現在もレアル・ソシエダの久保建英、ブライトンでは三笘薫と多くの日本人アタッカーが欧州で結果を残しているが、ドルトムント時代の香川真司を超えるインパクトを残した日本人選手はかなり限られるのではないか。
2010-11、2011-12シーズンとブンデスリーガ連覇に大きく貢献した当時の香川は、世界的に見ても特別なレベルにある攻撃的MFだった。柔らかいボールタッチ、狭いエリアでも軽やかなターンで前を向くテクニックとゲームビジョン、ゴール前に顔を出すセンスなど、当時のドルトムント指揮官ユルゲン・クロップにピッタリな選手だったと言える。
33歳を迎えた香川は、今冬に古巣のセレッソ大阪へ復帰することが決まった。年齢的に欧州での挑戦はここで一段落といったところだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea498b2cb33a838e91f7ff2b62a4f26ad66996a0
日本人選手のイメージを変えた欧州での日々
それを受け、米『ESPN』も香川の欧州でのキャリアを絶賛している。
「欧州でのキャリア後半戦は、前半戦に比べて成功とはかけ離れていたと言ってもいいだろう。だが、彼の欧州での13年間が失敗だったとは言えない。彼は5大リーグで複数のリーグタイトルを獲得し、世界を代表する2つのビッグクラブでプレイした。また当時のアジア人選手は勤勉で規律を守る戦術的プレイヤーが多いとの印象だったが、香川の才能は中田英寿や中村俊輔と同じくゲームチェンジャーになれる可能性を感じさせた。香川は欧州でのキャリアを誇るべきだ」
当時の香川に衝撃を受けた日本のサッカーファンはかなり多いはずで、ブンデスリーガ全体の日本人選手に対するイメージを変えた選手でもある。マンチェスター・ユナイテッドでは苦しい時間も味わったが、名将アレックス・ファーガソン氏から才能を認められたのは特別なことだ。
5大リーグのクラブで攻撃の中心となってリーグ制覇へと導ける日本人選手がどれだけいるだろうか。当時とはブンデスリーガの勢力図も異なるが、ドルトムント時代の香川が日本人史上最高クラスだったのは間違いない。