたが、ミッドフィルダーとしてもここから円熟期を迎えるだろう。

引く手あまたのデヨングには移籍の噂が絶えない。数シーズン前には、マンチェスター・ユナイテッドからの話もあった。移籍紙面に名前が出ることも多い。

「僕に関するいろんな噂話はあった。でも個人的にはここバルサでできるだけ長くプレーすることを目標にしている。その中で、いつかチャンピオンズリーグ優勝を経験してみたい。この世界は何が起こるかなんて分からないし、数年後のことは読めないけれど」

デヨングがバルサに加入した2019年の夏というのは、日本代表の久保建英がスペインへ戻りマジョルカでプレーしはじめた時期と重なる。

「久保(建英)はよく知っているけど、特別な選手だと思うよ。彼だけじゃなく、前回のカタールワールドカップでは日本代表にも驚かされた。選手の技術的なレベルが高く、チームとしてハードワークもできていた。あの大会では日本のクオリティを証明したと思う。久保に関して目を引くのは、サイドから中に切れ込んでいくアジリティとあのターンだね。スピードもある。僕はあまりユニフォームは交換しないんだけど、マジョルカでプレーしていた頃に久保とユニフォームを交換したことがあった。今も大切にとってあるよ。これからもリーグや欧州カップ戦の舞台で、きっと彼のレベルを見せてくれるはずだ」
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次戦、バルセロナは24日にCLでバイエルンと対戦する。

コメント

  1. 匿名 より:

    フレンキーから声かけてユニ交換したんよな 試合後通路で待ってるシーンよく覚えてるよ

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