アペルカンプ真大が語る中村敬斗との友情「彼がどこまで行くか楽しみ」 “同期”の飛躍に刺激「僕にとっても嬉しい」

中村敬斗

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ドイツのブンデスリーガ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフでプレーするMFアペルカンプ真大は、三菱養和SC巣鴨ジュニアユース時代の同期でもある日本代表MF中村敬斗(フランス1部スタッド・ランス)について、「素晴らしいパフォーマンスができるのは分かっていた」と語る。欧州を舞台に切磋琢磨を続けるなか、日本代表とクラブの両方で活躍する中村の存在はアペルカンプにとって大きな刺激となっており、「僕にとっても嬉しい」と笑顔で語っている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/031e7c0a85d0d5141968956fddef26244b06c22c

中村は「人間的に本当いい人だし、面白い」 2人の話題は「サッカーや養和時代」

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欧州リーグでプレーする日本人フットボーラーは多い。最近の日本代表は連戦連勝と好調をキープし、抜群の戦績に世界からの評価も高い。欧州5大リーグとされるイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスでプレーする選手だけではなく、オランダやベルギー、オーストリア、スイスといった国のリーグで戦う選手にも、代表チームから招集レターが届く。

オーストリアのLASKリンツでプレーしていた昨季、公式戦36試合に出場し、17ゴール8アシストの活躍で一気に注目を集めたのが中村敬斗だ。2023年夏にフランス1部のスタッド・ランスへ移籍し、新天地でも今季ここまで第17節を終えて12試合に出場し、2ゴール1アシストの結果を残す。

23年3月に日本代表に初招集された中村は、6月15日の国際親善試合エルサルバドル戦(6-0)で代表初ゴールをマーク。9月12日の国際親善試合トルコ戦(4-2)で2ゴールを挙げると、10月13日の国際親善試合カナダ戦(4-1)でも1ゴールの結果を残している。

そんな中村が公私ともに仲良くしている選手の1人がデュッセルドルフのアペルカンプ真大だ。中学まで三菱養和SC巣鴨ジュニアユース時代の同期で、2019年に初めてインタビューした際、中村の名前を出していたのを思い出す。

「日本人選手が海外でプレーするためには早ければ早いほうがいいのだろうか?」という質問を投げ掛け、アペルカンプは次のように答えてくれた。

「日本人だったらFIFA(国際サッカー連盟)のルールで基本的には18歳にならないと来られないというのがある。でも18歳でJ1リーグやJ2リーグですでに試合出場を果たしている選手はいっぱいいます。経験を積んだあと、18~19歳でヨーロッパに来たほうが僕的にはいいなと思いますね。三菱養和でやっていた中村敬斗もオランダ1部(当時トゥウェンテ)に来てゴールを決めているし、今オランダ1部にはAZアルクマールに菅原(由勢)もいる。たぶんそうやって18~20歳くらいで日本からヨーロッパに来る選手がどんどん出てくると思う」

オランダのトゥウェンテからシント=トロイデン(ベルギー)を経由して、オーストリアのLASKリンツのセカンドチームにあたるFCジュニアーズでプレーすることになった中村は着実に成長を遂げ、2023年8月にフランス1部ランスへ完全移籍。移籍金は約1000万ユーロ(当時約16億円)とも言われ、ステップアップを遂げながら日本代表でも結果を残している。

旧友の目まぐるしい飛躍ぶりはアペルカンプにとっても喜ばしいことだ。インタビューで中村の話になると笑顔で嬉しそうに語る。

「彼もヨーロッパに来て苦労した時もいっぱいあった。でも彼が素晴らしいパフォーマンスができるのは分かっていた。今こうやって活躍を見せてくれているのは、僕にとってもめっちゃ嬉しい。彼がこれからどこまで行くか、楽しみですよね」

今季開幕前にはキャンプ地が近くだったこともあり、中村がアペルカンプの試合を観戦しに足を運んだそうだ。

「キャンプで試合を観に来てて、ちょっと話しました。彼は人間的に本当いい人だし、面白いです。話題はやっぱりサッカーの話とか、あとは昔の養和時代の話とかがが多いですね」

それにしてもJリーグ下部ではない街クラブの三菱養和SCからは、中村やアペルカンプのほかにも、カタール・ワールドカップ(W杯)日本代表メンバーのMF相馬勇紀(ポルトガル1部カーザ・ピア)をはじめ、これまでに何人ものプロ選手が輩出されている。養和時代を振り返った際、どんなところが印象に残っているかアペルカンプに尋ねてみた。

「スタッフやコーチ、監督、みんなが仲良かったですね。チーム内だけではなくて、親同士も深くつながっていて、もう本当にファミリーみたいな雰囲気があった。そういうのが多分ピッチ上のプレーや成長につながったのかなって思ってます」

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サッカーを続けていく道は人それぞれだ。そして選手にはそれぞれの物語がある。その物語は重なり合い、広がり続けていく。欧州を舞台に切磋琢磨する2人の物語が、またどこかで重なり合う日がいつか来るのかもしれない。
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