「アルテタ監督の練習は毎日が試験です」冨安健洋24歳が明かす、“首位アーセナルの雰囲気”「プレミアのアタッカーでイヤだったのは…」

冨安健洋

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英プレミアリーグで首位を走るアーセナル。リーグ戦20試合を終えた時点で、途中出場も含めて16試合に出場している冨安健洋(24歳)。ミケル・アルテタ監督からの信頼も厚い冨安がNumberの独占インタビューに応じた。

「プレミアというよりも、アーセナルでやれていることの方が意味があると僕は思っているんです」

1月のとある午後、プレミアリーグについて話をしているときに冨安健洋はそんなことを口にした。

プレミアは2023年現在、巨額の資金が集まり、世界で最も多くのタレントを有しているリーグだ。世界中の多くの選手が、いつかは身を置いてみたいと願う舞台だろう。しかし冨安にとって、プレミアにいることはすでに日常になっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/90c9500a926b2d1b498bc0a72d19c3ffa9bf9ccc

「(アーセナルでは)毎日試験を受ける感覚です」

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そこに属することではなく、そこで何を得て、吸収するのか――。その点でアーセナルは絶好の環境だという。

「なによりもアルテタ監督のサッカーですね。彼の練習では毎日かなり高いレベルのパフォーマンスを求められます。当然ながら、周りのチームメイトの質やレベルも非常に高い。プレミアは世界一のリーグと言われますが、それは間違いないと思います。でもそれだけじゃなく、それにプラスしてアーセナルでサッカーをできているということが、よりここにいる意味があると僕は考えています。毎日試される、試験を受ける感覚ですね。レベルの高いところでやれているなと」

アーセナルの練習は当然のように非公開だ。実際にアルテタの練習を見ることはできない。このバスク人の頭にはどんな絵が描かれているのか。アルテタはサッカーにおける全体像と構造を把握している、と冨安は説明する。

「なぜこの練習をするのか。アルテタ監督はその答えを明確に持っているんです。全てに細かくて、それを選手に伝えて、実行させることができる。サッカーの全体像と構造。それを知っているからこそ、何が必要で何を練習しなければならないという逆算が明確にできている。彼の頭の中にはゴールまでの道筋があるんです。『相手がこうしてきたら、ここが空く』、『だからここにボールを集めて、次はこう展開していく』という風にゴールまでの明確な答えがある。明確な答えがないと逆算はできない。そこがはっきりしているからこそ、選手が監督にここはどうしたらいいのかと訊くときに、はっきりと答えが出てくる」

そこに曖昧さはないという。何かを尋ねれば、数式に答えるかのように指揮官の口から明快な答えが返ってくる。たとえそれが遠回りだったとしても、選手にゴールまでの道を教える。選手としては、当然やることは明確になる。

日本や欧州で多くの監督やコーチと接してきた冨安だが、これほど明確にゴールから逆算してやるべきことを提示できる指導者には出会ったことはなかった。

プレミアで首位を走るアーセナルの中で、今季の冨安のポジションは左サイドバックと右サイドバックとなっている。当然、左サイドと右サイドでは彼の役割や立ち位置は変わってくる。

「ワールドカップ前は(オレクサンドル・)ジンチェンコの怪我もあって、リーグ戦では左サイドバック、ヨーロッパリーグでは右サイドバックでやっていました。やることは同じではなくて、左サイドと右サイドでは役割が変わる。特にボールを持っているとき、ビルドアップのときには立ち位置が変わる。左サイドのときはジンチェンコのようにボランチの位置に入って、3プラス2の状況を作ることです。ただ監督は試合中にはああしろ、こうしろと常々細かく言うわけじゃない。チームの全体像としてやるべき形があって、その中のピースのひとつとして、左サイドバックだったらやるべき形があるという。アルテタ監督と最初に出会ったときには衝撃を受けましたね。これはちょっとすごい監督だなと。ピッチ上はもちろん、ピッチ外でも怪我で苦しんでいる時にアドバイスをしてくれたりした。他の選手に対しての対応を見ていても、マネージメントも上手だなと思います」

右サイドで、左サイドで、毎週のように多くの名手と対峙してきた。リバプールのモハメド・サラーに、今季のヨーロッパリーグではPSVのコーディー・ガクポ(現リバプール)と向き合った。ニューカッスルのアラン・サン・マクシマンや、リバプールのディオゴ・ジョタとのマッチアップでは「うまくやられたな」と感じることもあった。

プレミアのアタッカーの話をしている最中に名前があがったのが、ブライトンの三笘薫だ。

「プレミアにはいろんな選手がいる中で、薫くんとも対戦したけど、やっぱり嫌な相手だなと思いましたね。常にアクションをおこしてきましたし、ブライトンの戦術も薫くんをより活かすものだと思いました。以前のカップ戦で1点やられていましたし、その時点でアーセナルのチームメイトやコーチングスタッフたちは皆、『あいつはいい選手だな』と言っていたんです。実際にアーセナルと2回対戦して2点とっていますし、イングランドの中でも認められているんだと思います」

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次回に続く

コメント

  1. 名無し より:

    冨安は、将来いい監督になりそう

  2. 名無し より:

    アルテタは奥さんもインテリだしな
    てかシメオネとかデシャンみたいな熱血タイプも実は緻密に頭ひねって戦術や練習考えてるやろな
    日本人もものづくりで発揮した優秀な頭をサッカーに活かしてくれよ、、
    いつまでリフティングやらすんや

  3. 名無し より:

    >>2
    リフティングってガチで意味ないよな
    「暇つぶしにやってたら上達してたわw」くらいでいい
    練習に組み込むもんじゃないわ
    デストだったか、リフティングめっちゃ下手な選手
    バルサでスタメンやってた選手がリフティングできない時点でマジで意味ないわ

  4. 名無し より:

    >>2
    日本でも中学生以上ぐらいは、リフティングなんてウォーミングアップの一環だろ。それよりもボール蹴れる場所が少なすぎるのが問題だと思うわ

  5. 名無し より:

    >>3
    意味無くはないけどな
    前の三笘のスーパーゴールとかリフティングやってないと無理だし
    そもそもほとんどの選手が当たり前にできることができない時点で舐められると思うけどな

  6. 名無し より:

    日本の選手はキック力と正確性が低すぎ。そこら辺が上がってこれば、CL常連のチームにいる選手で半分ぐらいス夕メン組めるようになるはず。

  7. 名無し より:

    >>4
    一環つーか
    それは出来てて当然ってだけだぞ
    回数重ねることに意味はないけど
    上手い方がいいに決まってる
    下手な奴が練習して意味ないなんてことはない

  8. 名無し より:

    >>3
    そんな個人技は子供の頃から自主練で鍛えるもので
    チーム練習でやるような事じゃない

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