当代屈指の偉才は、自身のキャリア最後と位置付けて臨んだ檜舞台を涙とともに去った。ポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウドだ。
去る12月18日にアルゼンチンの36年ぶりの優勝によって終幕を迎えたカタール・ワールドカップ(W杯)。多くの話題がもたらされた大会にあって、さまざまに論じられたのが、ポルトガルが誇るクラッキのパフォーマンスだった。
大会直前の11月13日に所属していたマンチェスター・ユナイテッドへの不満をメディアでぶちまけた影響から契約解消に至っていたC・ロナウドは、グループリーグから低調なパフォーマンスに終始。決勝トーナメント1回戦のスイス戦でスタメン落ちとなると、結局、大会を通じてわずか1ゴールで終わった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6aea6703f1874c5e7acdbaf9312458d9b5e51c87
涙を抑えきれずに、足早にカタールのピッチから去ったC・ロナウド
準々決勝のモロッコ戦で敗北を喫した後には、仲間を慰めもせず、ロッカールームへと繋がる通路で大粒の涙を流した37歳。しかし、悲痛な面持ちでピッチを離れた彼のもとには各国メディアで非難が殺到。大会直前にピッチ外の話題を持ち込んだ言動を含めてポルトガル敗退の主因とされたのだ。
稀代のクラッキの振る舞いには、サッカー界の重鎮も厳しい言葉を送っている。かつてユベントスやミランといったカルチョの強豪を率いていたイタリア人指揮官のファビオ・カペッロは、母国紙『Corriere della Sera』のインタビューで、今大会のC・ロナウドを批判した。
「彼は自由になることを求めていた。選手としての彼に疑問の余地はないが、残念ながら今大会に向けた振る舞いは傲慢だった。彼は自分自身を売りに出したものの、信じてくれるチームを一切見つけられず、迷惑な存在になってしまったんだ」