「借金は4億円」賭博で長期出場停止のユヴェントスMF、供述で赤裸々告白「試合中に借金のことで涙があふれた」 | footcalcio

「借金は4億円」賭博で長期出場停止のユヴェントスMF、供述で赤裸々告白「試合中に借金のことで涙があふれた」

事件・事故

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イタリア代表MFニコロ・ファジョーリが、自身の賭博問題について口を開いている。

22歳のファジョーリは、ユヴェントスの下部組織から2021年にデビュー。ここまで45試合に出場するなど、ユヴェントスの期待の若手として注目を集めるファジョーリだったが、無認可のオンラインギャンブルプラットフォームの捜査が行われる中、同選手の利用が判明。そして17日、FIGCが声明を発表。検察当局がファジョーリに対して12カ月の出場停止処分を科したことを発表した。

そのうちの5カ月間は1万2500ユーロ(約198万円)の罰金に加え、ギャンブル依存症に対する治療を受けることで減刑される。また、同選手は最低6カ月間のセラピープランに従い、最低10度のミーティング参加が必要となっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c394b93be85bb38a20f6e7900197eb78f59e9886

「膨大なストレスと恐怖に怯えていた」

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イタリア『Tutto Sport』は、ファジョーリによる検事への供述内容を公開。そこに書かれていたのは、同メディアが”衝撃的なストーリー”と切り出すほどの赤裸々な告白だった。

まず、ファジョーリが賭博をはじめるようになったのはサンドロ・トナーリとの再会(2人は2021年のU-21合宿に招集)がきっかけだという。トナーリも現在捜査に掛けられ、長期の出場停止が見込まれている。

「トナーリがやり方を教えてくれました。彼が賭けしているのを見て、何をしているのか尋ねたら、賭けの痕跡がないから僕にもできると教えてくれたんです。そして、問題のサイトにアカウントを登録してもらいました」

ファジョーリは当初「最初は暇潰しのつもりでした」と、賭けに対して軽い気持ちだったようだ。「午前中にトレーニングをして、退屈を紛らわすため、スリルを味わうために賭けるんです」。しかし、賭けの規模は徐々にエスカレート。約1年が経った2022年1月には友人などから借りて「膨らんだ借金のことで頭がいっぱいになっていました」と明かした。

「お金を取り戻すために大金で賭けるようになり、9月からはサッカー(当初はテニスのみ)にも賭け始めるようになりました。セリエBやレーガ・プロ…取り憑かれたようにテレビに食いつき、あらゆるスポーツイベントに賭けていました」

「夜、私は眠れなくなっていました。時間が経てば経つほど、借金のことが頭をよぎるんです。借りた金は増え続け、私は立ち直るためにプレーしているだけだと感じていました」

「借金は増え続け”お前の足をへし折るぞ”と恐喝されたときもありました。ただ、あまりにも借金が高すぎて賭けに買ってもプラスにはなりません。勝ったお金は全て、プラットフォームへの返済に充てられていたからです」

『Tutto Sport』はこれらの告白に”まるで映画から飛び出してきたような、しかしひどく真実味のある言葉”と表現。”出口が見えず、息苦しさを感じている少年が、まるで流砂の中にいるかのように息が奪われ、動こうとすればするほど飲み込まれ、押し潰されていく”と当時のファジョーリを描写している。

特に精神的に追い込まれていたのは、約半年前である「2023年の3月から4月」だったという。

「膨大なストレスと恐怖に怯えていた時に、サッスオーロ対ユヴェントスの試合で技術的なミスをして交代をさせられました。僕はベンチに戻り、借金のことで涙があふれてきました」

「2022年9月には25万(約4000万円)だった借金が270万(約4億円)ユ一ロ以上にまで膨れ上がっていて…違法サイトの所有者から返済するよう圧力をかけられていました」

「僕はクラブと契約を更新しなければいけませんでしたが、このニュースが流出して契約の妨げになるのではないかと心配していました」

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最後には「ギャンブルはもうやめ、治療に専念する」と約束したファジョーリ。大きなスキャンダルとなったが、同選手は依存症からの脱却へ、向けた新たな一歩を踏み出す。
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