全試合フル出場、欧州カップ戦でも躍動する渡辺剛はベルギーリーグ屈指のCBへと進化を遂げた

海外日本人選手

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3バックの中心として昨シーズンのコルトレイクの1部残留に貢献した渡辺剛は、クラブの年間最優秀選手に輝き、祝福されてヘントへのステップアップを果たした。ヘントの名将ハイン・ファンハーゼブルック監督は「最初にオファーを出したいのは君だ。DFリーダーになってもらいたい」と口説いたという。その期待に早くも応えた渡辺は8月のクラブ月間MVPに選出された。

3-1で快勝した10月29日のスタンダール戦、3バックの中央を任された渡辺は確かにDFリーダーだった。敵のロングボール、クロス、セットプレーをヘッドで跳ね返し、ハイラインの背後に生まれる広大なスペースも余裕を持ってカバーした。左右のCBジョーダン・トルナリガ、イスマエル・カンドゥスに声と身振りで細やかに指示を与え、苦しい時間帯にはチーム全体を鼓舞した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/67b2dc657f5fce994c94ae26b4e174a6b282c0cd

新天地ヘントでも守備陣の中軸を担う渡辺。日進月歩の成長を続けている

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こまめな仕草で敵のCFを視野に入れ、味方の陣形に気を配る。渡辺の頭・首・背中・肩・腕・腰・足には危険を察知するセンサーが組み込まれている。スタンダール戦ではCFカンガのマークを外して、逆サイドのハーフスペースに侵入してきた俊敏アタッカー、ソワーをタックルで止め切った。

「ベルギーでは一瞬のスキで決められてしまう。日本よりレベルが高いし、決定的な仕事をする選手が多いなかで、ああいう一瞬の判断を間違えない。そこがいま、自分が試合に出られている要因のひとつかなと思います」

しかもタフ。渡辺は昨シーズン、フィールドプレーヤーとしてただひとり、リーグ戦34試合・3060分間フル出場した選手として名を馳せた。カップ戦2試合を含めると、36試合でプレーした。しかし、今シーズンの渡辺はシーズン前半戦というのに、すでに公式戦21試合(リーグ戦12試合、UEFAカンファレンスリーグ9試合)にフル出場し続けている。週一度のペースでプレーしていたコルトレイク時代と比べ、現在の渡辺は木曜日の国際試合を挟みながら、ハイレベルなプレーを持続している。

「木曜日・日曜日・木曜日・日曜日――のペースで21試合やりました。全部フル、出ています。もう替えられる雰囲気がないです。毎回、試合のたびに誰かが休まないとチームが回らないんですが、俺は『お前、疲れているか?』とか訊かれたこともない。いや、シーズン最初の試合が終わって、次の試合の時に『お前、疲れている?』って訊かれたんです。そこで『ぜんぜん大丈夫です』と答えてから、もう一回も訊かれずにずっとスタメンのままです」

カンファレンスリーグの予選ではポーランド、キプロスに遠征し、グループステージではウクライナ、イスラエル、アイスランドのチームと同組になった。

「そのときのキプロスは治安が良くなく危険で、外にも出られませんでした。今回、イスラエルでの試合はとりあえず延期になった。次(11月9日)はアイスランドにも行かないといけない。めちゃくちゃ寒いらしいですね。ポーランドにも行ったし(ポゴン・シュチェニン戦に加え、ウクライナのルハンシクとの代替開催を含む)、いろんなところに行きました。タフですね。カンファレンスリーグをアウェーでやって、中2日でベルギーリーグをやりながらフル出場し、それでも怪我なくやれているのは自分の強さのひとつだと思います」

ベルギーのサッカートークショー『エキストラ・タイム』で、往年の名プレーヤー、フランキー・ファン・デル・エルスト氏が「渡辺のヘント移籍は、この夏最高の移籍だった」と語ったほど、26歳のCBは充実の時を過ごしている。ワールドカップ予選はその国のサッカー界を挙げての総力戦。日本代表のラージグループに渡辺の名があるのは間違いない。

「(代表に)選ばれたいという気持ちは強い。選ぶのは代表スタッフ。自分ができることはまずチームで結果を出すこと。ヘントは上位にいる(リーグ戦3位)し、カンファレンスリーグもグループステージを突破できそう。そうなると強い相手と対戦できます。自分で結果を掴んで、それがアピールになれば、おのずと(代表選出という)結果がついてくると思います」

コルトレイクで“最後の局面で相手を止める”ことを武器とし、ヘントへの移籍を掴み取った渡辺は危機察知能力を研ぎ澄ませてベルギーリーグ屈指のCBになった。カンファレンスリーグのトーナメント戦、ベルギーリーグのプレーオフ1に進出すれば、さらにレベルの高い舞台で戦うことになり、彼の成長にブーストがかかる。このシナリオの過程で、2019年12月の対香港戦以来となる朗報が訪れてもおかしくはない。

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11月にはFIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選が予定されており、日本代表は2試合を消化予定だ。

コメント

  1. 名無し より:

    11月は板倉呼べなそうだし、呼んでみるといいと思う

  2. 名無し より:

    ちゃんと欧州でやれるCBの排出が続いてるのはマジでいいこと

  3. 名無し より:

    Jでもそこまで突出してたわけではなかったDFがヨーロッパのそこそこの名門で活躍できてるのはいい兆候だな

  4. 名無し より:

    質の高い選手が次々目が出るのは良いこと
    渡辺は26で板倉と同い年らしいから現世代の層が厚くなる感じかもう一つ下の久保世代から菅原みたいに長いことA代表に絡めそうな選手出て来んかなあ
    菅原AZが好調エメリアストンヴィラにボコボコにされてたからプレミアまでは遠そうだが上目指せる

  5. 名無し より:

    監督からこんな熱い誘い文句をもらったら嬉しいだろうな

  6. 名無し より:

    32歳でカタールの谷口よりはベルギーNo.1CBの渡辺呼ぶべきだわな

  7. 名無し より:

    とりあえずブンデスにステップアップか?

  8. 名無し より:

    ベルギー中~上位クラブのレギュラーだとJ1の主力より給料は良いのかな?

  9. 名無し より:

    ライバル韓国のミンジェはワールドクラスのCBとして
    バロンドールすら射程圏に収めたというのに
    我らが日本のCBはベルギーリーグで四苦八苦か・・・
    しかし日本人としては甘んじるしかない。
    まずはベルギーリーグの敢闘賞でもとってもらいたいものだ。

  10. 名無し より:

    谷口より出来るでしょ
    次のW杯には谷口は居なそうなんだから
    渡辺を呼んでくほうが良い

  11. 名無し より:

    渡辺はちゃんとキャリアアップしてるね
    瀬古はチーム選び間違えたかなー

  12. 名無し より:

    谷口も普通に戦力になる。
    町田をCBで使うなら渡辺のほうがいい。

  13. 名無し より:

    >>1
    今の連続フル出場考えるとコンディション的に難しいところだね。見てみたい気持ちはずっとあるけど。シリア戦はサウジだっけ?そこだけ合流とか出来るならありだと思うけど、北朝鮮まで移動はどうだろう。でもぶっつけアジアカップって訳にもいかないしな。

  14. 名無し より:

    >>9
    いや国籍透けてみえんぞw

  15. 名無し より:

    >>9
    これは反応したほうが喜ぶやつか?w

  16. 名無し より:

    >>9
    そういうのがやりたければサカラボでやってろ

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