プレミアリーグへの階段となるか イングランド2部に日本人選手が8人と急増した理由

海外日本人選手プレミア
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世界最高峰のイングランド・プレミアリーグでは、現在5人の日本人選手がプレーしている。昨シーズンも活躍したアーセナルの冨安健洋、ブライトンの三笘薫、リバプールの遠藤航、そして今シーズンからクリスタル・パレスに鎌田大地が、サウサンプトンに菅原由勢が新たに加わり、日本国内における注目度はこれまで以上に上昇中だ。

一方、イングランド2部リーグに相当するEFLチャンピオンシップでは、それを上回る数の日本人選手がプレーしている。

プレミアリーグから降格したルートン・タウンの橋岡大樹、コベントリー・シティの坂元達裕、ベルギーのコルトレイクからローンバックしたカーディフ・シティの角田涼太朗、ベルギーのロンメルからクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)にローン加入した斉藤光毅(昨シーズンはローン先のスパルタ・ロッテルダムでプレー)、ドイツ2部デュッセルドルフからリーズ・ユナイテッドに加入した田中碧、そしてJクラブからは大橋祐紀(サンフレッチェ広島→ブラックバーン・ローバーズ)、平河悠(FC町田ゼルビア→ブリストル・シティ)、瀬古樹(川崎フロンターレ→ストーク・シティ)の3人が新たに参戦し、実に8人を数える。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a3c769d216ed2a4adab032836cde418f26663c0

条件緩和によりチャンピオンシップのクラブはESCプレーヤーを最大4選手と契約可能に


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昨シーズンにチャンピオンシップでプレーした日本人は、前述の坂元、バーミンガム・シティの三好康児(現ボーフム)、ハダースフィールド・タウンの中山雄太(現町田)の3人だったので、一気に5人も増えたことになる。

こうした背景には、昨年6月にFA(イングランド協会)がイングランドでプレーするための条件を一部緩和したことがあると言えるだろう。

イングランドでプレーするためには労働許可証を取得する必要がある。その基準を満たすためにはA代表や国内リーグ戦の出場試合の割合をはじめ、クラブでの大陸選手権の出場時間、所属クラブのリーグ戦や大陸選手権の成績、あるいは所属するリーグのレベル(Jリーグは昨シーズンから最下位の6番目のランクから5番目のランクにアップ)といった複数項目で必要なポイント数を満たす必要がある。

ただ、今回の条件緩和により、必要なポイント数を満たしていない選手についても、ESC (Elite Significant Contribution)プレーヤーという特別枠が新たに設けられ、プレミアリーグとチャンピオンシップのクラブはESCプレーヤーを最大4選手、リーグ1(3部相当)とリーグ2(4部相当)では最大2選手と契約することが可能になった(クラブによって枠数は異なる)。

また、とりわけチャンピオンシップ以下のクラブでは「選手を安く買って高く売る」ことで経営を安定化させたいという意識が強い。このため、他のヨーロッパ各国リーグ同様、優秀な選手が安価で手に入る日本のマーケットに注目しているという背景があり、日本選手獲得の勢いに拍車をかけている。

いずれにしても、海外でステップアップを目指す日本人選手にとっては新しい門戸が開かれたわけで、そのためのチャンスが拡大したことは間違いない。

さらに言えば、チャンピオンシップというリーグが、ひと昔前と比べて日本人選手がプレーしやすいリーグに変化していることも、好材料のひとつと言える。

ひと昔前のイングランド2部リーグと言えば、古きよきイングランドスタイルのサッカーが主流で、フィジカルではなくテクニックに強みを持つタイプが多い日本人選手にとっては、他のリーグよりも少しハードルが高かった。逆にクラブ側から見ると、日本人選手はそれほど魅力的には映らなかった。

しかし、近年はチャンピオンシップでも国際化が進行。たとえば各クラブの監督だけを見ても、リーズはドイツのダニエル・ファルケ、サンダーランドはフランスのレジス・ル・ブリ、ノリッジはデンマークのヨハネス・トールップ、ハル・シティはドイツのティム・ヴァルター、ウェスト・ブロムはスペインのカルロス・コルベラン、カーディフはトルコのエロル・ブルト、QPRはスペインのマルティ・シフエンテス、シェフィールド・ウェンズデイはドイツのダニー・レールと、24チーム中8チームで外国人監督が指揮を執っている。

多数を占めるイングランド人監督も、最先端のサッカーを標榜するモダンなタイプの指導者が多く、各クラブの所属選手も、英国やアイルランド以外の外国籍選手が増加中だ。プレミアリーグには及ばないにしても、総合的にチャンピオンシップのサッカーそのものが大きく変化を遂げている。

当然ながら、いかにフィットできるかは各選手の能力次第になるが、今夏の移籍マーケットでもプレミアリーグに最も多くの選手を送り込んだチャンピオンシップは、日本人選手にとってステップアップの道が大きく広がっている注目のリーグになりつつあると見ていいだろう。

はたして、今シーズンのチャンピオンシップでプレーする日本人選手のなかで、来夏にプレミアリーグにキャリアアップする選手は現われるのか。あるいは、今夏の三好のように、チャンピオンシップからドイツのブンデスリーガなどに移籍するケースも十分に考えられるだろう。
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彼らの活躍は、今後、イングランドでプレーする日本人選手の人数にも大きな影響を与えるはず。そういう意味でも、今シーズンはチャンピオンシップでプレーする日本人選手のプレーにも注目したい。

コメント

  1. 匿名 より:

    上位3クラブに入ればプレミアに行けるし、育成型のチームが多いから活躍すればすぐさま上位のクラブに売り込んでくれる。
    下手にセルティックとか行くよりプレミア目指すなら、こっちの方がずっと条件が良い。

  2. 匿名 より:

    だってコスパがいいんだもの

  3. 匿名 より:

    斉藤光毅だけ謎だよな
    絶対にもっといいとこからオファー一杯あっただろうになんでQPR?
    昇格争いに絡めるかも微妙なチームだぞ…

    • 匿名 より:

      斉藤はロンメルSKというベルギー2部に所有権があるから、そこも斉藤を高値で売りたいから買い手を探してるんだよ
      ただし、クラブが彼を売り出すのがいつなのかは不明なのよ
      だってOPRへのレンタル移籍は1シーズンだけだから
      所属クラブが格上のクラブにレンタルへ出してる意味不明な状況で、今はプレゼンテーションの期間なのかもね
      ロンメルSKはこういう特殊なやり方でどこまで価値を上げられるか楽しんでるんじゃね?

  4. 匿名 より:

    ロンメルは、Mシティーの資金を稼ぐための、トンネル会社だろ。

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