「前半からずっと、全然やれるなと」。三笘薫がドイツ戦のピッチで示した自信と攻守両面の大きな貢献

三笘薫

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今月9日に日本代表はドイツ代表に4-1で快勝した。その歴史的大勝劇において、左サイドハーフとして先発して攻撃面では相手に脅威を与え、守備面では連動したプレーで味方を助けたのが三笘薫だ。翌日のトレーニング後、取材に応じた。

快勝したドイツ戦から一夜明けた10日、三笘薫がリカバリートレーニング後に取材に応じた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ef8c9a37f43ae1836e9fa3005dbfa2636964eabf

守備でも光った状況判断

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前夜の試合では相手が三笘を警戒し、2人で対応するようなケースも見られたが、それは三笘以外の日本の選手がフリーになっていることを意味した。相手の守備は想定内だったかと問われると「思ったより真ん中の選手だったり、プレスバックのところが早かったので、そこを見ながら、ある程度来ているなというところで味方を使うことを優先させましたけど、想定内ではあります、常に」と事もなげに言った。

大国ドイツにも注意を払われる存在の三笘だが、その状況を逆手に取れるのがまた、三笘のクレバーなところ。圧倒的なスキルとスピードだけはなく、ピッチ上の状況を瞬時に把握し、プレーを選択できる強みもある。

三笘の判断は、守備面でも大いに生きていた。日本は序盤、4-4-2でセットして守備を実行。相手の2CBに対して上田綺世と鎌田大地が制限をかけ、アンカーのエムレ・ジャンへの球出しを封じつつ圧力をかけた。するとドイツはGK+2CBで回してきたが、伊東純也がサイドバックへのコースを切りつつ、リュディガーに寄せ、たまらず逆サイドのズーレに回わしてきたところを、今度は三笘が狙った。

「チームとしてあそこに行けるときは行くというところと、行ってはがされるというよりは、中にプレーさせるところだったり下げさせるという意識はあったので。そこは自分のタスクでしたし、2枚を見ながらも人にいき、一つ後ろを捨ててでも行かないと、ボールを持たれて前回の試合(=カタールW杯時の対戦)のようになってしまうので、そこは一つ大きなところだったかなと思います」

特に前半は前への意識を示し、チームとしてカタールW杯時とは異なり『引かない戦い』を展開した。4-4-2で守りつつ、相手が右CBのズーレ、左CBのリュディガー、左サイドバックのシュロッターベックの3枚回しに変更すると、状況に応じて三笘はズーレにプレッシャーをかけて相手のビルドアップを封じていく。頻繁に内側にポジションをとるキミッヒへのパスも簡単には出させなかった。遠藤航も「チームとして助かった」と語った三笘のプレー選択だった。

「(上田)綺世が行ったときは僕もついていかないと無駄になってしまうので、そこは行っていました。もし自分がはがされても次もう一回行くというところは意識していましたし、相手のCBの位置によって、自分が行くか行かないかが決まってくるので。そこで(鎌田)大地君が前に行くかを見ながら、(前が)2枚で行くか3枚で行くかというところは後ろも連動してくれたかなと思いますね」

前半、日本のフロントラインによるプレスは効果的で、ドイツを大いに苦しめていた。その結果が、2-1で後半に折り返すことにつながったと言えるだろう。相手の変化を見極め、即座に対応する三笘たちの実行力は、森保一監督も現在のチームの強みとしてこれまでにも強調してきた。

後半、日本は5バックに変更し、3トップ+インサイドハーフの2人(ヴィルツ、ギュンドアン)で5トップ気味になる相手に対応していく。前半は4バックで対応していたが、構造的に1枚足りず、どうしても余った一人(多くの場合はサネ)に攻め手を与えてしまっていた。4バックでやり切る手もあったものの、「90分は難しかった」と冨安健洋や守田英正が振り返ったように、相手の圧力が増す中でサネの脅威も次第に大きくなっていた。果たして後半開始直後は三笘が下がってサネと対峙する5バックで対応することになった。

ただ、そのまま三笘が後ろで守備に従事するのではカタールW杯と同じだ。59分に投入された谷口彰悟が5バックの中央を務めるようになってから、三笘は2シャドーの位置に進出。ボール奪取後のカウンターの担い手として振る舞った。中盤のラインが相手にプレスをかけられず、5バックと重なってやや引き過ぎる場面もあったが、プッシュアップの意識を持ち続けたことで日本はドイツに加点を許さず、終盤に2点を追加して勝ち切ることに成功した。

その中で三笘はベンチに下がる84分まで、求められるいくつもの役割をこなしながら日本を攻守両面で支え続けた。

「前半からもうずっと、全然やれるなというところと、一人ひとりが相手をかわすじゃないですけど、自信を持って前を向いて判断しているところがありました。全然、互角以上にできるなというのを感じていました。最初からある程度、自信はありましたし、ゴールキックのところからも自分たちが意図的につくり出したところもあった。ミスもありましたけど、それによって前にスペースができたり、相手が前に来たぶん後ろにスペースができたり、うまく誘導できたかなと思います」

カタールW杯で得た自信を、チームとして今回の勝利でさらに大きなものとすることができたはずだ。親善試合とはいえ、ドイツにホームで大勝した意味はやはり大きい。しかも狙いを持って守備をして攻め筋を作り、実際にゴールを重ねてつかんだ結果だ。引いてカウンターを仕掛けるだけではない、成長した姿を敵地で満天下に示した。

日本は着実に成長している。そしてその中心部には、三笘がいる。

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次戦、日本は12日にベルギーでトルコ代表と対戦する。

コメント

  1. 名無し より:

    こういう事さらりと言いきっても説得力ある選手か現れたのは嬉しい限り
    この試合は決めきれなかったけど常にワンパターンな抉り方する事はもう無いな

  2. 名無し より:

    そうか?
    前を向けるところでバックパス
    ドリブルしちゃいけない自陣場面でのドリブルからのロスト
    はっきりしない守備でのマークと立ち位置
    仕掛けた時は流石の威力だと思ったけど、やっぱり先発は怖い
    やっぱりジョーカーとして使ったほうがいい、と俺は思ったけどね

  3. 名無し より:

    一度もミスしない選手いるの?相手にもいないけど

  4. 名無し より:

    へぇ〜すごいね
    今後も100%だね
    君が監督にならない限り

  5. 名無し より:

    三笘が常にマークを二人引っ張ってくれてることの威力が分からん奴がサッカー見てなんか意味あんの?

  6. 名無し より:

    プレーしながら相手のシステム変更に自分たちですぐに気づいて対応を変えていける選手が何人もいるのがいいね。
    ポジショニングで効いてた鎌田を下げて谷口を投入したのは驚いたけど、サネの対応の難しさについて冨安、板倉、伊藤らの進言もあったんだと思うし、勝ってる状況ならリスクを避けてロングカウンターできる5バックは正解だったと思う。カウンターでスペースあるなら三笘と伊東、久保のクオリティも活かせるし。
    素晴らしい試合だった。

  7. 名無し より:

    >>2
    三笘がボール持つだけで相手の最終ラインがズルズル下がるんだから仕掛けなくてもチームはめちゃくちゃ助かってんだよ
    だいたい三笘の代わりにスタメンで出す選手は誰だよ。名前あげてみろ。そいつが三笘以上のことできるか?
    もう何回も言われてることなのに理解できないならサッカー観るのやめろ
    時間の無駄
    せめて反論され尽くした批判を繰り返すな

  8. 名無し より:

    ※2
    なら三笘の代わりに誰がそこのポジションやるの?それでその代わりの選手はあなたが指摘している様なミスはしないのね?

  9. 名無し より:

    >>5
    残念ながら無いっすね

  10. 名無し より:

    >>2
    三笘らしくないトラップミスはあったけど、それ以外は脅威になってたよ。
    もうジョーカーとかいうのはさすがにないわ。
    あれだけプレミアで実績残してて。久保、伊東のようなライバルがいるならまだわかるけど日本の左で三笘に対抗できるのは今はまったく見当たらない。

  11. 名無し より:

    >>2
    守備の立ち位置やマークも受け渡しも、はっきりしてたよ。見えなかった? 
    ワールドカップ前と比べても約束事は伺えたし、状況に応じて複数の選手間での自己判断も統一されてたし。
    それが見えなきゃ、サッカー見るなとまでは言わないけど、批判のための無理なこじつけて議論など、したり顔で語る資格はないと思うよ。
    このレベルの選手をジョーカーで使う著名な監督など、プレミアどころか五大リーグのどこを探してもいないよ。いたら教えてくれ。

  12. 名無し より:

    20年前はセルティック、フェイエ、ローマ、HSVとかにルマンやグルノーブルにもいたというレベル。
    それからユナイテッド、ミラン、シャルケ、インテルにいたけど絶対的なのはシャルケで、でも内田は怪我がちだったし。。まぁ長友も結局最後にはスタメン取ってたけど。
    今やフェイエ、セルティックにも選手はいつつ、アーセナルやソシエダ、リバプールにスポルティングCPやラツィオ、AZ、ブライトン、ランスとかだもんな。トップ層は厚くなってはないけど平均値の向上が上がってる。このまま次世代も続いて欲しいわ

  13. 名無し より:

    余裕がない局面でも三笘に預ければ深い位置まで運んで時間を作ってくれる
    特に前半なんてほんと素晴らしかった、これはIJもそうだけどね

  14. 名無し より:

    >>2
    まーだお前みたいなのがいたんだな、もう絶滅危惧種だろうけどw
    お前の頓珍漢な見識で選手叩きたいだけならもうサッカー観るの辞めろ
    お前みたいな存在は迷惑

  15. 名無し より:

    久保君が長く出てもいいけど、今の久保君の攻撃力はばつぐんなので
    相手の最後の息の根を止めるには恐ろしいほどいりょくだ。

  16. 名無し より:

    ここって釣りに最適だよな
    こんなに爆釣れだもんで試しに糸を垂らしたくなってしまう気持ちも解らなくもないわ

  17. 名無し より:

    三笘も伊東もいざとなったらウィングバック出来る脳と技術を持ってるのがでかい

  18. 名無し より:

    >>2の人気に嫉妬

  19. 名無し より:

    元記事のタイトルに他意を感じるな。三笘は試合始まってすぐにドイツ相手でも全然やれる手応えを感じたって言ってるのに、このタイトルだとW杯のときの後半投入への当てつけっぽく見えちゃう。それもあって2みたいのが釣られちゃったんだろ。
    W杯の時は実況・解説者すらベルギー時代に1年みっちりWBやらされていたことを解説しなくてWB起用した森保への視聴者の懐疑の目がすごかったな。コロナ以降の交代枠と交代回数のルール理解不足で交代枠残したと勘違いされたり、森保のマイナスイメージの半分はいわれのないものの気がする

  20. 名無し より:

    左サイドはドイツが仕込んできてたから、かなり難しい攻防を強いられてたよな。伊藤洋輝もサネと

  21. 名無し より:

    最後の伊東と三笘の風神雷神コンビかっこよすぎ

  22. 名無し より:

    >>20
    ミキッチとサネを一人で引き付けてるからな
    伊藤がわかってないわ
    三笘の前にいってどうすんねん。内に入っていかないと。ブライントンのビデオで研究したほうがいい

  23. 名無し より:

    三笘より伊藤が微妙過ぎだった。まあ、対峙してる相手が相手なのも有ったけど。上田がもうちょいポストプレー出来ればカットインもっと見れるんだけどね・・・。

  24. 名無し より:

    勝った試合でも三苫が思い通りの活躍じゃなかったスケープゴートにされる伊藤かわいそうだな
    戦術関係ないサネがいるサイドなんだから守備も攻撃も両方完璧にいくわけないだろ
    さすがになめすぎ

  25. 名無し より:

    >>22
    ミキッチ元気にやってんのかねえ

  26. 名無し より:

    >>14
    うーん
    脅威でない、とは言ってないんだけどね
    前半何度も突破されてる日本の左サイド
    あれ、徹底されたら崩壊してた危険あったけどね
    伊藤が悪いってのもわかるけど
    まぁ、そのうち見てたらわかるやろ

  27. 名無し より:

    >>2
    中島の時もこの手の主張をする奴はいて、どれだけ自陣でドリブルからキープできる人材が貴重か説いたものだけど、更に遥か上のレベルの三笘にすらその有効性を見いだせない奴がいるとなると、これはもうどうしようもないなと思う

  28. 名無し より:

    >>26
    ドイツが冨安を放置しCFを板倉につけて、右から作ってフリーの左へ展開する日本のパターンを封じる戦術を敷いていた時点で、日本の左サイドが攻防の主戦場になったのは自明の理だけどな
    それを左サイドにいる選手の個人戦術のレベルで判断するのは無理な話
    日本が左サイドから攻められてる以上に、ドイツは右サイドから崩されて間を作られ、その結果放置していた冨安に逆サイドに展開され前半のうちに2失点した
    冨安がいなければ逆サイドへの展開が無かった点で冨安が称賛されるのは当然だが、その前段階で三笘の脅威がなければドイツの戦術的対応もなかった

  29. 名無し より:

    >>26
    問題があるとすればサネと伊藤を1vs1にさせた森保の選手ぐらいで、それも半ば強引にではあるが修正した
    自分には三笘に何の不満があるのか不思議だね
    まぁ、お前みたいなのはいくら見ててもわからんやろ

  30. 名無し より:

    >>21
    言い得て妙だわ(笑)

  31. 名無し より:

    >>29
    ✕森保の選手
    ○森保の戦術

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