
バルセロナでは栄光の日々を送り、数多くのタイトル獲得に貢献。チームとして、そして個人としてもタイトルを総なめにし、史上最多の7度のバロンドール受賞も果たしている。
一方で、アルゼンチン代表としては結果を残せておらず、2021年にやっとコパ・アメリカを制して初タイトル。多くのアルゼンチン人が望んだタイトルだったが、キャリアで最後と決めたカタール・ワールドカップ(W杯)では、ついにそのトロフィーに手が届くところまで来た。
準決勝でクロアチア代表に勝利した後には、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスでは大勢の人々がマージョ広場に繰り出し、決勝進出に歓喜。多くの人がユニフォームを着ていたが、その背中には「MESSI 10」がついていた。
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メッシにアルゼンチン国民の気持ちを伝えたソフィさん
そんな中、1人のリポーターの行動が大きな話題を呼ぶことに。『TVP Sport』のソフィ・マルティネス・マテオスさんがミックスゾーンでメッシへのインタビューを行っていたが、最後には質問ではなく、偉大なるキャプテンへのメッセージを送った。
「最後に言いたいことは、質問ではなく、声明です」
「W杯の決勝が近づいています。私たちみんなが優勝を望んでいるとしても、誰も奪うことができないものが1つあります。それは、あなたが全てのアルゼンチン人に与えてきたものです。私はあなたに正直に言います」
「あなたのシャツを持っていない子供は1人もいません。それがオリジナルであろうと、レプリカであろうと、誰かが作ったものであろうと、そして想像上のものであろうとです」
「あなたはみんなの人生に感動を与えてきました。そして、それこそがW杯よりも偉大なものだと私は考えています。それは、あなたが多くの人々に与えてくれた、とても大きな幸せの瞬間への感謝の気持ちです」
「本当はW杯よりも重要だと思っているので、心の中でそれを理解しておいてほしいと思っています。そして、あなたはすでにそれをわかっているはずです。ありがとう、キャプテン」
アルゼンチン国民がメッシに伝えたくても伝えられない想い。それぞれが、メッシのユニフォームを着て、メッシを応援し、苦しい時も嬉しい時も同じ気持ちになることで示していたものを、敢えて言葉にしたソフィさん。この言葉を受け取ったメッシは、静かに微笑みながらこの言葉を受け止めていた。