
https://news.yahoo.co.jp/articles/405d5ff1ab268986b4cc039c42414783ed0eed3c
W杯は厳しいんじゃないかなというのは、思いました

約1カ月前の肌寒い日を思い返していた。気候が一転し、汗ばむドーハ。板倉は「それを飲んでいる時が一番膝が治っているなと感じた(笑い)」と笑った。テキーラショットのような少量で、コラーゲン成分の入ったドリンク。吉田は「靱帯の修復とかリカバリーに使うもの」と、照れくさそうに説明した。
代表でCBを争う2人だが、吉田に邪(よこしま)な気持ちはなかった。「別にそれの結果で(板倉)滉が出て、活躍してくれれば、僕にとっては最高のストーリー。正しい競争があること自体がチームにとって一番いい状態なんじゃないかなと思います」。真っすぐだった。
板倉にとって、膝のけがは初めて。「W杯は厳しいんじゃないかなというのは、思いました。ギリギリ間に合うかも、という話を受けてリハビリをやっていく中で、もう1段階良くなってほしいところが進まないとか」。キャプテンからの粋なプレゼントは、いら立ちに似た思い、消化できない痛みを和らげてくれた。クラブ、日本協会の支えも背中を押してくれた。11日の代表合流前最後の試合で、2カ月ぶりに実戦復帰。17日の親善試合カナダ戦は、本番に向けて最後のテストの場となる。「僕自身は万全の状態で、と思っている」。試合感覚を戻し、元気な「板倉滉」を示す。
その姿を届ける先は、敵国にも-。8月27日バイエルン・ミュンヘン戦。相手の10番でドイツ代表FWサネを封じてみせた。まずペナルティーエリア内でシュートを試みた足元にスライディング。かわされたが、あきらめずに滑った状態で反転して決定機を防いだ。ブンデスリーガで2年連続のデュエル王・MF遠藤は脳振とうの診断を受け、状態は不透明。CB、ボランチもこなすドイツキラー板倉への期待は大きい。「この痛みは全然あってもいい。問題ない」。ベスト8を達成し、次は歓喜のテキーラショットを吉田、そして皆に振る舞う。
