「ミトマにマンCが興味」「ミトマ、アーセナル移籍も」報道は疑わしかった…ブライトン取材歴36年の番記者が明かす三笘薫“移籍市場の真相”

三笘薫

1

「なぜブライトンは移籍最終日に、ミトマと同ポジションの新星を獲得したのか?」約36年間にわたってブライトンを取材し続ける、番記者のアンディ・ネイラー氏。三笘薫を巡る移籍市場の真相をNumber Webに明かす。

移籍市場の最終日、ブライトンはバルセロナからアンス・ファティを1年間のレンタルで獲得した。

ファティについては「リオネル・メッシの後継者」との呼び声もあり、いずれスペインを背負って立つ逸材であるのは間違いない。ロベルト・デゼルビ監督も期待値の高いファティを獲得できたことに喜んでいるが、そもそもブライトンにこの20歳の新星を迎えるプランはなかった。少なくとも市場が閉幕する10日前の時点で、補強リストにファティの名はなかったのだ。

ファティが最も得意とするのは、左サイドの攻撃的なポジション。三笘の主戦場と重なることから、「ファティの補強は日本代表アタッカーの移籍への布石か?」との見方もあった。だが、実際の話は大きく異なる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1b33c7eab5811ded9c432ddf394d55c1993b3f1d

昨シーズン、10ゴール・7アシストという記録を残した三笘薫。移籍市場でも様々な噂が報道された

2

移籍の引き金となったのは、フリオ・エンシソの負傷離脱だ。前線の攻撃的なポジションならどこでもこなせるパラグアイ代表が8月下旬の練習で負傷し、その後の診察で左ひざの半月板損傷が明らかになった。19歳のアタッカーは、最短でも来年1月まで離脱することになった。

結果として、ブライトンは急遽ファティの獲得を決めた。

デゼルビ監督はファティについて「アンスは9番(=ストライカー)でも10番(=トップ下)でもプレーできる。左右両サイドのウインガーとしても機能する」と語っており、ひとつのポジションに固定することなく、柔軟に起用していく方針を示している。つまりファティは、三笘のライバルでもなければ、後釜でもない。あくまでもエンシソの代役として迎え入れたわけだ。

日程から考えても、ファティの獲得は不可欠だった。

今季、欧州リーグに参戦するブライトンは、超過密日程で戦っていくことになる。国内リーグ戦の38試合に加え、欧州リーグのグループステージが6試合。これだけで、すでに44試合だ。マルセイユ、アヤックス、AEKアテネと同居した欧州リーグのグループリーグを勝ち抜けば、試合数はさらに増える。

またFAカップとリーグカップの国内カップ戦も入ってくるため、おそらく今シーズンは50試合前後を戦うはずだ。

ブライトンはもともと選手層が厚いと言えず、デゼルビ監督も、エンシソの穴を一刻も早く埋める必要があると考えた。そこに降って湧いたのがファティのレンタル移籍だった。当初はトッテナム行きが有力視されていたが、デゼルビ監督が自らファティに電話をかけ、役割や構想などを伝えたという。ファティも熱心な勧誘に惹かれ、すぐに契約がまとまったという。

ここからは、三笘について記したい。

プレミア挑戦1年目となった昨シーズンの活躍は、「素晴らしい」の一言だった。デゼルビ監督の就任を機に序列を一気に引き上げ、レギュラーに定着。最終的に10ゴール、7アシストの成績を残した。主力として躍動したそのプレーは大いに評価できる。

ただ、課題がないわけではなかった。4月から過密日程に入ると、得点、アシスト数が著しく減り、プレー自体も迫力が低下した。ブライトンで約3日ごとに試合が続き、さらに3月には国際マッチウィークで日本への長距離移動を強いられたことで、コンディションを落としたのが原因だったように思う。それだけに、今シーズンはいかにベストコンディションを維持できるか。ここがポイントになるのは間違いない。

さらにデゼルビ監督は、三笘にもうひとつ注文をつけている。それは中盤でのプレーだ。

サイドから縦への突破はたしかに素晴らしい。だが中盤の中寄りにポジションを移すと、パスワークへの参加の仕方、ボールの受け方、出し方に課題があると指摘している。パスワークにスムーズに絡めるようになれば、三笘はアタッカーとしてさらに進化するだろう。

今夏の移籍期間、その三笘に移籍の噂が浮上した。英タブロイド紙が「マンチェスター・Cが三笘に興味」と報じたり、あるいは別の報道機関が「アーセナルが興味を示している」とも伝えた。

だが私の取材では、この夏の移籍期間に具体的な動きはなかった。英タブロイド紙の報道にどれだけ信憑性があるのかは疑問が残るところで、三笘の去就報道に関して、私も深くは追わなかった。

そのせいだろうか。地元サポーターも、三笘の去就についてさほど心配せず、終始落ち着いていたように思う。市場閉幕で三笘の残留が決まった後も、とくに驚いた様子はなかった。

そんなサポーターの期待に応えるかのように、三笘はプレミア第2節のウォルバーハンプトン戦で息を飲むほどの美しいゴールを決めた。敵3人を次々とかわし、華麗に決めた圧巻の一発で、三笘の実力と成長を見せつけたゴールだったと思う。8月のプレミア最優秀ゴール――日本人選手では初の快挙だ――に選ばれたのも納得の得点だった。

前述したように、今シーズンのブライトンには超過密日程の戦いが待っている。9月21日からは、いよいよ欧州リーグがスタート。デゼルビ監督はローテーションを採用しながらひとつひとつ丁寧に戦っていくだろう。

エースの三笘も、このローテーションに組み込まれるに違いない。左サイドは三笘を軸としながら、ある時はファティ、またある時は21歳のアタッカー、シモン・アディングラが先発に名を連ねるはずだ。

いずれにせよ、ブライトンにとって真の勝負はここから。欧州リーグ参戦という未知の領域に突入するブライトンは、はたしてどんなプレーを見せてくれるか。そして、三笘はエースとしてどんなパフォーマンスで勝利に導いてくれるか。

3

約36年間にわたりブライトンを追いかけている筆者も、欧州カップ戦が始まるここからの戦いに気持ちを高めている。

コメント

  1. 名無し より:

    シティはドクいるしいらないでしょ。
    三笘はビッグクラブ行くならもう少し内側でのプレーできて、点取れないと話にならない。
    26歳ならシーズン二桁は余裕で取らないと行けないでしょ

  2. 名無し より:

    三笘は決定力がヤバすぎるからビッグクラブでやったらメディアやサポの反応がヤバいことになるよ

  3. 名無し より:

    決定力がヤバいって
    グリーリッシュやマルティネッリの昨シーズンの成績知ってるんか?
    三笘はブライトンでこの成績なんだが

タイトルとURLをコピーしました