「めちゃめちゃ悔しいですけど…」3戦連続“終盤投入”の田中碧が語った本音。監督もメディアもファンも評価しているのになぜ出場時間が少ないのか

田中碧
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今夏の移籍期限最終日の8月30日にイングランド2部のリーズ・ユナイテッドへ滑り込みで加入した田中碧。日本を代表するプレーメーカーがフットボールの母国でどこまで実力を披露できるのかに注目が集まるが、移籍から3週間経過した現時点では途中出場での起用が続いており、まだ真価を発揮しきれてはいない。

直近に行われた敵地でのカーディフ戦も同様だった。試合終了間際にピッチに送り込まれると、与えられたゲームタイムはアディショナルタイムの8分間のみ。2点リードした場面での起用は、一般的には時間稼ぎのための交代と見られるが、そんな状況でも田中は十分な存在感を見せつけた。

チームメイトたちが移籍して間もない背番号22にボールを集めると、それを丁寧に、そして上手にさばいて時計の針を進ませて勝利に貢献した。カーディフシティスタジアムを訪れた多くのアウェーサポーターから「タナカ」チャントが起こったが、彼らがこの26歳を評価しているのは一目瞭然だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7b8bf4e1695f5077746f925930d5290207bbe094

「試合を見ていてフラストレーションが溜まらないか?」と質問すると…


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試合終了後、取材に応じた田中は短い出場時間でのプレーを「まあゲーム終わらせろみたいな感じで言われて入ったんで。相手にボールを渡すことなく、シュートを打たせることなく終わらせられたんでよかったかなと思います」と淡々と振り返った。

下位に低迷し、開幕からの5試合で1ゴールしか取っていないカーディフとの対戦。それだけに試合前のリーズファンの多くは、現チームに所属するミッドフィールダーの中で数少ない試合の組み立てができ、攻撃的に振る舞えるタイプの田中の初先発を期待していた。

それは地元紙『ヨークシャーイブニングポスト』でサッカー部門主筆としてリーズの番記者を務めるグラハム・スミス氏も同様で、同紙主催のポッドキャスト『インサイド・エランドロード』では次のように話していた。

「今のカーディフは苦しい状況にある。だがそれでも後方から組み立てようとするし、“パーク・ザ・バス(自陣ゴール前に多くの選手を配置して守備を徹底する戦術)”はしない。だから失点も多く、さらに決定力もないから得点はここまで1点のみ。そんな相手に守備的な6番は2人も要らないのだから、絶対にタナカを起用すべきだ。攻撃面でも頼りになる8番タイプの彼をね」

しかし蓋を開けてみれば、慎重派で知られるダニエル・ファルケ監督が先発に選んだ中盤センターのペアはイーサン・アンパドゥとイリア・グルエフだった。今季の全試合でスタメンを張っているコンビだが、まさにスミス記者の言う“守備的な6番”が2人並んだ形となった。

加えて残念だったのが、24分にカーディフが退場者を出してからの展開である。数的優位に立ってまもなく先制点を奪うことに成功したリーズだったが、その後は決定機を作り出せない状況が続く。中でもグルエフは横や後ろへのセーフティーなパスばかりが目立ち、攻撃的な意識をまるで感じさせないプレーを繰り返した。このブルガリア代表がパスを出すたびに、一部のファンからブーイングが起こったほどである。

無論、日本代表やデュッセルドルフ時代のプレーを知っていれば「田中を起用してほしい…」と考えてもなんら不思議はない。これらのファンは、リーズに来る前のプレースタイルを知っていたのではないだろうか。

そこで本人にも、「試合を見ていてフラストレーションが溜まったのではないか?退場者が出た後の6番の2人では物足りなさがあり、逆に田中選手が出ればより好機をつくれたのではないか?」という質問をぶつけてみた。

すると「そうですね。その自信はある」と即答し、こう続けた。「でも(出場チャンスが)来た時にやるっていうだけ。試合に出る出ないは監督が決めるんで。別に出られなかったら出られないで仕方ないし。出た時に、じゃあ僕を使おうと思ってくれるようなプレーをすればいいかなと思います」

至極当然の回答だった。チームに合流してからまだまもなく、さらにインターナショナルウィークも重なった。そのため「今週(注:先週のこと)初めて一週間チームメイトと練習できた」ばかりである。

「自分がスタメンだったり、長い時間プレーするときにやれればできる自信もあるし、その練習の中でのフィーリングも、別になんかこう、自分ができないとかではない。そのあたりの時に、そこで自分がどれだけできるかっていうだけかなと思います」

さらにいえば、田中のストロングポイントはあくまでアンパドゥやグルエフとは違う。当然、ファルケ監督から求められているプレーもこの2人と大きく異なる。

「自分が出た時に自分の良さを出せればいいかなというか。試合を見てても、少し後ろに重いなとか、今日とかは(相手が退場者を出して)10人になって押し込んではいたが、後ろに重いなとかも。自分があったら行動できるなっていうのは考えながら見てるんで、それを出た時にやれればいいかなと。それまでは練習するしかないんで、そこまでちゃんと準備できればいいかなっていう感じです」

現在置かれている立場を分析しながら、余裕を持って、冷静に自身の考えを語った。

試合中には、前出のスミス記者と記者席で隣り合わせとなったため、話をすることができた。その際に田中のスタメン定着の可能性を聞いてみると、リーズファンでもある彼は私見を聞かせてくれた。

「ファルケ監督はタナカを非常に買っている。実際に12か月前にも獲得に動いていたしね。その際には獲得までこじつけられず、満を持して今夏の加入となったわけだが、ファルケはとても慎重なタイプなんだ。将来的にアオを重用するのは確実だろうが、時間はかかるはずだ。辛抱強く待たなければならないだろう」

トランスファーデッドライン間際のバタバタの中での移籍となり、田中がイングランド北部の街にやってきてからまだ1か月も経過していない。それでも、この試合でのわずか8分のプレーから、サポーターが田中に大きな期待を寄せているのは分かった。

渦中の本人は「イギリスの英語はちょっと難しい」と苦笑いする一方で、すでに新しい環境には慣れつつある。あとはピッチの上で力を出すばかり。

「サッカーができれば別にストレスはあんまりない。もちろん練習しないで試合に出て、代表から帰ってきても練習しないで試合に出て。で、やっと1週間やることができた。1週間のリズムとか、どういう練習するのかが初めて、ちゃんと練習したんで。ここからかなっていう、もちろん(プレー時間が短くて)めちゃめちゃ悔しいですけど、でも、出た時にやればいいかなって感じですね」
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明るい表情で取材に応じ、最後には「頑張ります!」とスタジアムを去った田中。名門クラブのプレミアリーグ復帰に向けて、自身の挑戦はまだ始まったばかりである。まずは次節。28日の坂元達裕のいるコベントリーとの日本選手対決で躍動したい。

コメント

  1. 匿名 より:

    3バックだと田中碧はさすがに守備こえーよ

  2. 匿名 より:

    トップ下かなー。なんならFWで勝負してもいいのでは。ゴール前でのポジショニングのうまさはそこら辺のFWより上。性格もFW向き。富安がサイドバックやって菅原がウイングやってるくらいだから田中がFWやってもいい。

  3. 匿名 より:

    田中は攻撃力はあるがそれ以外があまりに不安定であれじゃ信頼されないよなぁ

  4. 匿名 より:

    おまえらってほんとサッカー見る目ないし本文読む気もないのに、見て見て聞いてーおれはこう思うんだーって自分の話をする為だけに記事開くのすごいよほんと

  5. 匿名 より:

    ドイツスペインに先発して勝った

  6. 匿名 より:

    未だにトップ下とか言ってる人ってあほなの

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