柏レイソルの下部組織で育った中村は、U-12チームからトップチームまで順調に成長。日本代表にもU-15から名前を連ね続け、プロ5年目の2017年にはフル代表デビューも果たしている。
経歴が示すように、その能力は常に高く評価されてきた。2021年にはポルティモネンセに移籍。移籍後はなかなか出場機会に恵まれなかったが、今シーズンは序盤に出場機会を得ると、そのチャンスを活かして定位置を確保。活躍を続けている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fedd05ee37c4b244f289dc27f44798c616c86949
中村航輔のポルトガルリーグ第29節「ベストセーブ」
ポルトガルリーグ前節でも、日本人対決に臨んだ。元東京ヴェルディの藤本寛也が先発したジル・ビセンテと対決したのだ。
今回の日本人対決でも、中村が力量を示した。中でもポルトガルリーグの動画を扱う現地メディア『VSPORTS』が注目したのが、後半23分のシーンだ。
ペナルティエリア外から弾丸のようなミドルシュートが飛んだ。この一撃には強烈にポストを叩かれたものの、ゴールを割られずに済んだ。それでも次の瞬間、詰めていた相手選手が頭で押し込もうとしたのだが、体を投げ出していた中村がすぐに反応する。横っ飛びしたのと逆方向にヘディングを放たれたのだが、左手を思い切り振るって叩き落したのだ。
驚かされるのは、中村のボールへの執着心だ。空中へ体を投げ出している間も、地面に体を打ち付けても、どこへボールが動こうともプレーが切れるまでボールから目を離さないのだ。だからこそ、セーブの後もシュートを打たれたが、ボールがゴールを割ることはなかったのだろう。中村の執念が、ゴールを許さなかったかのようだ。
このシーンを取り上げた『VSPORTS』は「この日本人GKはまたも反応の良さを見せ、ポルティモネンセの勝利を確保した」とコメントしたが、実は中村の受賞は2節連続だ。第28節でも、目の前で合わされたFKを弾き出し、ベストセーブ賞に選ばれていた。