開催国で初出場のカタールは、2大会ぶり4度目出場のエクアドルに0―2で敗れた。W杯開催国が初戦で敗れるのは、22大会目で史上初となった。
開始2分38秒、エクアドルのFWバレンシアにヘディングでゴールネットを揺らされたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でオフサイドと判定され、ゴールは取り消しとなった。
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VARの際に用いられたのは、今大会から導入された「オフサイド半自動判定」だった。スタジアムの屋根の下に設置された12台の専用トラッキングカメラを使い、ボールと個々の選手の最大29のデータポイントを1秒間に50回追跡し、ピッチ上の正確な位置を計算している。収集された29のデータポイントには、オフサイド判定に関連するすべての情報が含まれている。
ABEMAでスタジオ解説していた元日本代表FWで来季から沼津監督の中山雅史氏は「足先がちょっと出ただけでオフサイド、これは人の目、画像をチェックではできないですよ。テクノロジーが進化したことで(できるようになった)」と、正確さに驚いていた。
きわめてわかりにくいオフサイドだったため、ネット上は「中東の笛」などがトレンド入りするほどだった。
FIFAの公式サイトによると「カタール2022の公式試合球であるアル・リフラは、ボール内部に慣性計測装置(IMU)センサーを搭載しており、難しいオフサイドを検知するためにさらに重要な要素を提供する。ボールの中央に設置されたこのセンサーは、1秒間に500回、ボールデータをビデオオペレーションルームに送信し、キックポイントを非常に正確に検出することができる」と説明が掲載されている。
運用については「トラッキングデータを組み合わせ、さらにAI(人工知能)を応用することで、味方のボールがプレーされた瞬間にオフサイドポジションにいたアタッカーがボールを受けると、ビデオ・オペレーションルーム内のマッチオフィシャルに自動的にオフサイドの警告を表示する。ビデオマッチオフィシャルは、審判に伝える前に、自動的に選択されたキックポイントと、選手の手足の位置を計算して自動的に作成されたオフサイドラインを手動で確認し、提案された判定を検証する。このプロセスは数秒以内に行われ、オフサイドの判定をより速く、より正確に行うことができるようになる」と解説されている。
観客や視聴者に向けた説明については「ピッチ上のビデオマッチオフィシャルとレフェリーが判定を確認した後、判定に使用されたものと全く同じ位置データが、ボールがプレーされた瞬間の選手の手足の位置を完全に詳細に示す3Dアニメーションに生成される。この3Dアニメーションは、オフサイドの状況を常に最適な視点で表示し、スタジアムの巨大スクリーンに映し出されるほか、FIFAの放送パートナーにも提供され、すべての観客に最も分かりやすい形で情報を提供する」としている。