
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf1ecc13dd0d2559815097784c6e30c266be8348
板倉選手は、本当にクレバーな感じで対処していた

その特殊能力が顕著に表れたのが、2―1で勝利した1次リーグ第3戦のスペイン戦。「前半20~30分から少しずつ前に行き始めて、(左MFの)ペドリが自陣に下がったら、シャドー(久保)に任せて、上がってきたら、板倉選手が付いていた。それで反対側は、(右MFの)ガビが高めにいたから、谷口選手がマークにと、だんだん整理できるようになった。中でも板倉選手は、本当にクレバーな感じで対処していた」
実際、日本は前半20~30分までスペインのパスワークに翻弄(ほんろう)されたが、徐々に反撃。その裏には、守備陣全体の整備、板倉の対応力の高さがあったという。「次のW杯は29歳で、一番脂が乗っている時期。今後はドイツ以外のリーグでプレーしても面白いかもしれない。そうやって後ろを統率するための経験も増えてくるから、彼にはリーダー的な役割も期待している」。冨安らとともに日本の守備陣をけん引する存在として大きな期待を寄せた。
続いて選出したのが、日本も苦杯をなめたPK戦で活躍した、クロアチア(リバコビッチ)とアルゼンチン(E・マルティネス)のGK。
「もちろん体が大きいのもあるけど、ボールのはじき方、到達スピードが2人は違う。止めたときの感じも、力強い。あれを見たら、次の人は絶対に蹴りづらい。“逆を取らないと入らないのかな?”とか考えて、キックがブレてくる。それで力強く蹴ると、上に外してしまう」
自身も日本代表などでFKはもちろん、PKのキッカーとしても活躍しただけに、「PK戦で止めたら、勝ちにダイレクトでつながる。PKを止めるGKはやっぱり凄い。守備陣との連係、ハイボールの処理とかいろいろあるけど、改めて特別なポジションだなって思った」と強調した。
そして最後に、俊輔氏は特別な選手を加えた。悲願のW杯初制覇に王手をかけた、アルゼンチンのメッシだ。まずはチーム全体の変化を指摘。かつては「メッシが特別なプレースタイルだから、守備面でほかの選手に負荷がかかる。だからボランチの数を増やしたり、ビッグクラブでやっているFWがベンチだったり影響があった」というが、今は「バランスがいい。ボールを持てるし、他の選手のレベルも高くなっている。一番メッシ仕様になっているアルゼンチン」と断言する。
さらに「今までは闘志があったとしても見えない、プレーが先に来るような選手だった。それが今は、外から見ていても気合が入っているのが分かる」とメッシ個人にも変化があったと指摘し、「ステップが細かすぎて、体重移動も早いし、股とかお尻の筋肉が凄いんだろうなって。彼は宇宙人みたいな存在。やっぱり凄い」と改めてその技術の高さに驚きを示した。
