
グループリーグ第3戦スペイン戦で大会2枚目のイエローカードを提示され、決勝トーナメント1回戦クロアチア戦は出場停止。長期離脱明けながらもここまで全3試合にフル出場し、世界を驚かせる安定感を見せた25歳のセンターバックは、ベスト8をかけた歴史的一戦をピッチ外から見つめる形となった。
結果は1-1で迎えたPK戦の末に敗戦。「上から見ていてもみんな戦っていたし、持っている力を全部出してくれた。チームを誇らしく思うし、チームを助けられなかった自分が歯がゆいし、やり切れない思いはある」。敗れた悔しさだけでなく、大事な試合にプレーで貢献できなかった葛藤が重くのしかかった。
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最終戦はスタンド観戦…板倉滉「必ずベスト16の壁を破りに…」

ドイツ戦での決勝アシストをはじめ、グループリーグ3試合でのパフォーマンスも圧巻だったが、言葉でもチームに前向きな気運を盛り上げた。0-1で敗れたコスタリカ戦後には、あえて「国民のみんなは下を向いているかもしれないけど、選手は次のスペイン戦に向かっている。心配しないでほしい」と日本で戦うサポーターに向き合い、いまの思いを語った。
その思いからは、これからの日本サッカー界を先頭に立って引っ張っていく覚悟が垣間見えた。
「今回のW杯で日本の盛り上がりも感じられた。カタールにいたので情報でしかないけど、盛り上がっている情報をたくさんもらっていたし、素直にそれが嬉しかった。ドイツ戦に勝って、日本全体が盛り上がった中で、コスタリカ戦に負けて悔しい思いをさせてしまった。そこから離れないで欲しかったし、スペイン戦を見てほしかった」
何より「やれる自信があった」。その宣言どおり、チームはスペインを破って首位通過を達成。ベスト8入りこそできなかったが、強敵撃破には日本中が大いに沸いた。
「結果で恩返しすることができなかったし、僕としても満足する結果で終わっていないけど、盛り上がってもらったサポーターの人たちをここから先も継続してどんどん増やしていけるように、サッカーで日本を盛り上げていけるようにしないといけない」。大会を通じてリーダーとしての気質を示してきた25歳はさらなる決意も口にした。
4年後は29歳。現在の最終ラインにはベテラン選手が並ぶ中、DF冨安健洋、板倉らにはまさにチームを引っ張る働きが求められる。「まずはこの大会を経験した選手が引っ張っていかないといけない。自分もその思い。チームを引っ張って、必ずこの壁を破りに来たい。3年半、あっという間に来ると思うし、これからの時間をムダにせず、個々のレベルアップにつなげていかないといけない」
