https://news.yahoo.co.jp/articles/ea296dd0f738c00674c0ac8a7a1a66c22c1ea4ac
少しずつ増えてきている出場機会
ドイツで研鑽を積む内野貴史は、これからの1年をそんな言葉で表現した。
自身の大きな目標として定めるパリオリンピック。その大会に出て、結果を残すためには、これまで以上の成長が必須となる。日々、向上しなければいけないというプレッシャーを抱えながら過ごさなければいけないからこそ、前述した「逃げられない」といった言葉が口をついたのだ。
「この一年が自分のサッカー人生の中で大切な一年であることは変わりません。ただ、もしサッカーを自分が辞めて引退するとなった時に、この一年は大きな意味を持つだろうなと思っています。仮に10年サッカーをやったとして、いま怠ることがあれば、『あの一年にまた戻れたらな』とすぐに後悔してしまうイメージがある。できることを全力でやって、その舞台を本気で目指したいと思っています」
昨季は自身初の大きな怪我もあって悔しい1年を過ごした。パリ世代の代表活動こそコンスタントに呼ばれていたが、クラブではなかなかトップチームで起用されず。最終的な出場試合は4試合にとどまった。
そのため、今年は「去年、できなかったこと、足りなかったことをもっとやらなければと、もう一回意識し直しながらやっている」とフィジカル面や自身の特徴である前への推進力をトレーニングから再強化。キツい時間帯でも走って前に出られることを練習からアピールし、開幕から短い時間ではあるものの出場機会を得るに至っている。
また、ピッチ外では日本代表の田中碧と行動を共にすることで、一つひとつの基準を高くすることを学び、意識が変化したという。「例えば、W杯でゴールを取りたいと考えた時に、今これをしたらどうなってしまうのかというふうに、常に物事を天秤にかけながら生活することが大事ではないか」とアドバイスを受け、自分に甘えないよう意識を高めているようだ。
そんな内野は今回、AFCU-23アジアカップカタール2024予選に臨むU-22日本代表にメンバー入り。敗れればパリ五輪への道が閉ざされるプレッシャーのかかる戦いに挑むことになる。負けられない戦いに向け、今回が「オリンピック本戦と同じぐらい大切な試合になる」と気を引き締めた。
「もうパリオリンピックに向けての本番なので、練習試合とは全く1試合の重みが違う。自分自身、本当に日本を代表してそういう場に立たないといけないなとより強く感じています。言ってしまえば日本が格上として戦う試合が多くなってくると思いますけど、そういう相手に1対1で負けていたら絶対に足元をすくわれる。個人個人がプライドを持って、絶対に1対1のところで負けないというメンタルに持っていければいいなと。最高の準備をして、日本のために、本当にオリンピックに繋げられるような試合にしたいなと思います」