浅野拓磨に期待する“商業的価値以上の価値”…マジョルカの狙いと起用法を番記者が分析 | footcalcio

浅野拓磨に期待する“商業的価値以上の価値”…マジョルカの狙いと起用法を番記者が分析

浅野拓磨
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日本代表FW浅野拓磨の新天地は、マジョルカに決定。2年契約を締結し、新シーズンから初のラ・リーガ挑戦がスタートする。

これまで大久保嘉人氏、家長昭博(川崎フロンターレ)、そして久保建英(レアル・ソシエダ)がトップチームでプレーしてきたマジョルカ。ピッチ外でも日本企業と提携するなど日本と縁深い彼らだが、このスピードスターと契約した狙いはどこにあるのだろうか? マジョルカ出身であり、地方紙で番記者を務めるセバスティア・アドロベル氏が分析する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a27b65f35772df7c7bbebb96ce191d42e09af85

浅野を獲得した理由



マジョルカにとって、浅野拓磨の獲得はフットボールのためにも、日本との絆を深めるためにも必要なことだった。彼らと日本人選手の契約は、もはや伝統的なものになっている。マジョルカの本拠地ソン・モッシュでは、これまでに大久保嘉人、家長昭博、久保建英がプレーし、浅野が4人目の日本人となるのだから。

ただマジョルカ番記者の私が、浅野を獲得すると聞いて最初に感じたことは、商業的というよりもスポーツ的な意味合いだった。というのも、ジャゴバ・アラサテが新たに率いる今季のマジョルカは、サイドでチャンスを生み出せるスピードスターを求めていたのだ。ハビエル・アギーレが率いた昨季のチームは、ラ・リーガ1部残留を達成し、コパ・デル・レイでは決勝まで進出したものの、獣のように疾走する選手が明らかに欠けていた。

マジョルカの現陣容には、中央やサイドからDFラインを抜け出して深みを取れる選手がいなかった。昨季、攻撃を仕掛ける必要がある場合には、その欠点が何度も響くことになったのだ。アギーレは昨夏の市場で、速攻にも有用なそういった選手を求めずに島のサポーターから批判を浴びた。冬になってようやく、トリノからのレンタルでクロアチア人FWネマニャ・ラドニッチを獲得したものの、この補強は残念ながら期待外れに終わっている。

だからこそ、マジョルカの浅野獲得はスポーツ面においても納得できることだった。この新たな日本人は、チームのレベルを引き上げられる特徴を持っているのだから。

浅野は中央でもプレーできるが、私の予想ではサイド攻撃の鍵を握るのではないだろうか。現在、マジョルカが擁するウィングは、カンテラーノ(下部組織出身)の21歳FWハビ・ジャブレスのみ。クラブは今夏、さらなるウィングを獲得するのだろうが、浅野は重要な役割を請け負うと見ている。ドイツやセルビアでプレーしてきた経験を持つ彼は、日本から直接やって来るよりもスペイン・フットボールへの適応が早いはずだ。

ラ・リーガ1部復帰を果たして4シーズン目を迎えるマジョルカ。スポーツダイレクターのパブロ・オルテジャスはアギーレとの契約を延長することなく、オサスナで大きな成功をつかんだアラサテを新監督に招聘している。

日本にもゆかりがあるアギーレは、1部残留をはじめとしてクラブの目標を達成してきたものの、一部サポーターは監督交代を声高に叫び続けた。それは彼の実践するフットボールが退屈かつ見え透いていて、野心がないように感じられたためだった。後任を務めるバスク人アラサテは勇敢なフットボールを、ラ・リーガに新風を巻き起こしたハイプレス戦術(彼の率いるチームは相手陣地でプレーする時間が長い)をマジョルカに植え付けることが期待されており、浅野もそうした変化の一翼を担うことになる。

浅野の獲得は、ピッチ上の必要性に応じたものではある。が、マジョルカが日本市場を意識していないと言えば、それは嘘になってしまうだろう。アメリカ人アンディ・コールバーグがオーナーを務める同クラブにとって、日本へのアプローチは重要な戦略になり得る。実際的に、マジョルカのスポンサーには日本企業『タイカ』がおり、6月半ばにはアルフォンソ・ディアスCEOとDFアントニオ・ライージョ、FWアブドン・プラッツが東京を訪れて、いくつものイベントをこなした。マジョルカはその際、『タイカ』との仲介によって結んだ清水エスパルスとの業務提供も2年延長している(これまでにはFW郡司璃来、MF矢田龍之介、FW森重陽介がマジョルカBチームの練習に参加した)。

マジョルカは久保がいた頃、日本からの注目度という観点で最高の成功体験をした(ラ・リーガの関係者が「どのクラブも日本人選手を獲得すればいいのに」と漏らすほどだ)。そのために彼らは浅野の獲得を日本から注目され続けるためのきっかけにしたいとも考えている。

だがしかし、何よりも大切なのは“ジャガー”と呼ばれるこの日本人がピッチを駆け抜けることだ。クラブは浅野を獲得した際、「日本のスピードをマジョルカに」と題した声明を発表したが、私たちマジョルカ島の人間が望むのは、彼がその快速を生かしてチームに貢献することにほかならない。嬉しいこととはいえ、日本が注目してくれるかどうかは二の次だ。久保にしても私たちが期待したのは日本からの熱視線ではなく、彼のとびっきりの才能が爆発することだったのだから。

マジョルカはアラサテとともに新たな冒険に出る。浅野がそのあふれんばかりのスピードで、私たちを導くことを願ってやまない。

コメント

  1. 匿名 より:

    セットで大然も取ったら前線からのハイプレスがハマるんだろうけどなぁ

  2. 匿名 より:

    アギーレ切られてたんだ

  3. 匿名 より:

    ボーフムはジャパンマネーで潤ってたか?

  4. 匿名 より:

    動画にはワールドカップでのドイツ戦のゴールを入れてやってや。

  5. 匿名 より:

    足は速いけどサイドでチャンスを生み出せる選手ではないと思う
    やっぱ久保の代わり欲しがってんだな
    でもこれ違いますよ

  6. 匿名 より:

    浅野をサイドでってご冗談やろ

  7. 匿名 より:

    浅野のボーフムの試合もポジションもこの記事の内容もろくに読まずに久保の名前出されたからって反射的にコメントするのはどうかと思うね

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