この試合で、シーガルズ(ブライトンの愛称)のボール支配率は72パーセント。放った総シュート数は29本(対するバーンリーは6本)だった。数字だけを見れば圧倒しているものの、勝てる雰囲気は感じられなかったというのが、90分間(+アディショナルタイム)を見た率直な感想である。
前半は立ち上がりからブライトンイレブンの動きは鈍重で、バーンリーに押し込まれる場面が目立った。その後も一向にギアが上がることはなく、ハーフタイム直前にはウィルソン・オドベールに先制ゴールを許してしまう。
この状況に業を煮やしたロベルト・デ・ゼルビ監督は、ハーフタイム間に動きを見せる。ベンチスタートだった三笘薫とビリー・ギルモアの両選手に急ピッチでウォームアップをするように指示して、両選手は後半頭からピッチに送り込まれた。
後半は、開始直後からブライトンは左サイドの三笘にボールを集めた。そしてチームは、この日本代表ウインガーを中心にバーンリーゴールに襲い掛かった。46分には左サイドでボールを受けた三笘がゴールライン近くまで上がり、すかさず左足で中央へクロス。好ボールだったが、敵のゴールキーパー、ジェームズ・トラフォードが横っ飛びでキャッチする。
その後も、主戦場とする左サイドハーフのポジションから再三ゴールを目指したが、試合後に本人が「自分たちの時間にしようってところと、相手を引き付けて前でなるべく高い位置でプレーしようと思ってましたけど、なかなかうまくいかなかった」と振り返ったとおり、決定的なチャンスが作れず。
人数をかけて徹底的に引いて守るバーンリーの守備は堅く、その牙城を崩せないでいた。しかし77分にサイモン・アディングラが同点ゴールを決めると、そこから試合終了までは、ブライトンの選手たちは攻撃の仕方を急に思い出したかのように、幾度にもわたってクラレッツ(バーンリーの愛称)守備陣を攻め立てた。
迎えた試合終了間際。アディショナルタイムに突入してから7分目に、三笘に特大のチャンスが訪れる。ギルモアが右サイドからクロスをファーサイドへ送ると、そこで待っていた22番が身体を倒しながらボレーシュート。しっかりと枠を捉え、ブライトンサポーターはゴールを確信した。しかし、この日ファインセーブを連発していたトラッフォードに阻まれて、惜しくも決勝弾とはならなかった。
そのまま試合は終了し、ブライトンは引き分けに持ち込んだ一方で、攻勢を続けながらも逆転勝利までは届かなかった。
「もっと最後のような展開を最初からやるべきですし、自分もチャンスあった。まあ実力かなと思います」
勝てそうで勝てない、それが最近のブライトンである。好調なスタートを切ったものの、直近のリーグ戦10試合は2勝5分け3敗。この状況に、デ・ゼルビ監督は試合後、次のように話している。
「フラストレーションを募らせている。帰宅して、どうやったらこういった試合で勝てるのか考え続けている。我々は良いチームだが、まだトップチームではない。トップチームであれば(引き分けた)フラム戦、シェフィールド・ユナイテッド戦、そして今日の試合も勝っていたはず。これら3試合で、チームは勝利に値するパフォーマンスをしていた」
「なぜ勝てないか?ブライトンの監督がまだトップレベルではないからだ。今日も29本もシュートを放った。フラム戦では25メートルからのミドルシュートを決められ、今日の試合も20メートルから豪快に決められた。シェフィールド・ユナイテッド戦では退場者が出た。これらの試合に勝っていれば、我々は現在リーグ3位のポジションにいるんだけどな」
指揮官が話すように、紙一重なのかもしれない。一方で、昨季のような勢いがないために勝ちきれないのである。
今季のブライトンには勝利に持ち込む“Xファクター”、すなわち「決め手」が不足している。昨季であればそれが三笘であり、ソリー・マーチであり、アレクシス・マカリステルであり、もしくはエバン・ファーガソンだったり、チーム内のほかの選手だった。
翻って今季は主力の複数人放出と怪我人多発による戦力不足。さらに、リーグ戦とヨーロッパ・リーグと二足の草鞋により、低調なパフォーマンスからの改善が困難になっている。
三笘もまた、チーム状況の変化や過密日程からくる疲労、さらに負傷もあり、今シーズンは実力を出し切れずにいる。
試合後、筆者は「順調に来ていたプロキャリアの中では、初めての壁と言えるか」とぶつけてみた。しかし26歳は「いや、壁とは全く感じてないですけど」と切り返して、こう続けた。
「チームの実力がそれまでってことですし、壁というよりももっともっとできることはあると思います。自分の力のなさを痛感して、また成長すればいい話かと思いますけどね」
強がりかではない。向上心の強い彼だからこそ、本心の言葉だと思う。さらなる成長を遂げた三笘が、再びプレミアリーグを席巻してくれる瞬間が待ち遠しい。
コメント
三笘が後半に入ってから明らかにブライトンペースになったけど勝ちきれなかったのは残念。しかし相変わらず自分を卑下する発言が目立つな三笘は。
ウェルベックマーチファティピニャン…これだけ主力が怪我してる中ではよーやっとると思うが
他責思考よりは自分に矢印向けられる方がずっといい
こういう姿勢でいる限りまだまだ伸びるよ三笘は
壁と言っても2、3人付けられたところをぶち抜けないって壁だからな
良い意味で意識高いわ
相手GKが神がかってただけ
ゴールを確信するようなシュートではなかったのに大げさだな
標準以上のGKならまず止めるだろ
カットインのシュート打てないのがキツいね。もっと打ってみていい気がするけど三笘なりに理由がありそう。
せめて怪我人復帰してマーク散らないとゴールどころかシュートもなかなか打てないだろう
あれだけ主力売って、怪我人だらけの中ようやっとる
もし三笘出れないとこまできたら勝ち点1取るのも厳しそう
ケガに気を付けて頑張って欲しいね。
三笘のような存在はしばらく出てこないだろうからいつだって応援している。
短い時間だったけど今までとは違うことしようとしてるのが感じられて良かったよ
ペドロが三笘にパス回すようになったな
それもあって後半殆ど戦術三笘だったわ
>>4
ほんとな。他にアディングラとヒンシェルウッドのとか、普通に1点ものだったのをとんでもない反応で止めてたしな。
まぁろくに試合なんぞみてもおらん奴が1匹↑のほうにおるけどw
誰かのせいにするよりは自分の実力だって思ってたほうがいろいろすっきりするのは確かだけど、この前の試合に関してはようやってたと思う。とはいえあれだけ負傷者がでてるチームでそれまでと同じようにうまくいくかっつーとそれは難しいだろうなと。勝ちきれない理由の7割くらいは負傷者の多さだと思うし、負傷者が多い理由の8割は過密スケジュールだと思う。ギリギリで戦ってる選手にあのスケジュールはないだろ。
カットインのシュート打ててないってやつはDFの立場になって考えてみろよ
縦に行かれるのと中に行かれるのどっちが危険だ?
>>13
サッカーやったことないでしょ
>>5
いや、かなり良いコースにいってたよ!
入っててもおかしくなかったと思う。
>>6
2人3人マークにくるからね。
カットインはしてたけど寄せられてたね。
三苫で2人3人マーク引き付けてキックの上手いグロスに預けてフリーの中の選手にクロスで合わせる形が後半効いてたね。実際にバーンリー戦それで同点ゴールとったからね。
>>7
ブオナノッテがもう少し良いポジショニングと絡みが出来れば良かったよね。
怪我人多いのがデカいね。
グロスとの関係性は凄く良かった。
>>15
あのぐらいの球速であのコース入ったの女子サッカー以外で見た事ないんだが
もしかしてブライトンの試合だとよく見るのか?