
イタリア2部(セリエB)のヴェネツィアとキットサプライヤーのKappaは13日、2023-24シーズンに向けた新ホームユニフォームを発表した。
ここ数年のヴェネツィアはお洒落なユニフォームが注目の的となり、そのデザインはファッション界からも高く評価されている。
23-24新ホームユニフォームは期待通りの優雅なデザインが誕生。ブラックを基調にオレンジとグリーンで彩る基本的なスタイルは変わらないが、22-23モデルよりもさらに美しい仕上がり。もはやスポーツウェアの領域を超えてしまった感がある。

新ユニフォームのデザインを手掛けたのは、引き続きドイツのグラフィックデザインスタジオ「Bureau Borsche」(ビューロー・ボルシェ)。ファッション、音楽、建築など幅広い分野での活躍が注目されているデザインスタジオで、22-23モデルから付ける現在のエンブレムをデザインしたのもビューロー・ボルシェである。

今回のエレガントなデザインは、日本にもゆかりのあるヴェネツィア出身の著名な建築家が手掛けた作品にインスピレーションを得たものだという。

この新ユニフォームのデザインは、ヴェネツィア生まれの建築家カルロ・スカルパが手掛けた歴史的な文化施設「クェリーニ・スタンパーリア」の改修(リノベーション)に着想を得ている。リノベーションの元祖とも言われモダンな建築デザインでその名を知らしめたカルロは、日本建築の愛好家でもあった。1978年の日本滞在中に不慮の事故でこの世を去っている。

毎年恒例となっているモデルを起用した撮影。今回の舞台は「クェリーニ・スタンパーリア」だ。デザインとはデザイナーの感性そのもの。このキットデザインと歴史的建築物を瞬間的に結び付けるのは少々難しいが、「クェリーニ・スタンパーリア」への印象から、カルロの特徴であるシャープで繊細な表現をイメージしデザインしているようにも見える。

ボタンからつながり中心を走る2色の細いストライプに目を奪われる。エンブレム、サプライヤーロゴ、「Città di Venezia」を大胆にも左胸にまとめて配置する発想も軽く衝撃だ。これまでのサッカーユニフォームの常識を覆す(というよりも破壊する)独創性にあふれたデザインである。
