何やら、敵同士の2人が真剣な表情で言い合っていた。後半33分。浦和DFショルツがエリア内で湘南の日本代表FW町野修斗のドリブル侵入をスライディングで阻止した直後だ。「ボールを取った(チャージした)ということ。PKをアピールしてきたので、相手に触ってないのに良くないよと話したんだ」。試合後、両手を前に組んで丁寧に取材対応したデンマーク人助っ人は、少しほほえみながら明かしてくれた。
後半14分にはエリア内で縦パスを受けたFW瀬川祐輔から冷静にボールを奪い、同ロスタイムにもドリブル突破した町野を激しいスライディングタックルで止めた。攻撃陣が決定機を逃して無得点に終わった一方で、度重なるピンチをしのいでのドロー。その守備の中心にはセンターバック(CB)のショルツが君臨した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9e6ec3deec915c8edb740325fd0a59adf716827
冷静沈着な姿勢は、ベルギーやデンマークでプレーした時代から変わらない
この日の前半45分、相手に背後から倒されても一切イラつかず。その冷静沈着な姿勢は、ベルギーやデンマークでプレーした時代から変わらない。「キャリアを通じてレッドカードをもらったのは1回だけ。それもレフェリーのミスだったと思う。欧州時代にPKを与えたのは1回くらいの記憶しかない。DFとして相手にPKを与えることは一番やってはいけないからね」
危険な場面で警告を受けないための流儀がある。「ボックス内はあまりスライディングをしないことを心がけて、ボールを取りにいくよりブロックを作ることに集中している」。Jリーグ2年目を迎え「審判はカウンター攻撃を阻止する時にイエローカードを出す印象がある。欧州よりフィジカル的な部分や1対1の局面が少なくて、Jリーグのスタイルが自分にマッチしている」。最終ラインの“闘将”として、今季J1最少の28失点(29戦)を誇る堅守を支えている。
9月の4試合。最終ラインの選手では、負傷のDF酒井宏樹、コンディション不良だったGK西川周作、DF岩波拓也や大畑歩夢らの欠場が続いた中、ショルツは4戦連続フル出場している。持ち味は守備範囲の広さと対人プレー、ドリブルで持ち運んでの攻撃参加。英語が十分に通じない選手も多い中、出場機会が少ない若手らと「サッカー語」(ショルツ)でコミュニケーションを図り、最終ラインを統率し続けている。リカルド・ロドリゲス監督も「ビルドアップもしっかり行い、球際でもしっかり勝つ。Jリーグでも最高レベルの選手」と信頼は厚い。
今季の出場はリーグ27試合、2325分はともにチームのフィールド選手で最多。負傷などで欠場した2試合を除いてピッチに立っている鉄人だ。試合後は着圧ソックスを愛用し、ふくらはぎに圧力をかけて脚の疲労回復を徹底。「僕は週2試合のペースを好んでいる」と“連戦上等”の体力を誇る。私生活では納豆など日本食を好み、太宰治や夏目漱石ら日本の文豪の英訳作品を読むのが趣味の29歳。今季開幕前には「もう90%は日本人です」と豪語するほど、ピッチ内外で日本の環境にフィットしている。
次戦はルヴァン杯準決勝(21日・ヨドコウ、25日・埼玉)で、今季リーグ2連敗のC大阪と対決。堅いブロックを敷きながら少ないチャンスを確実に得点につなげる難敵を抑えるカギは、クリーンかつ強固な守備を誇るショルツが握るとみる。浦和はリーグ2戦連続無得点で、サポーターから厳しいブーイングの連続。「僕たちに大きな期待を寄せている証」と責任の重みをかみしめる助っ人が、タイトル奪取へフル稼働する。
コメント
ショルツと酒井、西川の守備陣3人はアジア最高峰で、欧州の中堅リーグのクラブにも劣らないと思う
たまに見せる爆走ドリブルほんとすき
かっけー
まず足元の技術と判断力がエグすぎる
全ての面で吉田麻也を上回ってるし、プレミアリーグの中堅とかでも試合出れそう
これでビルドアップやPKの精度も高いからな。
間違いなくベストイレブン候補
デンマークってのは人格者を輩出する国なのか?
02WCのときに礼儀正しさで滞在地の住民から人気だったよね
CBでカード貰わないなんてすごくね?
ええの獲ったわ!
ショルツは良いセンターバックだけど、マリノスにいたチアゴ・マルチンスの方が絶対実力は上だわ