カナダがペースを握る時間帯もあったが、彼らは思うように日本ゴール前へ迫れていない。コントロール&キックに自信がないのか、各駅停車の横パスが多く、必然的にプレスではめ込まれる。どうにか敵陣に入っても、崩す展開までは持ち込めなかった。左サイドでバイエルン・ミュンヘンのアルフォンソ・デイビスがボールを持つと可能性を感じさせたが…。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a19ada55a4bb94efdf6050378d5e78ea2c9f7eb0
多くの主力が欠場しても難敵カナダを4-1で下した日本代表
久しぶりに代表復活した南野拓実も、実力を示した。こうした再起は、チーム全体にパワーを与える。自然と競争力が高まるのだ。
日本は実力者たちの存在で、勝負を制していた。
しかも、カナダ戦の先発メンバーは1.5軍に近かった。DF板倉滉、菅原由勢、MF守田英正、久保建英、FW上田綺世の5人はベンチスタート。また、鎌田大地、堂安律、三笘薫が「コンディション不良」で“辞退”と不在だった。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグを舞台に活躍している主力がいなくても、これだけの戦いができるのだ。
多くの選手は、欧州の最前線に飛び込むことで成長してきた。臨機応変に戦い方を変えられるタフさを身に付け、90分で勝負できるようになった。ワンプレーのうまさではなく、より実戦的になったと言える。
今や欧州組だけで80人前後の有力な日本人選手がいる。MLSの吉田麻也、高丘陽平のようなケースもある。異国で助っ人になることが求められる環境で、選手としてだけでなく、人間としても鍛えられる。Jリーグのレベルが低いとかではなく、異国で重い責任を背負って戦う選手たちは顔つきからして違うものだ。
それだけに、今後の代表活動は欧州組の招集に慎重になるべきだろう。興行的な親善試合、欧州や南米の強豪との親善試合、アジアの低いレベル相手の試合、アジアカップ、W杯アジア最終予選と分類。肉体は限りがある資源のようなもので、招集を見送る決断も必要になる。欧州組は欧州で日本サッカーを背負っているわけで、不要に消耗させてはならない。
異国で進化を遂げた選手の“成功の果実”を無理なく収穫できるように、代表も変わっていくフェーズに入った。