1969-70シーズンの決勝カードでもあるこの一戦で、古橋は公式戦3試合ぶりのスタメン入り。スコットランド・プレミアシップ第13節アバディーン戦で今季8点目(リーグでは6点目)を挙げて以降、ゴールから遠ざかっており、直近の2試合では後半途中からの出場を強いられていたストライカーは、序盤の17分に抜け出して得点機を迎えたが、シュートは相手GKに阻止され、交代を命じられるまでに見せ場を創ることはできなかった。
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CLフェイエノールト戦に先発出場した古橋だが、得点は奪えなかった
日刊紙『THE SCOTTISH Sun』は、「1対1の大きなチャンスを迎えたが、弱いシュートは簡単にセーブされた。古橋は調子が悪い。セルティックは、彼が早く最高の状態に戻ることを求めている。影の薄い存在だった」とネガティブに綴り、採点もスタメンでは岩田を除いて最低タイの「5」を付与している。
スコットランドのサッカー専門サイト『footballscotland』の採点は及第点の「6」だが、「自身のプレーで前半に幾つかのチャンスを生み出したが、楽に決められる決定機ではなかったとはいえ、我々が期待しているような確信や自身が彼には足りなかった」と、日本人選手のプレーを振り返った。
グラスゴーの地元メディアでは、日刊紙『The Herald』も採点は「6」とし、寸評では「欧州の舞台でスタメン復帰。自己を顧みずに走り回り、鋭い飛び出しでフェイエノールトに問題を引き起こした。唯一の決定機ではGKバイロウにシュートを当てた」と、こちらはポジティブな面も挙げている。
『Glasgow live』は「開始15分(記録では17分)でラツィオ戦、アトレティコ・マドリード戦に続いて、ホームでのゴールを決めるチャンスがあった。彼のレベルの高さを考えれば、静かな夜となった」として、採点はこちらも「6」。『Glasgow World』も同採点で、「日本人ストライカーは多くのハードワークをこなし、DFラインの裏に走り込んでオランダ・チームに問題をもたらした」と評した。
古橋の得点が止まっている状況について、今季の戦術によって彼がこれまでより深い位置でのプレーを求められることが要因のひとつに挙げられているが、試合前日にブレンダン・ロジャーズ監督は、「キョウゴにこれまでと異なる要求は全くしていない。彼の強みは、最終ラインでのプレー、タイミングの良い動き、そして敵陣のボックスで直感的にプレーすることだ。彼はドリブラーではなく、下がってくるタイプでもない。そういったプレーもできるが、それは彼の強みではない」と、完全に否定している。
試合後、セルティックのクラブ専門サイト『THE CELTIC STAR』は、古橋のプレーを「上手くいっていない。素晴らしい走り込み、流れるような動き、チャンスも作ったのに……得点には結びつかなかった。彼には、メンタル面の鋭さやボックス内での得点力を活かすために、敵陣の深い位置でのプレーに積極的に関わることが求められているが……」と総括し、全体的に上手くかみ合っていないことを指摘した。
セルティック加入以来、プレー面で最も苦労しているように見える古橋。一方、移籍市場においては今も注目銘柄のひとつであるようであり、複数の現地メディアはイングランド・プレミアリーグのブレントフォードが、今冬に退団の可能性があるFWアイバン・トニーの後釜として日本代表ストライカーに関心を示していると報じている。