Jリーグはイメージと「大きく違った」　来日8年目…助っ人の目に映る日本サッカーの成長

「来日してみると持っていたイメージとは、いい意味で大きく違いました」

実際に日本でプレーしてみると、予想をはるかに超えるサッカー環境とレベルの高さに驚かされたという。「日本のサッカーは非常にレベルが高く、選手個々の能力も非常に高いと感じました。スタジアムも常に多くのサポーターで埋まり、素晴らしい環境でプレーできることが嬉しいです」。早い段階で日本サッカーに好印象を抱いた。

1993年にスタートしたJリーグは、今年、開幕31年目を迎えている。ディエゴも長い時間を日本で過ごしてきた。最近では有力な日本人選手が海外に出ていくことが当たり前になったが、ディエゴの来日時から、Jリーグのレベルはどう変わったのだろうか。

Jリーグに対するディエゴの評価は高く「私が来日した当初は、Jリーグから海外へ移籍する日本人選手はまだ限られていました。しかし、今では多くの選手が欧州で活躍しており、それが日本サッカーの成長を後押ししています」という。

そのなかで、かつてのチームメイトだった久保建英、伊東純也や、対戦相手として戦った三笘薫の名前を挙げ、日本代表や欧州のトップリーグで活躍していることにも、喜びと誇りを感じているという。

2017年にJ1デビューを飾り、横浜F・マリノスへの期限付き移籍を経験し、19年6月までFC東京でプレーをした久保はディエゴとも前線でコンビを組んだ。

ディエゴは久保について「彼は今も若いですが、さらに若い時に私たちと一緒にプレーして試合をしました。とても思い出深い。とてもクオリティが高かった」と話し「若くして世界に旅立ち、順調に進んでいると思っていますし、この先も期待したいと思います」と、さらなる飛躍に期待を寄せた。

現在フランス1部のスタッド・ランスで中心選手になっている伊東については「経験を積めばいい選手になるなと思っていました」と、柏で共闘した当時を振り返る。伊東は現在31歳とキャリアのピークを迎えているが「フランスのリーグもビッグリーグですが、より一層大きなクラブへも移籍できると思っています」と、まだまだ高みを目指せると太鼓判を押した。

そして、対戦相手として唯一、名前を挙がった三笘については「対戦して本当に苦戦しました」と対戦時を思い起こし、この3選手が「海外で活躍する姿を嬉しく思う」と話してくれた。

ディエゴは「Jリーグや日本サッカー界は、これからも成長を続け、世界のトップレベルに近づいていく可能性がある」と、日本サッカーがさらなる発展を遂げる可能性を感じている。特に2022年のカタール・ワールドカップ（W杯）での日本代表の活躍に触れ「日本のグループは『死のグループ』だったと思います。その大変なグループのなかで、日本の力を見せてくれた。ドイツ、スペインに勝利し、実力があることを世界に見せたと思います。このまま順調に成長すれば、次のW杯ではより一層、頂点に近づけるのではないでしょうか」と、期待を寄せた。

自身もブラジル人として異国の地での挑戦を経験したディエゴは「やっぱり他の国でプレーするというのは非常に大変なことです。自分の国を出れば、サッカーのスタイルも違いますし、文化も、言葉を含めて違う。その厳しい中に飛び込むという勇気、その気持ちが一番必要です」と、日本人選手たちが海外で成功するためのメンタリティーの重要性を説く。

「日本の選手は以前に比べ、価値が上がっています」。FC東京でともにプレーするDF長友佑都や、MF香川真司（セレッソ大阪）といった先駆者たちの活躍が、現在の日本人選手が注目される基盤を築いたとし、これからもさらに多くの日本人選手が世界へ羽ばたくことを期待しているという。日本サッカーの成長を間近で感じているディエゴ。彼の存在もまた、日本サッカーの成長を支える一部となっている。