
オランダでの5シーズン目を迎える菅原由勢は、AZの中心選手としての貫禄十分。この日も多彩なオーバーラップで右サイドを制圧した。「今日の相手は少し強度が低かった」ということもあって、より個で相手を剥がすことが多く、スピード勝負で相手を置き去りするシーンは圧巻だった。
昨シーズンに引き続き、「攻守に右サイドを支配する」というテーマを掲げている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4120ccdcda9a1f5afef9c93a0202d35323e155a
シーズン開幕から公式戦3連勝のAZ。菅原は今季も右サイドで違いを生み出している

今シーズン、チームでセットプレーを任されている菅原はサンタ・コロマ戦の第1レグ(1-0)、エールディビジグ開幕戦の対ゴー・アヘッド・イーグルス(5-1)と2試合続けてアシストを記録している。ゴー・アヘッド・イーグルス戦で蹴った美しい孤を描きながらファーポストに外したFKは、本人も「入った」と思ったほど手応え十分だった。この日の試合でも菅原のCKからCFパブリディスがフリーで惜しいヘディングシュートを放つなど、菅原のセットプレーはAZの武器になっている。
「中学の頃(名古屋グランパス・ジュニアユース)はセットプレーを蹴っていたんです。AZに来てからも『お前、いいキック蹴るじゃん』ということで、たまにセットプレーを蹴っていたんですが、今シーズンはすっかり任されてます。サンタ・コロマ戦のアシストは、直接ゴールを狙ってFKを蹴ったら味方がコースを変えて決まったんです。でも、味方に当たってなかったら直接入ってたと思いますよ。今日は全部、僕が蹴りました。他の選手には蹴らせませんよ(笑)」
今シーズンの目標を尋ねると、移籍市場の締め切りまでおよそ2週間ということもあって、菅原は状況を整理しながら丁寧に答えてくれた。
「もうAZで4年間やってますからね。移籍したいです。でも、僕がこのチームでプレーすることによって成長したのは確かなんでね。恩返ししたいという気持ちを常に持ってます。まだ移籍市場が開いてますが、今シーズンもこのままAZでプレーするのならタイトルを獲りたいですね。オランダリーグ、KNVBカップ、カンファレンスリーグと3つもタイトルがあるんだから、ひとつは獲りたい。昨シーズンはカンファレンスリーグでベスト4まで行ったので、周りからは『よく頑張った』と言われましたけれど、自分は悔しかったので、ひとつ優勝したいです」
個人として今シーズンのターゲットは何かあるのだろうか?
「ゴールとアシストを足して20。これを狙っていきます。そしてオランダリーグ最高の右サイドバックと呼ばれるようになりたいですね。自分としては、そこへのこだわりはあまりありませんが、周りからそう言われるようになったら良いですね」
エールディビジでプレーした日本人選手の「ゴール+アシスト」ランキングは2015-16シーズンにハーフナー・マイク(当時ADOデン・ハーグ)が記録した19(16ゴール+3アシスト)が最高。菅原自身は昨シーズンの11(3ゴール+8アシスト)で5位に付けている。
