7月28日に開幕したドイツ2部は第6節を迎えている。1部から降格してきた名門シャルケやヘルタ・ベルリンが苦戦するなか、かつて酒井高徳(神戸)がキャプテンマークを巻いたハンブルク(HSV)が勝点13でトップに立っている。
HSVを追走するのが、勝点12のホルシュタイン・キールだ。これまで一度も1部昇格経験のないドイツ北部の中堅クラブの快進撃は、大きなサプライズ。そのチームを力強くけん引しているのが、今年7月に湘南ベルマーレから赴いた日本人FW町野修斗だ。
町野は今季の開幕戦となった7月30日のブラウンシュヴァイク戦で先発デビューを飾ると、続く8月5日のフュルト戦で自ら得たPKを決めて、移籍後初ゴールを挙げる。
その後もスタメンで出続け、8月25日のシャルケ戦ではフェルティンスアレアに超満員の観客が集結するなか、町野は左ウイングバックのローテのクロスに鋭く飛び込み、今季2点目をゲット。ここまで5戦2発という好スタートを切っているのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/093dfceb9541ef5e2436b92f676bec01fb8861df
自身初の欧州移籍も「最初からスムーズに入れました」。すでに攻撃陣の主軸として奮闘を続ける
「キールに来てみて、本当に正解だったなと今、しみじみ感じています。今回の欧州移籍にあたっては、いくつかの候補がありましたけど、とにかくキールは熱心だった。今、欧州では選手獲得の際、選手個々の特徴や情報を入れて、どれだけ自チームのスタイルに合うかどうかを測るデータシステムがあるらしいんですけど、キールにとっての僕は90パーセント以上のマッチ率だったと聞きましたね(笑)。
契約前にも、クラブの会長とSD、監督、代理人と通訳でオンラインミーティングもしました。彼らはわざわざ映像を作って、僕に求める役割を説明してくれたうえで、『君はそのままのプレーをしてくれればいい』と熱意を持って語りかけてくれた。そこまで言われたら、やっぱり心が動きますよね。迷わず決断することができました」
7月3日に移籍会見を行ない、6日には渡欧。すぐに契約し、キャンプに入ったが、すんなり溶け込むことができたという。
「日本人が初めて海外移籍した時には、戦術理解に戸惑ったり、周りとの連係に苦しんだりする話をよく聞きますけど、僕の場合は相手方が自分のスタイルを尊重して獲得してくれたので、最初からスムーズに入れました。
『ドイツ2部の知名度の低いチームに行って大丈夫か?』といったネガティブな見方もあるかもしれませんけど、やっぱり試合に出て活躍することが何よりも重要。そうなるようにプレシーズンを大事に過ごしました。
ただ、僕が合流して3日後くらいにやったハノーファーとの試合は、ずっと削り合いでマジでヤバかった(苦笑)。『こういうなかでやっていかなアカンのかな』と不安を感じましたけど、そこまでの削り合いはハノーファーだけだった(苦笑)。
開幕のブラウンシュヴァイクも普段やってる感覚で行けたし、フィジカル的には問題なかったですね」と、町野は開幕までの充実した1か月間を振り返る。
リーグ5戦目の9月2日のパーダ―ホルン戦を見ても、町野が前線で相手を引き付けてスペースを作ったり、自らフリーでゴール前に飛び込んだりと、決定的な仕事に絡む場面が何度かあり、すでに攻撃陣の主軸になっていることが色濃くうかがえた。
シャルケ戦でアシストを記録した18歳のローテ、中盤の底に位置するセルビア人のイベジッチらとは意思疎通も取れていて、関係性も日に日によくなっている様子だ。
「ドイツ2部はチームごとにスタイルが全然違うので、(マルセロ・ラップ)監督が対戦相手を毎回分析して、ミーティングで戦い方を伝えてくるんです。僕はドイツ語が分からないんで、英語で通訳されているんですけど、両方ほぼできない(苦笑)。
でも監督が『個人ミーティングが必要なら言ってくれ』と声をかけてくれるので、理解しきれなかったりしたら、自分から聞きにいくようにしています。今はドイツ語を週2回、勉強してますけど、なかなか難しい。2つの言語を習得できる良いチャンスだと思って取り組んでます」と、本人も懸命に指揮官やチームメイトとコミュニケーションを取ろうと努力している。
キールが一体感や結束力を重んじる日本的なチームということもあり、町野の前向きな姿勢は好意的に受け止められている様子だ。
「ただ、課題があるとすれば、2トップを組んでいる9番のピヒラーとの関係性ですね。パダーホルン戦でも良い距離感がなかなか取れなかったんで、もう少し改善していきたいと思ってます。
僕自身は今季、二桁ゴールという目標を掲げていますが、その試合でも決定機を2つ逃していますし、もっと確実に決めていけば、半シーズンで目標を達成できるかもしれない。そのくらいの勢いを持ってやっていきたいですね」
野心とアグレッシブさを前面に押し出す町野。そうしなければ、ドイツ2部からステップアップが叶わないという危機感があるからだろう。過去には、2014年1月に鹿島アントラーズから同じ2部の1860ミュンヘンに移籍した大迫勇也(神戸)が、半年間で1部のケルンに引き抜かれた例があった。一方で、日本代表経験のある室屋成(ハノーファー)や田中碧(デュッセルドルフ)にしても、格上リーグに行くという希望が現実になっていない。
もちろんSBの室屋や、ボランチの田中はポジション的に難易度が高い部分があるものの、町野のFWにしても目をギラギラさせて成り上がろうとしている人間たちが競い合っている。そこで一歩抜け出すためには、やはり頭抜けた結果がどうしても必要になる。それを強く自覚したうえで、町野は日々前進していく覚悟だ。
「今、自分が課題だと感じているのは、もう少しゴール前に入る時のスピードを上げていくことと、ペナルティエリアでの存在感を高めていくことですね。どうしても足もとで受けてどうにかしようとしてしまうことが多いんで、背後に抜けてフィニッシュに持っていくようなシーンを増やしたい。まさにシャルケ戦の得点シーンは1つの成功例だと思います。
キールは後ろからしっかりとつなぐスタイルで、そこまでロングボールが多くないので、背後に抜ける形を作るのは結構難しいんですけど、ピヒラーや7番のスクリプスキとの関係性を良くしていけば、チャンスが増えるはず。自分が点を取れる形をいち早く確立していきたいと考えています」
コメント
そんなのあるんか……
興味深いし内容も面白い良い記事
凄いな、、
知らないだけかもですけど、ここまで具体性のある移籍って過去にあったっけレベルですね。
性格的にも合いそう、頑張ってー!
町野なら大体どのチームでもマッチしそうだけどな
一個上の代に上田がいるから代表でもなかなか出番無いけど
大迫を越える可能性十分にあると思う
全部が80点って感じの選手だからW杯までの2年間で全部が90点になるくらいのイメージで頑張って欲しい
10月は上田呼ばないだろうし町野来るんじゃねーかなと思う
キール自体結構前から上位で後1歩昇格に及ばないってシーズン多かったから町野が後一歩のピースになることを願う!
いいとこ行けたなあ
こういう運もスポーツ選手の実力のうち
今のキールは一部昇格の可能性があるんだよね
上手くいってほしいね
そのソフト知りたい
これ南野だったら、こんなにチームの事を喋ったらダメだろって絶対に言われてるなw
活躍してもしなくてもブ男に粘着批判される事は見た目的に無さそうだから安心して応援できるね
Jではゴール数は少なくてもチームに必ず貢献する選手だったよね
このままドイツで得点力も付いてきたら一気にA代表入りも夢じゃない
ハノーファーうける
めちゃくちゃいいチーム
大きなクラブの中で昇格争いに何故か絡んでくるキールという小クラブを不思議に思ってたけど、なるほど。
かなり面白い取り組みや補強をしている野心的なクラブなんだね。一方、1部優勝もあるようなカイザースラウテルンとか1860ミュンヘンみたいな古豪は3部行ったり来たりして埋もれてるんだな…厳しい世界だわ
サイズ、スピード、献身性、器用さは代表のCFに求められる部分で町野は既に備えている
後は外国人選手とのフィジカルコンタクトに慣れて負けないようになれば、スピードがある分小川より代表に使われ易そう
やっぱ選手のインタビュー継続的に聞いてれば取り組みがはっきりわかるな
自分の課題もわかってるしやらないといけないこともはっきり理解してる
言語と二桁得点は最低目標、そこにどれだけ肉付けして評価を上げれるか
これが2部でやらないといけないこと
今は全然4大レベルじゃないけどこれを数年続けられれば間違いなく1部行ける
代表とクラブは必要なプレーが違うから代表は一切意識せずプレーしてほしい
ホルシュタイン・キールは二部が長いクラブだね。一部に上がりたいと思っているでしょ。どれだけ貢献出来るかだね。
上田怪我しちゃったし来月召集されないかな?
町野と林大地は好きな選手だ
活躍して代表で見てみたい