
クラブ創立124年で初となるブンデスリーガ昇格を果たしたホルシュタイン・キール。街中がお祭り騒ぎとなった昇格劇からすでに半年がたっている。ブンデスリーガはやはり思っていた通りハードな舞台だ。どの試合でも最大限の力で挑もうとするが、頑張りだけでは乗り越えられない壁がある。
14節終了時で積み上げた勝点は5。6節では昨季王者のレバークーゼンに0-2から追いついての引き分けでドイツのサッカーファンを驚かし、9節のハイデンハイム戦で歴史的なブンデスリーガ初勝利を祝った。確かな足跡は残している。だが、目標とする1部残留を果たすためには、このペースのままでは十分な勝点にはならない。
取材をした13節のボルシアMG戦では開始わずか36秒で失点を喫し、その後も危ないシーンが続いた。5バックで守備を固めて、間違いなく数的優位な状況いるのに、ゴール前でフリーにシュートを許してしまう。守らなければ、持ちこたえなければという思いが前に出る足を鈍らせている。
そんな中、この日62分から途中出場した町野修斗は少なからずチームにフレッシュな風を吹かすべく、懸命に走った。ボールが出てこなくても要求するために動き、こなければまた動き直す。サイドに出て起点を作り、そしてゴール前へと走りこむ。短い出場時間ながら放ったシュートは2本。絶好のチャンスをおぜん立てされたわけではない。こぼれ球に鋭く反応して、思い切りよく狙ったそれだった。
「両方ブロックされてしまったので、シュートに入っているかわからないですけど」
町野はそう振り返るが、そもそもシュートに持ち込むシーンが少ない試合の中でシュートまで持ち込むことには価値があるはず。どんなに小さなシュートチャンスでも逃さないという気持ちを持った選手がピッチにいる意味は確かにある。
https://news.livedoor.com/article/detail/27827775/
14節終了時で積み上げた勝点は5。6節では昨季王者のレバークーゼンに0-2から追いついての引き分けでドイツのサッカーファンを驚かし、9節のハイデンハイム戦で歴史的なブンデスリーガ初勝利を祝った。確かな足跡は残している。だが、目標とする1部残留を果たすためには、このペースのままでは十分な勝点にはならない。
取材をした13節のボルシアMG戦では開始わずか36秒で失点を喫し、その後も危ないシーンが続いた。5バックで守備を固めて、間違いなく数的優位な状況いるのに、ゴール前でフリーにシュートを許してしまう。守らなければ、持ちこたえなければという思いが前に出る足を鈍らせている。
そんな中、この日62分から途中出場した町野修斗は少なからずチームにフレッシュな風を吹かすべく、懸命に走った。ボールが出てこなくても要求するために動き、こなければまた動き直す。サイドに出て起点を作り、そしてゴール前へと走りこむ。短い出場時間ながら放ったシュートは2本。絶好のチャンスをおぜん立てされたわけではない。こぼれ球に鋭く反応して、思い切りよく狙ったそれだった。
「両方ブロックされてしまったので、シュートに入っているかわからないですけど」
町野はそう振り返るが、そもそもシュートに持ち込むシーンが少ない試合の中でシュートまで持ち込むことには価値があるはず。どんなに小さなシュートチャンスでも逃さないという気持ちを持った選手がピッチにいる意味は確かにある。
https://news.livedoor.com/article/detail/27827775/
アウクスブルク戦で大暴れした町野

この日対戦した日本代表DF板倉滉がそんな町野に対して、「最初から出られた方が嫌でしたけどね」と振り返っていたのが印象的だ。
「アグレッシブだし、狙ってるじゃないですか。ハングリー精神も感じるし、引いてもらうこともできる。後半途中から入って、なにかこう変えようとしてプレーしているのを見て感じた。点数を取ってる選手だし、そういう意味でも最初から出られたら嫌だったかなと」
そのボルシアMG戦まで、町野はチーム最多の4ゴールを挙げていたが、ここ最近はスタメン出場が減っていた。どのように受け止めていのだろう。
「(リーグの)最初の方は調子も良かった。ただ、上位チームとやってダメで代えられてという感じだったので、上の相手にも通用する力がないとシーズンを通しては難しいかなと思っている。最後、クリスマス休暇前の試合で1点、2点取って、通算5点以上は前半戦で取りたいなと思います」
勝点を伸ばせない中で、マルセル・ラップ監督もどのようにしのぎ、勝機を手繰り寄せるのかを模索し続けている。後ろに枚数を割くと守備は安定するが攻撃への威力は激減する。かといって真っ向からぶつかっていくと、どこかでずれが生じて失点を重ねてしまう。
「最近ロングボールに振り切って、ゴールキックもつながずに蹴るという中で、後半にスペースができたところでプレーして欲しいというのは言われている」
町野はそう現状を説明する。納得いっているわけではない。「もちろん長い時間プレーしたい」という言葉は本音だろう。やれる自信がないわけではないのだ。
「僕はボールを持ったらできるというのは感覚的に持っている。そこまでどうたどり着くかというのが難しいですけど、やるしかない」
チーム全体的にミスへの恐れが強い傾向があると思われる。つなぐと奪わるかもしれないという不安が判断を鈍らせる。リスクマネージメントがうまくできないと、なかなか思い切ったアタックを仕掛けることもできない。町野だけではなく、キールのオフェンス陣はみな苦戦している。
昨季2部昇格を決めた後に話を聞いたことがある。ゴールという数字をさらに伸ばすために、どんなことへこだわりを持って取り組もうとしているのだろうか、と。
「練習からアピールして、仲間が僕に出しとけば決めてくれるっていう信頼感をもっと高めていきたいです。信頼が増したら仲間からのパスは増えてくる。こだわってやっていかないといけないと思います」
悩むことはある。だが悩んでいるだけでは解決はしない。ピッチでの問題はピッチで解決するしかない。身体を動かし、勇敢にチャレンジして、その可能性を自分で手繰り寄せなければならない。
「チームは難しい状況にあると思いますけど、町野が点取ってね、頑張ってほしいなと思います」
板倉がそうエールを送った町野は、目の輝きを失ってはいなかった。
「こういう苦しい時に点を取ることができれば、チームの中心としてまたできると思っている。そういうところを意識しています」
そしてその言葉通り、年内最後のアウグスブルク戦で町野は躍動。FK弾を含む、2ゴール・2アシストの大暴れで、5-1大勝の原動力となった。
「アグレッシブだし、狙ってるじゃないですか。ハングリー精神も感じるし、引いてもらうこともできる。後半途中から入って、なにかこう変えようとしてプレーしているのを見て感じた。点数を取ってる選手だし、そういう意味でも最初から出られたら嫌だったかなと」
そのボルシアMG戦まで、町野はチーム最多の4ゴールを挙げていたが、ここ最近はスタメン出場が減っていた。どのように受け止めていのだろう。
「(リーグの)最初の方は調子も良かった。ただ、上位チームとやってダメで代えられてという感じだったので、上の相手にも通用する力がないとシーズンを通しては難しいかなと思っている。最後、クリスマス休暇前の試合で1点、2点取って、通算5点以上は前半戦で取りたいなと思います」
勝点を伸ばせない中で、マルセル・ラップ監督もどのようにしのぎ、勝機を手繰り寄せるのかを模索し続けている。後ろに枚数を割くと守備は安定するが攻撃への威力は激減する。かといって真っ向からぶつかっていくと、どこかでずれが生じて失点を重ねてしまう。
「最近ロングボールに振り切って、ゴールキックもつながずに蹴るという中で、後半にスペースができたところでプレーして欲しいというのは言われている」
町野はそう現状を説明する。納得いっているわけではない。「もちろん長い時間プレーしたい」という言葉は本音だろう。やれる自信がないわけではないのだ。
「僕はボールを持ったらできるというのは感覚的に持っている。そこまでどうたどり着くかというのが難しいですけど、やるしかない」
チーム全体的にミスへの恐れが強い傾向があると思われる。つなぐと奪わるかもしれないという不安が判断を鈍らせる。リスクマネージメントがうまくできないと、なかなか思い切ったアタックを仕掛けることもできない。町野だけではなく、キールのオフェンス陣はみな苦戦している。
昨季2部昇格を決めた後に話を聞いたことがある。ゴールという数字をさらに伸ばすために、どんなことへこだわりを持って取り組もうとしているのだろうか、と。
「練習からアピールして、仲間が僕に出しとけば決めてくれるっていう信頼感をもっと高めていきたいです。信頼が増したら仲間からのパスは増えてくる。こだわってやっていかないといけないと思います」
悩むことはある。だが悩んでいるだけでは解決はしない。ピッチでの問題はピッチで解決するしかない。身体を動かし、勇敢にチャレンジして、その可能性を自分で手繰り寄せなければならない。
「チームは難しい状況にあると思いますけど、町野が点取ってね、頑張ってほしいなと思います」
板倉がそうエールを送った町野は、目の輝きを失ってはいなかった。
「こういう苦しい時に点を取ることができれば、チームの中心としてまたできると思っている。そういうところを意識しています」
そしてその言葉通り、年内最後のアウグスブルク戦で町野は躍動。FK弾を含む、2ゴール・2アシストの大暴れで、5-1大勝の原動力となった。