
チームは今季、2戦連続の引き分けからスタートした。キャンプから取り組んできた主導権を握るサッカーについて、布部GMは「内容的に、やろうとしていたことは出ていた」と振り返る。
しかし、ネルシーニョ監督は引き分けを良しとせず、あるいは「いい内容」を良しとせず、早急な結果を求めた。
「横に揺さぶるようなサッカーから、縦に速くという形で練習の戦術、選手に対する要求に変化があった。そこからなかなか勝てなくなった」。チームはここから福岡、名古屋、広島、浦和とリーグ戦4連敗を喫した。
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監督と向き合って話をした。そこで、お互いに、ここで終わりにしようと

「『耳の痛い話になりますけど』という話はしました。監督が見えていないところは自分の仕事でもありましたし、(選手が)縮こまっているというか、そういうのを監督にタイミングをみて話をした時はありました。監督は本当に努力してくれて、これまで培ってきたミーティングのやり方、練習方法も監督なりに変化をもたせて取り組んでいるのを見てきました」
4月9日には鹿島に1―0で勝利。その後は鳥栖に引き分け、C大阪に敗戦、京都に引き分け、湘南に勝利、新潟に引き分け。改善したアプローチが、勝利につながった点もあった。「監督がチームにもたらしたものはあった」と布部GMは監督の修正力を評価した。
しかし結果こそ上向いたものの、チームを勢いづかせる連勝は一度もなかった。そして、ホームで最下位の横浜FCに0―1で敗れたことにより、決断の時が来た。シュート20本以上を放つなど、この試合も「内容」は悪くなかった。しかし、布部GMは「結果」に目を向けた。
「シュート数もたくさん打ちながらゴールネットを揺らせなかったところで、監督と向き合って話をした。そこで、お互いに、ここで終わりにしようと。双方合意という形になりました」
井原新監督は「ハツラツしたプレーというか、選手にアグレッシブに思い切ったプレーをさせることで、チームは必ずよくなる」と見据え、「守備の強度や勝負にこだわる気持ちの部分だったりとか、ネルシーニョ監督が残してくれたいい部分は継承して戦う」と意気込みを語った。
昨季途中以降、戦術だったり、姿勢の部分だったり、チームとネルシーニョ監督は残念ながら様々なところで噛み合わなかった。
監督だけでなく、選手、コーチ陣、強化部、それぞれに「もっとできたこと」はあっただろう。
それでも、監督交代という決断を下した以上、これを浮上のキッカケとするしかない。この決断を「正解」とすべく、井原新体制で再建を目指す。
