3度の監督交代、練習中にけんか、2部降格…激動の欧州挑戦1年目 安部柊斗「日本では絶対に考えられない」経験を糧に新シーズンへ

海外日本人選手
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小平グラウンドには懐かしい顔があった。昨夏にFC東京からベルギー1部のモレンベークへと渡ったMF安部柊斗(26)が、欧州挑戦2年目に向け、連日自主トレでピッチを走っていた。

元チームメート、スタッフと旧交を温めた安部と久しぶりに膝を突き合わせた。「向こうはどうだった?」と土産話に耳を傾けると、第一声は「難しかったというのが一番の感想かな」と言った。日本を離れてわずか1年しかたっていないが、少し精悍(せいかん)さが増したように思えた。

それもそうだろう。ベルギーに到着してわずか1週間から、ジェットコースターのような日々が幕を明けたという。

 「僕を呼んでくれた監督が到着して1週間で代わった。違う監督が就任したけど、その監督からすれば『何で日本人がここにいるの?』ぐらいの感覚だったと思う」

https://news.yahoo.co.jp/articles/d5004557fd2ba85de92903d9c0a20d7be3d1112d

2年目の欧州挑戦に向け小平グラウンドで自主トレを行ったMF安部



開幕後にも、2度の監督交代を経験。当然そんなチームの状況はいいわけがない。安部は苦笑いで振り返る。

「期限付き移籍で加入している選手が多く、毎回練習中に文句を言ってけんかも絶えなかった。選手が練習途中に帰るなんてことも日常茶飯事で起こっていた。全然いい練習はできなかった」

しかし、安部は「何にも代え難い経験ができたと思う」と前向きに捉えて笑い飛ばした。

「それが自分の選んだ道なので。そういうこともいい経験なのかなと感じていた。日本では絶対に考えられない。海外の選手たちの考え方だったり、どうサッカーと向き合っているのかを感じられて面白かった」

心折れてもおかしくないなかで、「言葉は良くないけど、本当に底を見た。どんな場所に行っても、そこが最高だと感じられると思う。必ずこの経験が生きると一人で頑張った」。チームは降格の憂き目にあうも、リーグ28試合1得点1アシストでシーズンを終えた。

つかの間の休息を終え、まもなく再び海を渡る。「結果には全然満足できない。もっと皆さんにいい報告を届けられるようにしないといけない。このままじゃ日本に帰ることができない。胸張って帰られるぐらいの結果を出していきたい」。1年前の希望に満ちた旅立ちとも違う。だが、安部は「不安は全くない。楽しみの方が大きい」と、腹が据わっていた。

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