中村憲剛氏、久保建英が生んだ「強いチーム」の勝ち方 右へ左へ堅守のチュニジア崩した立ち位置 | footcalcio

中村憲剛氏、久保建英が生んだ「強いチーム」の勝ち方 右へ左へ堅守のチュニジア崩した立ち位置

久保建英

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◆国際親善試合 日本2―0チュニジア(17日・ノエスタ)

元日本代表MFの中村憲剛氏(42)が日本代表のチュニジア戦を総括。MF久保建英(22)=Rソシエダード=が見せた動きを通し、強い勝ち方をしたと論じた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e4b925ac56704663415748310a37dc43490bd9d9

チュニジア戦で勝利に貢献した久保

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「強いチーム」の戦い方だ。5バックで前からボールを奪いに来ないチュニジアに対し、90分の中でどう勝ち切るか。攻守で相手を見ながら試合を進めているように見えた。その姿勢の一つが久保の動きだ。序盤は右サイドでプレーする時間が長かったが、左に移ると、旗手と守田の関係性に依存していた左サイドが回り始めた。

久保が間で受けることで、旗手が幅を取り、そこに中山が絡む。右サイドの伊東が中でプレーする機会が増え、空いた外側を菅原が使う。久保が左右に顔を出すことでユニットとしてそれぞれの良さが出た。実際に2点目は左サイドを崩し、伊東が決めたもの。うまくいっていないのならば攻める方法を変える。その攻めに相手が慣れてきたら、場所を変え、攻め筋を変える。相手の嫌なことが何かを感じて動ける選手は、多ければ多いほど良い。

大人11人がしっかり守る相手を崩すのは、カテゴリーが違っても本当に難しい作業である。大事になるのが、いかに受け手が危険な場所に立ち、当たり前のように出し手がパスをつけられるか。常に得点を狙うプレーは迫力ある重いジャブになる。冨安、板倉は相手の逆を突くパスを出し、持ち運ぶことでパスコースを生み出すこともできる。相手からすれば丹念に弱点を探られ続け、空いた穴を突かれた形だ。

前の立ち位置が決まると、後ろもパスもつけやすくなる。正確なプレーをすることでカウンターを受けるリスクが減り、前線の選手はより高い位置でプレーできる。ボールを失えば前線の即時奪回、守備範囲の広い中盤のフィルター、予測の速い最終ラインのカバーリングと「3層の網」で奪い返した。押し込む展開を実現させた背景には全選手の献身性による守備の貢献がある。

カナダ、チュニジアと決して弱い相手ではなかった。その相手を自分たちの土俵でひたすら押して勝ちきった。すごいものを見せられたなと思う。これから始まるアジアの戦いは難しく、苦戦するかもしれないが、どう勝ち上がるかを楽しみにしたい。

11月にはFIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選が予定されており、日本代表は2試合を消化予定だ。
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